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eラーニング研修は助成金の対象になる?|コース別の可否と改正後の回数制限

AIツールギャラリー編集部
eラーニング研修は助成金の対象になる?|コース別の可否と改正後の回数制限

eラーニングやサブスク型の学習サービスで実施するAI研修も、人材開発支援助成金の対象になります。ただし賃金助成はつかず、経費助成の上限と年度内に使える回数も、会場に集まって受ける研修とは別に決められています。

条件が変わる分かれ目は、制度上の区分です。オンライン研修は同時双方向型の通信訓練、eラーニング、定額制サービスの3つに分かれていて、これはサービス名や料金表からは読み取れません。

見分ける手がかりは、講師とやりとりしながら受ける形かどうか、料金が1コース単位か使い放題か、標準学習時間が示されているかの3点です。

この記事では、検討しているサービスがどの区分に当たるかを確認していきます。読み終えると、どのコースで申請するかを判断できます。

記事の最後には、検討中の研修が2026年8月3日の改正後も助成金の対象になるかを確認できるチェックリストをご用意しています!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

eラーニングもサブスク型の学習サービスも助成の対象になります

OFF-JTの5つの実施方法と、オンラインで実施されうる区分の分類図解

eラーニングも、サブスク型の学習サービスも、人材開発支援助成金の対象になります。ただし会場に集まって受ける研修とは、支給要件も経費助成の上限も受講回数の制限も別に決められています。

この助成金が対象にするのは、通常の業務を離れて行う訓練(OFF-JT)です。制度上、その実施方法は5つに分かれています。

  • 通学制
  • 同時双方向型の通信訓練
  • eラーニング
  • 通信制
  • 定額制サービスによる訓練

このうち、オンラインで実施されるものは後ろの4つに散らばります。ふだん「オンライン研修」とひとまとめに呼んでいる形が、制度の上では別々の要件に分かれていると考えてください。

実施方法によって変わるのは、主に4つです。訓練時間数の数え方、賃金助成がつくかどうか、経費助成の上限、そして年度内に使える受講回数です。

つまり、通学制を前提にした案内の数字を、そのままeラーニングに当てはめられません。制度の全体像とコースの並びを先に押さえたい場合は、人材開発支援助成金の全体像から確認してください。

この記事の数字は、厚生労働省が公開している令和8年(2026年)8月3日版のパンフレットと支給要領で確認した時点のものです。

「eラーニング」と「定額制サービス」は制度上の別カテゴリです

同時双方向型の通信訓練・eラーニング・定額制サービスの3列比較図解

検討しているサービスが制度上どれに当たるかで、以降の条件がすべて変わります。まず3つを定義で分けます。

同時双方向型の通信訓練

受講中に講師へ質疑応答が行えるなど、同時かつ双方向に実施される形態です。オンラインで受けるライブ型の研修は、多くがここに当たります。

これはeラーニングではありません。訓練時間数の要件も受講要件も、パンフレットの表では通学制と同じ区分で整理されていて、賃金助成の対象にもなります。

eラーニング

情報通信技術を活用した遠隔講習で、LMS(学習管理システム)などにより進捗管理が行えるものを指します。同時双方向型は除かれます。

受講した労働者ごとに、修了した日、受講開始日時、受講終了日時、受講時間数、進捗率などが分かる記録が必要です。

定額制サービスによる訓練

1つの訓練あたりの対象経費が明確でなく、かつ同額で複数の訓練を受講できるものです。eラーニングまたは同時双方向型の通信訓練で実施されているものが該当します。

見分ける手がかりは料金の建て方です。「1コースいくら」なら買い切り型、「使い放題で月いくら」なら定額制サービスと考えると、当てはめやすくなります。

3つを並べると次のようになります。

同時双方向型の通信訓練eラーニング定額制サービスによる訓練
訓練時間数の数え方実訓練時間数10時間以上標準学習時間10時間以上、または標準学習期間1か月以上修了した訓練の標準学習時間の合計が10時間以上
受講要件通学制と同じ区分で整理訓練期間中に訓練を修了する教育訓練機関が発行する一覧表で受講時間の合計を確認できる
事業内訓練対象対象外対象外
賃金助成ありなしなし

