バイブコーディングとは?AIコーディング全般との違いは「コードをレビューするか」|意味と始め方

バイブコーディングとは、AIに実装のほとんどを任せ、人がコードの中身を深く理解しないまま、会話で開発を進めるスタイルを指す言葉です。2025年に広まり、Collins Dictionaryの2025年「Word of the Year」にも選ばれました。
同じ「AIを使ったコーディング」でも、判断が分かれるポイントが4つあります。
(a) 元の意味(レビューしない前提)か、広く使われる意味(AIに指示してコードを書かせる行為全般)か (b) 作ろうとしているのが試作・個人利用のものか、他人が使う本番サービスか。
(c) 完成後、コードの中身を自分で説明できる必要があるか (d) セキュリティや保守の責任を誰が負うか、です。
この記事では、バイブコーディングの元の意味から、従来のAI活用開発との違い、向いている場面と気をつけたい点、始め方までを整理していきます。読み終えると、自分がやろうとしていることにバイブコーディングが向くかどうかを判断できます。
専門的な言葉も、初めて出てくるところで短く補足していきます!
この記事の監修者

AIリスキル株式会社 代表取締役
AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。
実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など
バイブコーディングとは、AIに実装を任せ、コードを深く理解せず会話で進める開発スタイル

バイブコーディングは、生成AIを使ってコードを書かせる行為の一種です。人が細かい実装を指示するのではなく、作りたいものを自然言語で伝え、AIが生成したコードをそのまま動かして確かめながら進めます。
「バイブス(雰囲気)に身を任せる」という語感のとおり、コードの一行一行を追うことよりも、動いた結果を見て次の指示を出すことを重視するスタイルです。
名付け親はAndrej Karpathy氏(2025年2月)
この言葉は、OpenAIの共同創業者でTeslaのAI責任者も務めたAndrej Karpathy氏が、2025年2月にX(旧Twitter)で使い始めました。
Karpathy氏は、バイブス(雰囲気)に完全に身を任せ、指数関数的な進化を受け入れ、コードが存在することすら忘れる、新しい種類のコーディングだと説明しています。
Karpathy氏自身が念頭に置いていたのは、週末に試す使い捨ての個人プロジェクトのような軽い用途です。この前提を踏まえずに、「バイブコーディング」を何にでも当てはまる万能の開発手法として使うと、話がかみ合わなくなります。
「AIを使ったコーディング」全体と何が違うのか:コードをレビューし理解するかどうか

「AIにコードを書かせること」自体は、バイブコーディングに限った話ではありません。線引きになるのは、その後の扱い方です。
プログラマーで開発者向けツールの発信を続けるSimon Willison氏は、バイブコーディングを「LLMが書いたコードをレビューせずにソフトウェアを作ること」と定義しています。
その上で、「AIが書いたコードを、その後レビューし、十分にテストし、動作原理を説明できる状態にしたなら、それはバイブコーディングではなく通常のソフトウェア開発だ」と明確に分けています。
つまり、AIにコードを書かせること自体を「バイブコーディング」と同一視するのは、原義からするとずれた使い方です。
ただし現在は、この線引きをあまり意識せず、「AIに自然言語で指示してコードを書かせること全般」を指す広い意味でも使われるようになっています。本記事の言葉を読むときは、どちらの意味で使われているかを都度確認したほうが誤解が少なくなります。
コードをレビューして理解する前提で使いたい場合は、Claude Codeのように、ファイルの変更内容やコマンドの実行を人が確認しながら進めるタイプのツールもあります。
バイブコーディングで何ができるようになるか:試作・個人開発に向く場面

バイブコーディングが向くのは、動くかどうかをすぐに確かめたい試作や、自分だけが使う個人的なツールを作る場面です。プログラミング経験が浅い人でも、作りたいものを言葉で説明するだけで、動くものが手に入る体験がしやすくなります。
ReplitやLovableのように、自然言語の指示から動くアプリをまとめて組み立てるタイプのツールは、この使い方に向いています。
CursorやGitHub Copilotのように、コードエディタの中でAIに実装を任せる形で使う場合も、レビューを省いて動かすところまでを高速に回せば、同じくバイブコーディングと呼べるやり方になります。
裏を返すと、この段階で得意なのは「動くところまで早くたどり着くこと」であり、「その後も安全に運用し続けられる状態にすること」ではありません。
気をつけたいこと:本番サービスや業務利用に向かない理由

コードをレビューせずに動かす前提であるぶん、バイブコーディングでできたものを、そのまま他人が使う本番サービスにするのはリスクがあるとされています。AIが生成したコードにも、ハルシネーションのように、もっともらしく見えて実際には誤っている記述が混ざる可能性があるためです。
自分で説明できないコードは、不具合が起きたときに原因を追えず、セキュリティ上の弱点が残っていても気づけません。個人の試作であれば影響は自分にとどまりますが、他人の情報を扱うサービスや、社内の業務システムに広げる場合は話が変わります。
社内でバイブコーディング的な使い方(非エンジニアが会話でツールを作るなど)が広がり始めている場合は、誰がどこまで確認するかというルール整備が必要になります。整理の進め方を相談したい場合は、お問い合わせはこちらからご相談ください。
始め方:何から試せばいいか

まず、何のために試すのかを決めてください。 自分専用の小さなツールや、アイデアを形にする試作であれば、バイブコーディングの向く範囲に収まります。
次に、無料で試せる範囲でツールを触ってみてください。 会話でアプリをまとめて作りたいのか、コードエディタの中でAIに実装を手伝わせたいのかで、合うタイプが変わります。
会話でアプリをまとめて作るならReplitやLovable、コードエディタの中でAIに実装を手伝わせるならCursorやGitHub Copilotのようなタイプです。
最後に、公開する前や他人に使わせる前に、コードの中身を自分で説明できる状態にしてください。 ここまで来ると、それはもうバイブコーディングではなく、AIを使った通常のソフトウェア開発です。
バイブコーディングとは、AIに実装を任せ、コードを深く理解しないまま会話で開発を進めるスタイルを指す言葉です。試作や個人利用の範囲では強力な手段ですが、他人が使うものに広げる前には、レビューして理解する工程を挟む必要があります。
どのツールが自分の用途に合うか探したい場合は、AIツールを検索することもできます。
この記事の出典
- Andrej Karpathy氏の投稿(X、2025年2月投稿、2026年9月11日確認)
- Not all AI-assisted programming is vibe coding(Simon Willison、2025年3月19日公開、2026年9月11日確認)
- Collins' Word of the Year 2025: AI meets authenticity as society shifts(Collins Dictionary、2025年11月6日発表、2026年9月11日確認)
- ‘Vibe coding’ named Collins Dictionary’s Word of the Year(CNN、2025年11月6日公開、2026年9月11日確認)
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