AIツールギャラリー

MCPとは?AIと社内ツールをつなぐ共通規格|仕組みと使う前の3つの確認点

AIツールギャラリー編集部更新: 2026年9月10日
MCPとは?AIと社内ツールをつなぐ共通規格|仕組みと使う前の3つの確認点

MCPとは、Model Context Protocolの略で、AIアプリと外部のデータやツールをつなぐための共通規格です。これまでは、つなぎたい相手が増えるたびに、AIアプリ側でその都度専用の接続を作る必要がありました。

効いてくるのは、誰が何の役割を担うのか、従来の個別接続と何が違うのか、接続を許可する前に何を確認すべきかの3点です。

この記事では、MCPの仕組みから、実際に対応しているツールまでを、この3点に沿って整理していきます。読み終えると、MCPが自分の業務に必要かどうかを判断できます。

専門用語が出てきますが、初めて出てくるところで短く補足していきます!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

MCPとは、AIアプリと外部のデータ・ツールをつなぐ共通規格

それぞれの接続が個別だった状態と、MCPという共通規格に沿って接続する状態を対比した図

AnthropicがMCPを公開したのは2024年11月です。AIアプリがデータの保存場所や社内ツールと、安全にやり取りするための共通規格として発表されました。

MCP公式サイトは、この仕組みを「AIアプリケーションのためのUSB-Cのような規格」と説明しています。USB-Cが機器ごとに違う端子を1つの規格でつなげるように、MCPはAIアプリと接続先を1つの規格でつなぎます。

「MCP対応」が増えると何が変わるか

これまでは、AIアプリ1つと接続先1つの組み合わせごとに、専用の接続を作る必要がありました。AIアプリが3つ、接続先が3つあれば、最大9通りの個別接続が必要になる計算です。

MCPに対応していれば、AIアプリと接続先はそれぞれ共通規格に合わせるだけで済みます。組み合わせの数だけ接続を作り直す必要がなくなります。

MCPがどう動くか:host・client・serverの3つの役割

hostであるAIアプリの内部に複数のclientがあり、それぞれが専用のserverと1対1で接続している図

MCPの役割は3つに分かれます。「host」はAIアプリそのもの、「client」はhostが接続先ごとに用意する仲介役、「server」はデータやツールを提供する側です。

hostは、つなぎたいserverの数だけclientを用意します。それぞれのclientが、対応するserverと専用の接続を保ちます。

具体例:AIアシスタントが社内の資料を参照する

経理担当者が、AIアシスタントに「経費精算のルールを教えて」と聞く場面を考えます。

AIアシスタント(host)は、社内のドキュメント管理ツールに対応するclientを通じて、そのツールを提供するserverに接続します。serverは、規定文書の中から関連する部分を探し、AIアシスタントへ返します。

AIアシスタント自身が規定文書を丸ごと記憶しているわけではありません。必要になったタイミングで、serverを通じて社内の情報を取りに行く形です。

文章を生成する仕組み自体は、LLM(大規模言語モデル)とはで解説しています。MCPは、そのLLMを土台にした生成AIが、外部の情報を取りに行くための通り道にあたります。

MCPで対応が広がっているツール

ふだん使うAIアプリ側(host)とつなぎ先・連携構築側(server)、その両方でMCP対応が広がっていることを示した図

MCPへの対応は、AIアプリ側と、データ・ツールを提供する側の両方で進んでいます。

ClaudeChatGPTは、MCPに対応したAIアプリの代表例です。設定した接続先を通じて、外部のデータやツールを参照できます。

開発の現場では、Claude CodeCursorもMCPに対応しています。社内のコード管理ツールや開発用のサービスと接続する用途で使われています。

Difyは、外部のMCPサーバーをツールとして呼び出す側にも、自分のアプリをMCPサーバーとして公開する側にもなれます。片方の役割に固定されないツールも増えています。

具体的な対応例としては、HeyGen MCPがあります。ClaudeからHeyGenのAIアバター動画機能を、MCP経由で操作できる仕組みです。

MCPという規格自体の利用に料金はかかりません。ただし、接続するAIアプリやツールの利用料は、それぞれのサービスの料金体系によります。

自分が使っているツールがMCPに対応しているか調べたい場合は、AIツールを検索することもできます。

MCPと混同しやすい言葉:AIエージェント・API

AIエージェント・MCP・APIの3つの言葉の違いを並べて示した図

MCPと一緒に語られることが多い言葉に、AIエージェントとAPIがあります。

AIエージェントは、目標を渡すと手順を自分で決めて動く仕組みです。AIエージェントの詳しい解説は別記事で扱っています。MCPは、その手順の途中で外部の情報やツールに安全につながるための通り道にあたり、AIエージェントそのものではありません。

もう1つの近い言葉がAPIです。APIは、あるサービスの機能を外部から呼び出すための個別の窓口を指します。MCPは、その窓口ごとに違っていたつなぎ方を、AIアプリ向けに共通化する規格という位置づけです。