標準学習時間とは、その訓練を習得するために通常必要な時間として、あらかじめ受講案内などによって定められているものです。自社で見積もった時間ではありません。

事業内訓練とは、申請する事業主が自ら主催し、事業所内で集合形式で実施する訓練です。外部の講師を呼んでも、社外の会場を借りても、企画と主催が自社であれば事業内訓練に当たります。

ここが実務で効く制約になります。事業内訓練で助成されるのは通学制と同時双方向型の通信訓練だけで、eラーニング・通信制・定額制サービスは対象になりません。

自社の業務に合わせたeラーニング教材を作ってもらう形も、注意が必要です。特定の事業主に対して提供することを目的とした訓練は、eラーニング・通信制では対象外とされています。

eラーニングを使うなら、教育訓練機関が広く提供している既存の講座から選ぶ形が前提になります。

コース別に見た可否と条件

eラーニングと定額制サービスのコース別の可否と経費助成率のマトリクス図解

eラーニングと定額制サービスを扱えるコースは3つあります。厚生労働省のパンフレットには、次のような振り分けが示されています。

10時間以上のOFF-JTは人材育成支援コース、定額の受け放題サービスによる訓練は人への投資促進コースの定額制訓練、事業展開やDXなどに伴う訓練は事業展開等リスキリング支援コースです。

ただしこの振り分けは、資料自体が「簡易的に示したもの」と断っています。目安として使い、条件は次の表で確かめてください。

人材育成支援コース人への投資促進コース(定額制訓練)事業展開等リスキリング支援コース
eラーニング(買い切り型)対象対象
定額制サービス対象対象
経費助成率(中小)45%(加算で60%)60%(加算で75%)75%
経費助成の限度額(中小)標準学習時間があればその区分で15/30/50万円、なければ15万円1人1か月2万円eラーニング・通信制は15万円、定額制は1人1か月2万円
賃金助成(eラーニング・定額制の場合)なしなしなし
1労働者1年度の受講回数3回定額制訓練・自発的職業能力開発訓練、および事業展開等リスキリング支援コースの定額制サービスと合わせて3回3回(うち、2026年8月3日以降に提出する計画届に基づくeラーニングは1回)
1事業所1年度の支給限度額1,000万円2,500万円1億円

加算とあるのは、賃金要件または資格等手当要件を満たした場合の上乗せです。それぞれ経費助成率が15ポイント上がります。

大企業の経費助成率は、人材育成支援コースが30%、人への投資促進コースの定額制訓練が45%、事業展開等リスキリング支援コースが60%です。

事業展開等リスキリング支援コースは助成率が最も高い一方で、対象になる訓練が絞られます。事業展開、DX・GX化、企業内の人事や人材育成に関する計画にもとづき今後従事する予定の職務、のいずれかに関するOFF-JTが対象です。

定額制サービスの場合はさらに条件が付きます。3つ目の「企業内の人事及び人材育成に関する計画にもとづく訓練」は、定額制サービスでは対象外とされています。

なお、教育訓練休暇等付与コースは休暇制度の導入に対する助成で、訓練費用そのものへの助成メニューではありません。建設労働者向けの2コースも、対象が建設業に限られます。

どのコースを使う場合でも、共通して必要になる前提があります。雇用保険適用事業所の事業主であること、対象になる労働者が雇用保険被保険者(雇用保険に加入している従業員)であること、職業能力開発推進者を選任していること、事業内職業能力開発計画を作って労働者に周知していることの4点です。

いずれも計画届を提出する日までに整えれば足ります。人材開発支援助成金以外の制度も含めて選択肢を広げたい場合は、AI研修に使える助成金・補助金の一覧を参照してください。

経費助成の上限は通学制とは別枠で決まります

コース・実施方法別の経費助成の限度額(中小企業)を比較した図解

助成率だけを見て計算すると、実際の支給額と合わなくなることがあります。eラーニングには、通学制とは別の限度額が決められているためです。

事業展開等リスキリング支援コースは一律15万円

このコースでは、eラーニングおよび通信制の経費助成限度額は、中小企業15万円・大企業10万円です。通学制の30万円・40万円・50万円という時間数の区分は適用されません。

通学制や同時双方向型と組み合わせて実施した場合も同じで、限度額は15万円のままです。

具体的に当てはめると差が見えます。受講料が1人30万円のeラーニングなら、75%で22万5,000円のはずが、限度額が効いて15万円になります。

同じ受講料の通学制で実訓練時間数が100時間以上200時間未満なら、限度額は40万円なので22万5,000円がそのまま出ます。同じ金額の研修でも、実施方法で7万5,000円の差がつきます。

