Copilotの普及を誇張と株主がマイクロソフトを提訴。決算発表の翌日に株価は10%下落
マイクロソフトがAIアシスタントCopilotの普及ぶりを誇張して投資家を欺いたとして、株主が米連邦地裁で証券集団訴訟を進めています。1月の決算発表翌日に株価は10%下落。8月11日には主導原告の申立期限が迫ります。

米マイクロソフトが、AIアシスタント「Copilot」の普及ぶりを誇張して投資家を欺いたとして、株主から証券集団訴訟を起こされています。訴訟は米ワシントン州西部地区連邦地方裁判所で進行中で(事件番号26-cv-02071)、裁判所が定めた主導原告の申立期限が2026年8月11日に迫っています。米BFA法律事務所の事件ページやLevi & Korsinsky法律事務所の告知によると、対象は2025年5月1日から2026年1月28日までに同社株を取得した投資家です。
「AIがどれだけ使われているか」という企業の説明ぶりが、そのまま法廷で問われる構図です。Copilotを仕事で使っている読者にとっても、数字の読み方という点で無関係ではありません。
発端は1月の決算発表と株価の急落
決算で明かされた有料顧客1500万
事件ページによると、マイクロソフトは2026年1月28日に発表した四半期決算で、クラウド事業Azureの成長が急に鈍ったことを示すとともに、Microsoft 365 Copilotの有料顧客数が1,500万にとどまることを初めて開示したとされます。この数字はアナリストの想定を大きく下回ったと指摘されています。
翌日の株価は10%下落
翌29日、同社の株価は481.63ドルから433.50ドルへ、1日で約10%下落しました。米Yahoo Financeの市況まとめによると、売上高は前年比17%増と決算自体は堅調だった一方、AI向けの設備投資が89%増と膨らみ、支出に見合う成果が出ているのかを疑う見方が広がったと報じられています。
訴状の主張はまだ確定した事実ではない
訴状の主張の柱は次の3点です。
- マイクロソフトはCopilotが「クラス最高」の能力を備え、利用者が急速に増えていると説明してきた
- 実際には深刻な機能面の問題があり、利用の伸びは鈍っていた
- その実態を伏せたまま、Copilotの成功がAzureの売上を押し上げているように見せていた
ただし、これらはいずれも原告側の主張であり、裁判所が事実と認定したものではありません。マイクロソフトが法廷でどう反論するかも、まだ明らかになっていません。未確定の話として読む必要があります。
8月11日の期限は主導原告の申立締切
「投資家に返金の可能性」という切り口で紹介されることもある期限ですが、損害賠償の請求締切ではありません。Levi & Korsinskyの告知は次のように説明しています。
裁判所は2026年8月11日を、主導原告への就任を申し立てる期限と定めた
主導原告とは、株主の集団を代表して訴訟の進め方を決める立場のことです。つまり8月11日は、訴訟を引っぱる代表者を決める手続き上の節目にあたります。
AIツールギャラリーの視点
今回の訴訟で、Copilotのサービスが止まったり機能が使えなくなったりするわけではありません。争われているのは製品そのものではなく、投資家への説明の仕方です。一方で、ツールを選ぶ側が今日からできることもあります。ベンダーが掲げる「利用者数」を見るときに、無料試用を含むのか有料契約だけなのか、数字の定義をひとこと確認することです。当サイトのMicrosoft 365 Copilotの紹介ページでは、機能と料金プランを整理しています。
わかっていないことと続報
現時点でわかっていないのは、マイクロソフト側の正式な反論の中身、今後の審理日程、そして「1,500万」という数字の内訳(契約席数なのか企業数なのか)です。続報が出たらこの記事に追記します。AI製品の「使われている」という数字がどこまで厳密に問われるのか、この裁判はその試金石になりそうです。
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