生成AIとは?これまでのAIとの違いは「新しく作れるか」|5つの種類とはじめの一歩

生成AIとは、学習したデータをもとに、文章・画像・音声・動画などの新しいコンテンツを作り出すAIです。これまで広く使われてきたAIの多くは、写真の中身を当てる、数値を予測するといった「判定」が役目でした。
生成AIを理解するうえで、ツールの数や機能の多さは判断材料になりません。効いてくるのは、何を生成する仕組みか、これまでのAIやAIエージェントと何が違うのか、出てきたものをそのまま使えるのかの3点です。
この記事では、これまでのAIとの違いから、いま身の回りにある5つの種類までを、この3点に沿って整理していきます。読み終えると、生成AIで何ができて何ができないかを踏まえて、最初に何を試すか判断できます。
専門用語が出てきますが、初めて出てくるところで短く補足していきます!
この記事の監修者

AIリスキル株式会社 代表取締役
AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。
実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など
生成AIとは、新しいものを自分で作り出すAI

生成AIは、学習したデータの特徴を覚え、そこから新しい文章や画像、音声、動画を組み立てて出力します。人が一から作る手間を、AIが代わりに引き受ける形です。
総務省の令和5年版情報通信白書は、生成AI以前から使われてきたAIを「Analytical AI」と呼び、データの分析や予測を目的とするものと整理しています。生成AIはこれに対し、学習したデータをもとに新しいコンテンツそのものを作り出す点が違うとしています。
「判定する」と「作り出す」の違いを例で見る
同じ「AI」という言葉でも、迷惑メールを振り分けるAIと、メール文面を書くAIでは役目が異なります。
迷惑メールの振り分けは、受け取ったメールを「迷惑」か「通常」かに分類する、判定AIの仕事です。
文面を書くAIは、宛先や用件を伝えると、そこから新しい文章を組み立てて返します。これが生成AIの仕事です。
生成AIが広く知られるきっかけになったのは、2022年にOpenAIが公開したChatGPTです。文章を生成する対話型AIとして公開され、その後、画像や音声、動画を生成するAIも相次いで登場しました。
いまでは、文章だけでなく画像・音声・動画・コードまで、さまざまな種類の生成AIを多くの人が日常的に使うようになっています。
LLMは、大量の文章を学習することで、ある言葉の次にどんな言葉が続きやすいかを覚えています。そこから、入力された指示(プロンプト)に沿って、次の言葉を1つずつ選びながら文章を組み立てます。
画像や音声、動画を生成するAIも、仕組みは異なりますが考え方は共通しています。大量のデータから特徴を学習し、指示に応じて新しいデータを組み立てて出力します。
同じ指示を出しても、毎回まったく同じ答えが返るとは限りません。 生成の過程には一定のゆらぎがあり、これが得意な表現の幅にも、後述する誤りの原因にもなります。
いま身の回りにある生成AIは、作るものによって5つに分かれる

「生成AI」とひとくくりに呼ばれていても、作るものが違えば、向いている用途も操作の感覚も変わります。この記事では、作るものを軸に5つに分けて整理します。
| 生成するもの | 主な用途 | 代表ツール |
|---|---|---|
| 文章 | 要約、下書き、翻訳、アイデア出し | ChatGPT、Claude |
| 画像 | イラスト、写真風画像、デザイン案 | Midjourney、Leonardo.Ai |
| 動画 | 広告素材、SNS向け短編映像 | Runway、Kling AI |
| 音声・音楽 | ナレーション、音声案内、BGM制作 | ElevenLabs、Suno AI |
| コード | 機能の実装・修正、簡単な自動化 | Claude Code、GitHub Copilot |
文章を作る
指示や質問を入力すると、回答や文章を生成するタイプです。要約、下書き、翻訳、アイデア出しなど、幅広い文章作業に使われます。
ChatGPTやClaudeがこの型にあたります。どちらも、対話しながら文章を練り上げていく使い方ができます。
画像を作る
文章や参考画像で伝えたい内容を指示すると、新しい画像を生成するタイプです。イラスト、写真風の画像、デザイン案などに使われます。
Midjourneyは独特な絵作りに強みがあり、Leonardo.Aiは用途に応じてモデルを選べる点が特徴です。
動画を作る
文章や1枚の画像を渡すと、動きのある映像を生成するタイプです。広告素材やSNS向けの短い動画に使われることが増えています。
RunwayやKling AIがこの型にあたります。数秒から数十秒の映像を、撮影せずに作れる点が従来の動画制作と異なります。
音声・音楽を作る
文章を読み上げる音声や、指示に沿った楽曲を生成するタイプです。ナレーション、音声案内、BGM制作などに使われます。
ElevenLabsは自然な音声合成に、Suno AIは歌詞とメロディを持つ楽曲の生成に強みがあります。
プログラムのコードを作る
作りたい機能を指示すると、プログラムのコードを生成するタイプです。開発者だけでなく、簡単な自動化に使う場面も増えています。
Claude CodeやGitHub Copilotがこの型にあたります。コードの提案だけでなく、修正やテストの実行まで手伝う機能を持つものもあります。
AIツールギャラリーでは、これらの生成AIを含むツールを掲載しています。作りたいものに近いツールを探す場合は、AIツール一覧から種類や対応言語で絞り込めます。
生成AIと混同しやすい「AIエージェント」との違い