人材育成支援コースは標準学習時間で区分が変わります

同じeラーニングでも、人材育成支援コースでは上限の決まり方が違います。このコースの限度額は実訓練時間数に応じた区分(中小企業で15万円・30万円・50万円)で、eラーニング・通信制は原則として一律15万円の区分に入ります。

ただしパンフレットには「標準学習時間が定められているものは除く」とあります。受講案内などで標準学習時間が示されている講座は一律15万円ではなく、その時間数に応じた区分で判定されます。対象から外れるという意味ではありません。

つまり受講案内に標準学習時間が定められていれば、その時間に応じた区分になります。中小企業なら15万円・30万円・50万円のいずれかです。

標準学習期間しか分からない場合は、一律で「10時間以上100時間未満」の区分となり、中小企業15万円になります。

ここから、助成率が高いほうが必ず多く戻るとは限らない状況が生まれます。受講料1人50万円・標準学習時間150時間のeラーニングを中小企業が申請する場合で比べます。

  • 事業展開等リスキリング支援コース: 50万円 × 75% = 37万5,000円だが、限度額15万円が適用されて15万円
  • 人材育成支援コース: 50万円 × 45% = 22万5,000円。標準学習時間150時間なので区分は100時間以上200時間未満で限度額30万円。範囲内なので22万5,000円

助成率は45%のほうが低いのに、上限の決まり方が違うため人材育成支援コースの支給額が上回ります。

ただし、どのコースで申請できるかは訓練の内容で決まります。事業展開等リスキリング支援コースは事業展開やDX・GX化などに伴う訓練が対象なので、有利なほうを自由に選べるわけではありません。

有利なコースを探す話ではなく、上限の決まり方がコースで違うことを知っておく、という理解で足ります。

定額制サービスは1人1か月2万円

定額制サービスの経費助成限度額は、1人1か月あたり2万円です。1か月に満たない期間は、暦の日数で割った割合を掛けて計算します。

対象になる経費は基本料金だけではありません。初期設定費用、アカウント料、管理者IDの付与料金、修了証の発行、IPアドレス制限機能、データ容量の追加料金、LMSの管理者研修など、訓練に直接必要なオプション料金も含まれます。

一方で、タブレットやルーターのレンタル、LMSへの入力代行サービス、自社で作成した動画のアップロード代は対象外です。

受講料と人数を仮に置いた試算

金額の感覚をつかむために、条件を仮に置いて計算します。いずれも事業展開等リスキリング支援コース・中小企業・加算なしの前提です。

買い切り型のeラーニングの場合。受講料1人10万円、標準学習時間30時間、対象者10人と置きます。

1人あたりの経費助成は10万円 × 75% = 7万5,000円で、限度額15万円の範囲内です。10人分では75万円になります。

同じ条件を人材育成支援コースで申請した場合は、経費助成率45%で1人あたり4万5,000円です。標準学習時間30時間なので区分は「10時間以上100時間未満」で、限度額は15万円です。

定額制サービスの場合。1人あたり月3,000円、契約期間12か月、対象者20人と置きます。

1人1か月の限度額は2万円なので、月3,000円はその範囲内です。1人1か月あたりの経費助成は3,000円 × 75% = 2,250円になります。

20人・12か月では、2,250円 × 12か月 × 20人 = 54万円です。ただし支給対象になるのは、修了した訓練の標準学習時間の合計が10時間以上に達した労働者に限られます。

助成率の高さだけで比べると、上限に当たったときに計算が合わなくなります。上限の決まり方とセットで見てくださいね!