MCPに対応したからといって、AIの性能そのものが上がるわけではありません。できることは、接続先として設定したデータやツールの範囲に限られます。

使う前に確認する3つの点

何にアクセスさせるか・接続先が信頼できるか・権限を都度確認できるかの3つの確認点を示した図

MCPという規格に対応しているからといって、安全性が自動的に保証されるわけではありません。次の3点は、接続する前に確認しておくと安心です。

何にアクセスさせるか

接続先のserverが、どの範囲のデータやツールにアクセスできるかは、設定によって変わります。必要な範囲だけを許可することが基本です。

接続先が信頼できるか

MCP公式サイトのセキュリティ関連文書は、接続先を偽装される、認証情報が意図しない相手に渡るといった既知の懸念を挙げています。提供元が明確でない接続先は避けてください。

権限を都度確認できるか

操作を実行する前に、利用者への確認を挟めるかどうかも重要です。確認なしに実行される設定は、意図しない操作につながるリスクがあります。

何から始めればいいか

どの情報にアクセスさせてよいか先に決め、対応を確認し、公式手順で接続する、という3ステップを示した図

MCPの仕組みが分かったら、次はいま使っているツールで確認する番です。

まず、会社で使う場合は、どの情報にアクセスさせてよいかを先に決めてください。 個人の判断で範囲を広げず、社内のルールに沿って進めることが大切です。

次に、いま使っているAIアプリがMCPに対応しているかを確認してください。 対応状況は各ツールの公式ヘルプに記載されています。

対応していれば、公式が案内する手順で接続先を設定してください。 自己流の設定より、提供元の案内に沿うほうが安全です。

ふだん使うAIアプリの設定でMCPに接続するだけであれば、プログラミングの知識は必須ではありません。自分でMCPサーバーを作る場合は、開発の知識が必要になります。

MCPとは、AIアプリと外部のデータやツールをつなぐための共通規格です。従来のツールごとの個別接続を、共通の方法に置き換える点に価値があります。

仕組みはhost・client・serverの3つの役割に分かれます。使う前には、何にアクセスさせるか・接続先が信頼できるか・権限を都度確認できるかの3点を確認してください。

どのツールから対応させるか、社内のどの情報にアクセスさせてよいかは、業務ごとに整理が必要です。社内で進め方を詰めたい場合は、お問い合わせはこちらからご相談ください。

この記事の出典

関連AIツール

この記事は役に立ちましたか?

感想は、今後の記事改善に活用します。

関連記事

生成AIとは?これまでのAIとの違いは「新しく作れるか」|5つの種類とはじめの一歩
解説・ガイド2026年9月10日

生成AIとは?これまでのAIとの違いは「新しく作れるか」|5つの種類とはじめの一歩

生成AIとは、学習したデータをもとに文章・画像・音声・動画などの新しいコンテンツを作り出すAIです。これまでのAIとの違いは、データを分析・予測することが目的か、新しいものを作ることが目的かにあります。5つの種類と代表ツール、使う前に知っておく限界を整理します。

AIエージェントとは?生成AIとの違いは「手順を誰が決めるか」|仕組みと試せるツール
解説・ガイド2026年9月10日

AIエージェントとは?生成AIとの違いは「手順を誰が決めるか」|仕組みと試せるツール

AIエージェントとは、目標を渡すと必要な手順を自分で決めて動き続けるAIです。生成AIとの違いは賢さではなく、手順を人が決めるかAIが決めるかにあります。仕組み、どこまで任せてよいかの4段階、いま日本語で試せるツールの4タイプを整理します。

【令和8年8月3日改正対応】AI研修の企画書を判定軸に沿って組み直す手順|研修名・時間数・受講者の決め方
解説・ガイド2026年9月9日

【令和8年8月3日改正対応】AI研修の企画書を判定軸に沿って組み直す手順|研修名・時間数・受講者の決め方

令和8年8月3日の改正後に、AI研修の企画書をどう引き直すかを手順で解説。研修名の粒度、カリキュラムからの汎用パートの切り出し、実訓練時間と回数の決め方、受講者名簿の絞り込み、計画届からの逆算までを整理しました。

zeta(ゼタ)の使い方完全ガイド:始め方からイントロ・アスタリスクの書き方、課金とウェブ版の制限まで
ツール紹介2026年9月1日

zeta(ゼタ)の使い方完全ガイド:始め方からイントロ・アスタリスクの書き方、課金とウェブ版の制限まで

AIキャラチャットアプリzeta(ゼタ)の使い方を解説。登録から会話の始め方、アスタリスクやイントロの書き方、無料と課金の境目、ウェブ版の制限まで、つまずきやすいポイントを順番に確認できます。

次のAIツール選びへ

気になるツールを並べて、料金や特徴の違いを確認できます。