生成AIとよく一緒に語られる言葉に、AIエージェントがあります。どちらも同じLLMを土台にしていることが多く、線引きが分かりにくくなっています。
生成AIは、指示を1回受け取り、それに応じた文章や画像を1回返すところまでが基本の役目です。
AIエージェントは、目標を受け取ると手順を自分で決め、結果が出るまで作業を続ける点が違います。 生成AIの「作る力」を、目標に向けて繰り返し使い続ける形と捉えると整理しやすくなります。
もう1つ近い言葉に機械学習があります。機械学習は、データから規則性を学ぶ技術全般を指す、より広い言葉です。
生成AIは、その中でも新しいコンテンツを作ることに使われる技術にあたります。
使う前に知っておく3つの限界

生成AIは便利な一方で、出てきた結果をそのまま使えるとは限りません。次の3点は、使う前に知っておくと安心です。
もっともらしい誤りを含むことがある
生成AIは、事実として正しいかどうかより、自然な文章や画像として成立するかどうかを優先して出力を組み立てます。
そのため、実在しない情報を、もっともらしい形で出力してしまうことがあります(この現象は「ハルシネーション」と呼ばれます)。数値や固有名詞、引用元が必要な内容は、生成AIの回答をそのまま使わず、元の資料で確認してください。
生成AIを使う際のセキュリティ上の注意点は、生成AIのセキュリティリスクで詳しく扱っています。
著作権や利用条件を確認する必要がある
生成AIが作った文章や画像を仕事で使う場合、学習データの著作権や、生成物の利用条件を確認しておく必要があります。
ツールによって、商用利用の可否や、生成物の権利の扱いが異なります。詳しくは生成AIと著作権の課題で整理しています。
学習した時点までの情報しか持たない
生成AIの基盤モデル自体は、学習を終えた時点までのデータをもとに回答を組み立てます。それ以降に起きた出来事は、標準では反映されません。
Web検索やRAGを組み合わせたタイプは、これに外部の最新情報を追加で参照できますが、出典や更新日まで自動で保証してくれるわけではありません。最新の情報を扱いたい場合は、回答の根拠となる出典・更新日を自分で確認してください。
何から始めればいいか

生成AIをどう理解するかが決まったら、次は実際に何を試すかです。次の順で進めると、失敗しても取り返しがつきます。
最初は、個人で気軽に試せる作業から始めてください。 下書きの作成やアイデア出しなど、間違っていてもすぐ直せる作業が向いています。
慣れてきたら、自分の業務に近い種類のツールを選んでください。 文章、画像、音声、動画、コードのうち、日常的に手を動かしている作業に近いものから試すと、効果を実感しやすくなります。
会社の業務で本格的に使う場合は、社内で使ってよい範囲を先に決めてください。 個人情報や社外秘の情報を入力してよいか、生成物を対外的に使ってよいかは、ツールごと・会社ごとに扱いが異なります。
掲載中のツールから探す場合は、掲載中のAIツールで種類や用途から絞り込めます。
生成AIについてよくある質問
生成AIは無料で使えますか
無料の範囲を用意しているツールは多くありますが、使える回数や機能に上限があります。上限の内容はツールごとに違うため、各ツールの掲載ページと公式サイトで最新の条件を確認してください。
生成AIの精度はどれくらい信頼できますか
用途によって差があります。人が最終確認する前提の下書きや要約は実用的な精度が出やすい一方、事実確認が必要な内容は誤りを含む可能性があります。
生成AIで作ったものを仕事で使っても大丈夫ですか
作ったものの種類や、使うツールの利用条件によって異なります。商用利用の可否と著作権の扱いは、ツールを使い始める前に確認してください。
プログラミングの知識がなくても使えますか
文章を作るタイプと画像を作るタイプの多くは、日本語の指示だけで使えます。コードを作るタイプは、プログラミングの基礎知識があるとより活用しやすくなります。
検索エンジンと何が違いますか
検索エンジンは、すでにあるWebページの中から関連するものを探して一覧で返します。生成AIは、学習したデータをもとに新しい文章そのものを組み立てて返す点が異なります。
まとめ
生成AIとは、学習したデータをもとに、文章・画像・音声・動画などの新しいコンテンツを作り出すAIです。これまでのAIとの違いは、データを分析・予測することが目的か、新しいものを作ることが目的かにあります。
生成AIは、作るものによって文章・画像・動画・音声/音楽・コードの5つに分かれます。それぞれに向く用途と代表的なツールがあるため、まずは自分の業務に近い種類から触ってみるのが近道です。
使う前には、もっともらしい誤りを含むことがある点、著作権や利用条件を確認する必要がある点、学習した時点までの情報しか持たない点の3つを押さえておくと、失敗を防げます。
社内で本格的に使う場合は、ツールを選ぶ前に、入力してよい情報の範囲と、生成物の使い方のルールを決めておく必要があります。
生成AI活用の入口を、自社の業務に合わせて整理したい企業の方へ
何から始めるかが決まったら、対象の業務、使う人数、社内のルールづくりまで具体化する必要があります。社内で進め方を詰めたい場合の相談先として、お問い合わせはこちらからご相談ください。
この記事の出典
- 令和6年版 情報通信白書|生成AIの急速な進化と普及(総務省、2024年公開)
- 令和5年版 情報通信白書|生成AIを巡る動向(総務省、2023年公開)
関連AIツール
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