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EU、AIが作った画像や文章に印を付けることを義務化。違反は最大約25億円、チャットボットは人間でないと伝える必要

AIツールギャラリー編集部更新: 2026年9月11日
EU、AIが作った画像や文章に印を付けることを義務化。違反は最大約25億円、チャットボットは人間でないと伝える必要

欧州連合(EU)は2026年8月2日、AIが作った画像・音声・動画・文章に、AI由来だとわかる印を付けるよう求める規則の適用を始めました。EUのAI規制法(AI Act)第50条の透明性義務にあたるもので、欧州委員会が8月2日付の発表で明らかにしています。チャットボットのように人と直接やりとりするAIには、相手が人間ではないと利用者に伝える義務も課されます。違反した企業への制裁金は最大1500万ユーロ(約25億円)、または全世界の年間売上高の3%のいずれか高いほうです。

EUの規制と聞くと遠い話に思えますが、印を付ける作業の大半を担うのはAIツールを提供する側です。私たちが普段使っているサービスの出力そのものが、これから変わっていきます。

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

義務は作る側と使う側に分かれている

第50条の義務は、AIを提供する事業者と、AIを使って何かを世に出す事業者とで内容が違います。条文の解説によると、柱は次の4つです。

  • 人と直接やりとりするAIは、相手がAIだと利用者にわかるようにする(提供する側)
  • 生成AIの出力には機械が読み取れる形式で印を付け、AI生成だと検出できるようにする(提供する側)
  • 感情認識や生体的な分類を行うAIを使うときは、対象になる人に知らせる(使う側)
  • 実在の人物などに似せたディープフェイクと、公共の関心事についてAIが書いた文章は、AI由来だと明示する(使う側)

例外もあります。AIだと一目でわかる場合の告知は不要で、芸術や風刺の作品では加工した事実を適切な方法で示せば足ります。人間が実質的な編集責任を持って確認した文章も、明示の対象から外れます。

制裁金は最大約25億円。既存サービスには12月2日までの猶予

制裁金の上限は企業で1500万ユーロまたは世界売上高の3%、EUの機関や団体は75万ユーロです。中小企業には比例性が考慮されます。すでに市場に出ている生成AIについては、印付けと検出の義務に限って2026年12月2日までの猶予が設けられました。8月2日より前に作られたコンテンツに、さかのぼって印を付ける必要はありません。

大手はすでに自主ルールに署名している

欧州委員会のAI事務局は、義務への対応を示す道筋として自主的な行動規範を用意しました。7月31日の発表によると約190団体が署名し、提供側の章にはOpenAI、Google、Meta、Microsoft、Anthropic、Mistral、Synthesiaなどが並んでいます。

2026年8月2日から、欧州委員会のAI事務局は各国当局とともにAI法の執行を始めます。(欧州委員会の発表より)

AIツールギャラリーの視点。関係してくるのは仕事で使うとき

個人が趣味の範囲でAIを使う分には、使う側の義務が直接かかるわけではありません。一方、仕事として継続的にAIで発信するなら、EU向けの発信では対象になりえます。いま日本のユーザーができることは2つあります。出力に印が入る前提で素材を扱うこと、そして人の顔や声を加工した素材には自分で断り書きを添える習慣を持つことです。ChatGPTMidjourneyRunwayのような画像・動画を作るツールは、この印付けの影響を最初に受ける領域になります。

わかっていないこと

印がどこまで残るのかは、まだ読み取れていません。欧州委員会が公開している資料からは、加工や再圧縮を経たあとにどの水準まで検出できれば義務を満たすのか、技術的な線引きが確認できませんでした。各国の当局が最初にどの事例を執行対象にするかも決まっていません。続報が出たらこの記事に追記します。

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