賃金助成がつかない分、実質負担は通学制と逆転することがあります

通学制とeラーニングの実質負担を積み上げ棒で比較した図解

eラーニング・通信制・定額制サービスは、経費助成だけが出て賃金助成の対象になりません。育児休業中訓練も同じ扱いです。

通学制や同時双方向型の通信訓練であれば、経費助成とは別に賃金助成が出ます。事業展開等リスキリング支援コースなら1人1時間あたり中小企業1,000円・大企業500円、人材育成支援コースなら中小企業800円・大企業400円です。

ここにもう1つの条件が重なります。eラーニング・通信制・定額制であっても、支給対象になる訓練は業務上義務づけられた労働時間に該当するため、訓練中の賃金を支払う必要があります。

裏返すと、労働者が自発的に行うものは対象外です(育児休業中訓練を除きます)。「業務時間外に各自で受講してもらう」形にすると、支給要件を満たさなくなります。

労働時間として扱えば賃金は支払いますが、その分の賃金助成は出ません。ここが実質負担の計算に効いてきます。

なお、経費助成は所定労働時間内に行われたかどうかを問わず対象になります。ただし業務上の義務として実施されるものであることが前提です。

条件を仮に置いて並べます。訓練時間中の賃金を1時間2,000円、経費助成率75%、賃金助成1,000円/時間(いずれも事業展開等リスキリング支援コース・中小企業)とした場合です。

逆転する例

通学制(30時間)eラーニング(標準学習時間30時間)
受講料100,000円30,000円
訓練時間中の賃金60,000円60,000円
支出の合計160,000円90,000円
経費助成75,000円22,500円
賃金助成30,000円0円
助成額の合計105,000円22,500円
実質負担55,000円67,500円

受講料は7万円安いのに、賃金助成が出ないため実質負担では通学制のほうが軽くなりました。

逆転しない例。受講料の差をもっと大きく置き、通学制20万円・eラーニング5万円にすると結果が変わります。

通学制(30時間)eラーニング(標準学習時間30時間)
受講料200,000円50,000円
訓練時間中の賃金60,000円60,000円
経費助成150,000円37,500円
賃金助成30,000円0円
実質負担80,000円72,500円

分かれ目は受講料の差の大きさです。差が小さいうちは賃金助成の有無が効き、差が大きくなるとeラーニングの実質負担が下回ります。

通学制のほうが必ず得だとも、eラーニングのほうが必ず安いとも言えません。受講料と受講時間の組み合わせで入れ替わる、という前提で自社の見積に当てはめてください。

見積の水準そのものを確かめたい場合は、AI研修の費用相場と実質負担もあわせて確認できます。

年度に何回まで使えるかは、コースによって違います

コース別の年度あたり受講回数の制限を示した図解

事業展開等リスキリング支援コースの受講回数には、3つのルールが置かれています。

  • 1労働者1年度あたり3回まで
  • うち、令和8年8月3日以降に提出された計画届にもとづくeラーニングによる訓練は、1労働者1年度1回まで(複数の実施方法を組み合わせる場合を含みます)
  • 定額制サービスは、人への投資促進コースの定額制訓練・自発的職業能力開発訓練と合わせて1労働者1年度3回まで

ここでいう1年度は、支給申請日を基準にした4月1日から翌年3月31日までです。

注意したいのは、この1回制限が事業展開等リスキリング支援コースの規定である点です。人材育成支援コースの支給申請回数は1労働者につき一の年度あたり3回までで、eラーニングを別枠として1回に制限する規定は置かれていません。

同コースの資料が受講回数のところでeラーニングに触れているのは1か所だけです。認定実習併用職業訓練などに付加してeラーニングを実施した場合、内容に連続性があれば全体を1回として数える、という注記です。回数を減らす向きの規定ではありません。

同じeラーニングでも、どのコースで申請するかによって年度内に使える回数が変わります。

経過措置もあります。事業外訓練(自社ではなく教育訓練機関が実施する訓練)で、教育訓練機関との契約の締結または申込が令和8年8月2日以前に行われている場合は、この受講回数に算入されません。

ただし定額制サービスについては、提出期間を過ぎたものと既に契約しているものにかかる計画届を出した場合は、この経過措置から除かれます。契約期間が1年を超える場合も、契約期間の初日から1年以内の実施期間にかかる計画届に限られます。

利用する場合は、契約締結日または申込日が分かる書類を計画届の提出時に出します。

2026年8月3日の改正では、もう1つ変更が入りました。職務に間接的に必要となる知識や技能を習得させる内容と、職業人として共通して必要となるものは、DX・GX化に関する訓練であってもこのコースでは対象外になっています。

