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AIリスキリングとは?単発の研修との違いと、業務に定着させる4つのステップ|助成金の改正にも対応

AIツールギャラリー編集部更新日 公開日
AIリスキリングとは?単発の研修との違いと、業務に定着させる4つのステップ|助成金の改正にも対応

AIリスキリングとは、AIで仕事のやり方が変わるのに合わせて、社員が自分の業務でAIを使えるスキルを、計画的に身につけていく取り組みです。リスキリングは「学び直し」とも訳されます。

単発の研修との違いは、学ぶ題材が自分の業務かどうか、学んだあとも使い続けられるかどうかです。ツールの使い方を1日で聞いても、翌週に自分の仕事で使えなければ、元のやり方に戻ってしまいます。

この記事では、近い取り組みとの違い、定着する会社がそろえている条件、4つの進め方、助成金の改正で変わった研修の選び方を順に見ていきます。読み終えると、自社でどの部署から何を始めるかを決められます。

2026年8月の助成金の改正で、対象になる研修の考え方も変わりました。最後の節で整理しています!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

AIリスキリングとは、業務でAIを使えるようになるまで学び続けること

今の業務から変化した業務へ、必要なスキルを計画的に育てて橋渡しする様子を示した図

生成AIが広まり、報告書の下書き、資料の要約、問い合わせへの返信案づくりなど、人が一から手を動かしていた作業の一部をAIと分担できるようになりました。

AIリスキリングは、この変化に合わせて、社員が自分の作業をAIと分担できるようにする取り組みです。

厚生労働省の「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」は、学び直しを「自律的・主体的かつ継続的」に進めることと、会社と働く人が協力して進めることを重視しています。1回の研修で終わらせない、という考え方です。

近い取り組みと並べると、違いが分かりやすくなります。

取り組み目的進め方終わったときの状態
AIリスキリング自分の業務でAIを使えるようにする業務を題材に、実践と振り返りを繰り返す担当業務の一部が、AIと分担する形に変わっている
AIリテラシー研修AIの仕組みや注意点を知る講義が中心AIについて説明できる
ツールの使い方講習特定のツールの操作を覚える操作の実演が中心ボタンの場所が分かる

リテラシー研修やツールの講習は、リスキリングの入口として役に立ちます。

AIで何ができて何に気をつけるかを全員が知っておくと、次の段階で業務に当てはめるときの話が早くなります。ただし、それだけでは業務のやり方は変わらないので、自分の仕事に当てはめる段階まで続けることがリスキリングの中身になります。

定着する会社は「題材・道具・聞ける相手」の3つをそろえている

1回きりの研修(点)と、継続的なリスキリング(線)を対比した図

AIの研修をしても、使う社員と使わない社員に分かれてしまう会社は少なくありません。続いている会社をみると、次の3つがそろっています。

1つ目は、学ぶ題材が自社の業務であることです。経理なら請求書の照合、営業なら提案書の構成案のように、受講した翌日から自分の仕事で同じ手順を使える題材で練習します。

教科書のサンプルで練習すると、自分の仕事への置き換えを受講者ひとりに任せることになります。実際の業務の資料を使えば、研修でつくったものがそのまま翌日の仕事の成果物になります。

2つ目は、使う道具が決まっていることです。

ChatGPT、Claude、Geminiのどれを会社として使うかが決まっていないと、社員は選ぶところで止まります。会社として契約したAIがあれば、入れてよい情報のルールも一緒に伝えられます。

