KADOKAWAとはてな、AI小説エディタ「RIKU」を発表。AIは本文を書かず、テスター募集は8月17日まで

KADOKAWAとはてなは2026年7月30日、AIを活用した次世代小説エディタ「RIKU」を共同開発しているとはてなのプレスリリースで発表し、同日からクローズドβテストの参加者募集を始めました。開発は2社、運営はKADOKAWAです。応募できるのは小説を書いている人と書いてみたい人のうち18歳以上で、締め切りは公式サイトによると2026年8月17日23時59分です。
目を引くのは機能の追加ではなく引き算です。プレスリリースには「『RIKU』は、物語を書きません」と書かれています。生成AIの執筆ツールでいちばん派手に見える部分を、出版社が組んだツールがあえて外しました。
この記事の監修者

AIリスキル株式会社 代表取締役
AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。
実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など
RIKUが引き受ける仕事と引き受けない仕事
AIに任せているのは、執筆の前後です。
- ストーリーやキャラクター、世界観の設定づくりを手伝い、執筆中いつでも参照できる形にまとめる
- 書き手が詰まったときに、次にどうすべきかを一緒に考える
- 書き上がった小説に、最初の読者として校正・校閲・レビュー・感想を返す
公式サイトの画面イメージでは、本文を書くノートの横にAIとのチャットが置かれています。
AIは物語を書かないと公式FAQが明言
公式サイトのよくあるご質問は、1問目からこの点に答えています。
Q. RIKUが、物語を代わりに書いてくれるんですか? A. いいえ。RIKUは物語を書きません。あなたが書くのを、隣で助ける相棒です。
続けて、プロの作家の仕事を奪うのではないかという質問も自分で立て、誰かの仕事を置き換えるものではなく、一歩を踏み出せなかった人のために創作の入口を広げるものだと答えています。創作の現場にAIへの警戒があることを前提に、先回りして線を引いた作りです。
書いた作品はAIの学習に使わない
もう1つの約束が、書いたものの扱いです。プレスリリースには「『RIKU』を使って書いた作品はAIの学習に使われることはありません」とあり、公式サイトのFAQでも同じ趣旨が繰り返されています。
この2社は2016年に共同開発したWeb小説サイト「カクヨム」を運営してきました。カクヨムは2025年11月、生成AIを使った投稿作品に、本文の生成割合に応じたタグを付けるよう投稿者に呼びかけています。投稿サイト側ではAIの関与を開示させ、ツール側では本文を書かせない。同じ2社の判断として方向はそろっています。
AIツールギャラリーの視点
続きを生成するツールとは目的が違う
小説向けのAIツールでは、書き出しを与えると続きを生成する型が知られています。国産ではAIのべりすとがその代表です。RIKUはその機能を持たないと明言しています。文章そのものがほしいのか、書くための整理を手伝ってほしいのかで、選ぶツールが変わります。
いま試せること
βテストは当選制で、応募が多い場合はウェイトリストに登録のうえ順次案内するとされています。
- 8月17日23時59分までに公式サイトから応募する。応募はひとり1回まで、Googleアカウントが必要です
- ChatGPTやClaudeで設定づくりの壁打ちだけ先に試す。「続きを書いて」ではなく「主人公の動機で弱いところを質問して」と頼むと、RIKUの想定に近づきます
- 入力した内容が学習に使われるかはサービスごとに違うので、試す前に設定を確認する
小説を書かない人にも関係のある線引き
この割り切りは、小説以外の書き仕事にも当てはまります。手が止まるときはたいてい書けないのではなく、何を書くかが決まっていないほうです。決めるところと直すところだけAIに手伝わせる形なら、中身は自分のものとして残ります。
わかっていないこと
どのAIモデルを使っているかは、プレスリリースにも公式サイトにも記載がありません。料金は現在準備中とされ、正式リリースの時期も示されていません。クローズドβの当選人数とテスト期間も公開されていません。物語を書かないAIが書きたい人の役に立つかは、テスターの声が出てくるまで判断できません。続報が出たらこの記事に追記します。
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