回数制限の年度の数え方、受講履歴の管理、経過措置の細かい分岐については、2026年8月3日の改正で対象外になる研修の見分け方で扱っています。

定額制サービスだけ、期限と契約の扱いが違います

定額制サービスの計画届の期限と契約期間・実施期間の時間軸図解

定額制サービスは、期限の起算点も期間の区切り方も、他の実施方法と別に決められています。契約を進める前に押さえておく項目を順に見ていきます。

計画届の期限は契約期間の初日から数えます

計画届の提出期間は、通常は訓練開始日の6か月前から1か月前までです。定額制サービスの場合は、契約期間の初日の6か月前から1か月前までになります。

「1か月前」は前月の同じ日を指し、その日が存在しない場合はその前日です。提出期限が土曜・日曜や休日にあたるときは、翌開庁日が期限になります。

すでに使い始めている場合の扱い

契約済みで利用が始まっている定額制サービスでも、申請の道は残ります。計画届を提出した日から起算して1か月後を契約期間の初日とみなす、という取り扱いです。

その日から契約期間の最終日までが訓練の実施期間になります。10時間の要件などを満たせば、訓練の実施期間の日数を全契約期間の日数で割った割合を、全契約期間分の契約料などに掛けた額が助成の対象になります。

訓練の実施期間は1年以内

訓練の実施期間は1年以内です。原則として定額制サービスの契約期間を指します。

契約期間が1年を超える場合は、契約期間の初日から1年ごとに区切って申請します。

自動更新のサービスの区切り方

自動更新の契約では、事業主が任意に設定した日を訓練の実施期間の最終日にできます。ただし契約期間の初日から1年以内で、かつ自動更新の期間の最終日のいずれかを選びます。

たとえば契約初日が1月1日で3か月ごとの自動更新なら、3月31日・6月30日・9月30日・12月31日のいずれかを最終日に設定します。

受講時間の数え方

10時間の要件は、修了した訓練の標準学習時間の合計で数えます。途中までしか進んでいない講座は数えられません。

職務に関連する教育訓練以外の受講時間と、労働者が自発的に受講した時間も、この10時間には計上できません。

定額制サービスの計画届は、訓練開始日ではなく契約期間の初日から1か月前までが期限です。ここだけ起算点が違うので気をつけてください!

支給対象になる労働者

支給対象になるのは、計画届の提出時に受講予定者として届け出た被保険者に限られます。対象労働者一覧(様式第3-2号)に記載した人です。

届け出ていない人も受講自体はできますが、支給対象労働者には含められません。その人の分で契約額が増えていれば、増加分も対象外になります。所定の期日までに変更届を出せば追加できます。

支給対象外になる契約方法

契約の組み方によって、一部が対象外になる場合があります。次の3つです。

  • 区分して契約できるのに、支給対象外の訓練の経費を含めて契約している場合の、その部分
  • 様式第3-2号に記載される人数を超えた区分で高額に契約している場合の、その差額
  • より安価な契約方法が可能なのに、合理的な理由なく高額に契約している場合の、その差額

支給申請の時期

支給申請は、原則として訓練終了日の翌日から2か月以内です。eラーニングと定額制サービスには例外が置かれています。

eラーニングは、実施期間の最終日より前に修了などの支給要件を満たせば、実際に修了した日の翌日から申請できます。定額制サービスは、要件を満たした対象者について、要件を満たした日の翌日から申請できます。

いずれも最終的な期限は原則どおりです。契約から支給までの日程を逆算して組みたい場合は、申請期限から逆算した進め方が参考になります。

契約前に学習サービスの提供元へ確認する5項目

契約前に学習サービスの提供元へ確認する5項目のチェックリスト図解

支給要件から逆算すると、契約前に提供元へ聞いておく項目は5つに絞れます。回答をどう読むかもあわせて示します。

1. 受講案内に標準学習時間または標準学習期間が定められているか

訓練時間数の要件は、標準学習時間10時間以上または標準学習期間1か月以上です。人材育成支援コースでは、標準学習時間の記載があるかどうかで経費助成の限度額の区分が変わります。なお、この「標準学習期間1か月以上」で代える形が使えるのはeラーニング・通信制です。定額制サービスは、修了した訓練の標準学習時間が支給申請の時点で合計10時間以上ある対象労働者だけが支給の対象になります。

2. LMSなどで受講の記録を出せるか

受講開始日時、受講終了日時、受講時間数、進捗率、修了した日が分かる記録が必要です。これを出せないと受講要件を確認できず、対象外になります。

3. 計画届の提出日時点で、提供元の自社ホームページに訓練の情報が掲載されているか

民間の教育訓練機関がeラーニング・通信制・定額制を実施する場合、訓練の概要と連絡先が掲載され、申込や資料請求ができる状態であることが必要です。SNSやメール、書類の送付だけでは足りません。