社員が個人のアカウントで試し始める前に決めておくと、許可していないAIの利用も防げます。

3つ目は、困ったときに聞ける相手がいることです。最初につまずいた人がそこで止まらないように、社内の推進役や外部の相談先を用意します。

推進役の置き方は社内AIチャンピオンとはで見られます。

進め方は「棚卸し・目標・小さな実践・振り返り」の4ステップ

棚卸しから振り返りまでの4つのステップの循環を示した図

AIリスキリングは、次の4つのステップを繰り返して進めます。一度で終わらせず、回すたびにAIと分担できる作業を増やしていきます。

1つ目は、業務の棚卸しです。 チームの1週間の作業を書き出し、時間がかかっている作業と、同じことの繰り返しが多い作業に印をつけます。

人事なら求人票の下書きや面接の日程調整の連絡、総務なら社内からの問い合わせへの返信、営業なら訪問後の報告書が、印のつきやすい作業です。

2つ目は、業務に結びついた目標を決めることです。 「AIについて学ぶ」ではなく、「毎週の営業報告の下書きをAIで作る」のように、対象の作業を1つに絞ります。

目標には、終わったかどうかが分かる形を選びます。「報告書を書く時間を1本30分から15分にする」のように数字で置くと、振り返りのときに続けるか、やり方を変えるかを決めやすくなります。

3つ目は、小さく実践することです。 間違えても後から人が直せる、社内向けの下書きや要約から始めます。

顧客に直接届く文書は、使い方に慣れてから広げます。始めの2〜3週間は、AIが作った下書きと自分で書いた場合を比べ、どこを直したかを記録しておくと、次の振り返りの材料になります。

4つ目は、振り返ることです。 作業時間が減ったか、確かめ直す手間が増えていないかの2点で見ます。

うまくいった頼み方をチームで共有すると、同じ工夫を他の人もすぐ使えます。共有の場は、週1回の短い打ち合わせで十分です。

どの部署から始めるかに決まった正解はありませんが、AIを使う場面が多く、効果が見えやすい部署から小さく始めると、社内に広げやすくなります。最初の部署でうまくいった頼み方は、次の部署の研修の題材にもなります。

会社としてのAI利用のルールは、生成AIガイドラインとはを参考に先に決めておきます。

研修の費用には助成金が使える。2026年8月の改正で「業務に直結する研修」が条件に

生成AIの普及で業務のやり方が変わりつつある様子を示した図

社員向けのAI研修には、厚生労働省の人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」が使えます。中小企業なら研修費用の75%と、受講中の賃金として1人1時間あたり1,000円が助成されます。

このコースは令和8年度末(2027年3月31日)までの期間限定です。研修を始める1か月前までに計画届を出す必要があるので、実施したい月から逆算して準備します。

日程の組み方は事業展開等リスキリング支援コースはいつまで?で詳しく見られます。

2026年8月3日の改正で、対象になる研修の考え方が変わりました。厚生労働省のリーフレットは、営業担当者が生成AIで商品提案書の構成案づくりを学ぶ研修を対象、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ研修を対象外の例として挙げています。

つまり、国の制度も「自分の業務に直結する学び」を求める方向に変わっています。これは、題材を自社の業務にする、という定着の条件と同じ向きです。

改正の詳細は人材開発支援助成金の改正で対象外になる研修・残る研修で、費用の目安はAI研修の費用相場と実質負担で整理しています。

助成金を使うときは、「助成金で研修が実質無料になる」という勧誘に気をつけます。

申請するのは研修会社ではなく自社で、支給されるかどうかは労働局の審査で決まります。見分け方は「助成金で研修が実質無料」は本当かで整理しています。

まとめ

AIリスキリングは、社員が自分の業務でAIを使えるようになるまで、計画的に学び続ける取り組みです。単発の研修と違い、業務を題材に、棚卸し・目標・小さな実践・振り返りを繰り返します。

まず始めるなら、1つの部署で1週間の作業を書き出し、AIと分担できそうな作業を1つだけ選ぶところからです。会社として使うAIと、入れてよい情報のルールも合わせて決めておきます。

AIツールギャラリーを運営するAIリスキルでは、自社の業務を題材にした生成AI研修を、助成金の要件に合わせた日程でご提供しています。どの部署から何を学ぶかの整理から、ご相談いただけます。

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