AIの記事「タダ乗り」を防ぐ対価還元、KDDIとソフトバンクが新サービスを開始

KDDIとソフトバンクが、生成AIに記事を無断で使われる問題への対応として、出版社やメディアへ対価を戻す新サービスを始めました。KDDIは2026年7月28日に対話型AI「Buffmee」を、ソフトバンクは同年7月22日にデータ基盤「GaranAI」のベータ版を提供開始しています。
同じ課題への答え方は対照的です。KDDIは利用者向けアプリで送客と収益を作り、ソフトバンクは企業向けの基盤で利用料を分配します。
この記事の監修者

AIリスキル株式会社 代表取締役
AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。
実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など
KDDIのBuffmeeは出典を示して送客する
Buffmeeは書籍・雑誌・Webメディアなど約150のコンテンツを情報源にした対話型AIです。検索や要約、学びの提案を行います。
回答には出典を明示します。コンテンツを提供した企業には、回答に表示される引用元URLから自社サイトへの送客が生まれる仕組みです。
- 無料プラン: 月額0円、トーク100回/日、画像生成10回/日
- プレミアムプラン: 月額980円、トーク・画像生成とも無制限
提供開始を記念し、申し込みから1年間はプレミアムプランが無料になるキャンペーンも実施しています。
KDDIは2025年10月にGoogle Cloud Japanと協業契約を結んでおり、そのクラウド基盤を使って開発したとしています。
ソフトバンクのGaranAIは企業向けのデータ基盤
GaranAIは一般利用者向けのアプリではありません。新聞社などから預かったデータを、AI開発事業者へ提供するための基盤です。
預かったデータは元に復元しにくい「派生データ」に加工します。データが利用された分だけ、コンテンツホルダーに利用料を分配します。
ベータ版には共同通信社をはじめ、次の8社がデータを提供する予定です(五十音順)。
- 共同通信社
- 産業経済新聞社(産経新聞)
- 信濃毎日新聞
- スポーツニッポン新聞社
- デーリー東北新聞社
- 奈良新聞社
- 毎日新聞社
- 室蘭民報社
正式提供は2027年1月以降を目指すとしています。
背景にあるのはゼロクリックへの危機感
KDDIは今回の背景を、次のように説明しています。
AIによるインターネット上の情報の無断利用が社会課題となっています。公開コンテンツが無許可でAIサービスに利用されることで、ジャーナリズムやクリエイティブ産業の持続可能な発展を脅かすとの懸念が高まっています。
AIが情報源のサイトを訪れずに回答だけ返す「ゼロクリック検索」で、メディアへの流入が減っていることも課題に挙げています。
ソフトバンクも、著作物が無断でAI開発に使われる懸念の高まりを、GaranAI構築の理由として説明しています。
AIツールギャラリーの視点
対話型AIの回答が何をもとにしているか、意識する機会は少ないのではないでしょうか。
Buffmeeのように出典URLを明示するサービスが増えれば、気になった情報の一次情報にたどり着く習慣がつけやすくなります。
日々ChatGPTのような対話型AIを使うときも、答えを鵜呑みにせず、示された出典を一度クリックしてみると安心感が違います。
自分に関係あるのか
専門メディアと直接契約している人以外には、料金プランを除けば当面の実害はなさそうです。
ただ、この2社の動きは、日本のAIサービスが元ネタへの対価をどう扱うかの試金石になります。ほかの企業が追随するかが焦点です。
GaranAIは名称も含めてまだベータ版です。正式なサービス内容や参加企業は今後変わる可能性があります。続報が出ればこの記事に追記します。
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