4. 自社専用に作ってもらう形になっていないか

特定の事業主に提供することを目的とした訓練は、eラーニング・通信制では対象外です。自社が企画・主催すると事業内訓練にあたり、eラーニング・通信制・定額制は助成されません。

5. 定額制なら、対象外の講座が多く含まれていないか

定額制サービスの中で受講できる教育訓練のうち、支給対象になる訓練の講座数が5割以上である必要があります。趣味や教養に寄った講座が大半を占める場合は確認が必要です。

あわせて、支給申請時には教育訓練機関が記入する「支給申請承諾書(訓練実施者)」(様式第12号)を提出します。労働局の審査への協力や、不正受給に関与した場合の連帯責任などを承諾する内容です。

提供元があらかじめこの書類に応じられるかを聞いておくと、申請の段階で止まりません。

この5項目は、見積を依頼するときの質問リストとしてそのまま使えます!

よくある質問

オンラインで受ける研修は、すべてeラーニング扱いになりますか

いいえ。受講中に講師へ質疑応答ができるなど、同時かつ双方向に実施されるものは同時双方向型の通信訓練という別の区分です。

この区分では、訓練時間数の要件も受講要件も通学制と同じ列で整理されていて、賃金助成の対象にもなります。

動画を見るだけの講座でも対象になりますか

「専らビデオのみを視聴して行う講座」は原則として対象外ですが、eラーニングと通信制はこの規定から除かれています。

ただし、LMSなどで進捗管理ができることや、標準学習時間などの要件は別に満たす必要があります。動画を見られる状態にするだけでは要件を満たしません。

通学制とeラーニングを組み合わせた場合はどうなりますか

訓練時間数は、実訓練時間数と標準学習時間を合算して10時間以上あるかで判断します。標準学習期間1か月は標準学習時間10時間として計算し、1か月に満たない場合は0時間として扱います。

事業展開等リスキリング支援コースでは、組み合わせて実施しても経費助成の限度額は中小企業15万円のままです。受講回数の1回制限も、組み合わせた場合を含めて数えます。

個人で受けるeラーニングにも使えますか

この助成金は、事業主が雇用する雇用保険被保険者へ訓練を行う場合が対象です。個人が自分で費用を負担して学ぶ場合は、教育訓練給付など別の制度になります。

個人向けを含めた制度の並びは、先に挙げたAI研修に使える助成金・補助金の一覧で整理しています。

提供元から「このサービスは助成金の対象です」と言われました

助成金の支給可否は、企業や研修ごとの申請内容をもとに労働局が判断します。提供元の説明だけで確定するものではありません。

受講案内の記載と契約形態を確認したうえで、管轄の労働局へ相談してください。申請要件や手続きの最終確認、申請代行については、管轄の労働局または社会保険労務士へご相談ください。

まとめ

eラーニング研修で助成金を使うまでの5ステップのフロー図解

eラーニングもサブスク型の学習サービスも、人材開発支援助成金の対象になります。決めていく順序は次のとおりです。

  1. 検討中のサービスが、同時双方向型の通信訓練・eラーニング・定額制サービスのどれに当たるかを見分ける
  2. 訓練の内容から、どのコースで申請するかを決める
  3. 経費助成の上限と、賃金助成がつかないことを踏まえて実質負担を試算する
  4. 年度内に何回まで使えるかを確認する
  5. 契約と計画届の期限から逆算して日程を組む

自社の状況で使えるコースの見当をつけるところからであれば、助成金かんたん診断から確認できます。

最終的な支給可否は、企業や研修ごとの申請内容をもとに管轄の労働局が判断します。契約や計画届の提出に進む前に、管轄の労働局または社会保険労務士へご確認ください。

実施方法ごとの条件が分かっても、その条件のなかで自社のどの業務にどう効かせるかは、講座一覧を見ただけでは決めにくいところです。

AIリスキル株式会社では、対象者と業務内容から研修の組み立てを整理するところからの生成AI研修の設計・導入支援を月5万円から承っています。既存の学習サービスと組み合わせる形でもご相談いただけます。

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