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大学生は「AI活用企業」を選ぶ?就活生の好感・不信を最新調査で検証

AIツールギャラリー編集部更新: 2026年9月17日

採用サイトの改修を検討するとき、「AI活用」を打ち出すべきかどうかで判断が止まることがあります。

先進的に見えるという意見もあれば、学生には響かないのではないかという意見も出ます。どちらも実感としては分かるので、決め手になりません。

調査を並べてみると、この対立には理由がありました。学生が見ているのは「AIを導入しているか」ではなく、その先だからです。

この記事では、AI活用が学生の企業選びにどう働くのかを、志望度・好感度・不信感の3方向から整理します。

「AIを使っています」と書けば評価が上がるのか。データで確かめていきます!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

DX推進が志望度に影響する学生は3年で77.1%まで増えた

評価軸がBusiness DXからWorker DXへ移ったことを示す図

みん就の「2027年卒 みんなのDX企業就職ブランド調査」では、企業のDX推進が志望度に影響すると答えた学生が77.1%でした。2027年卒のみん就会員1,904名から回答を得ています。

卒業年度DX推進が志望度に影響する割合
2025年卒66.2%
2026年卒69.7%
2027年卒77.1%

3年間で約11ポイント上がりました。企業のデジタル活用が、判断材料として定着してきたと読めます。

ここで重要なのは、調査側が指摘している中身の変化のほうです。

みん就は、評価軸が「最新技術を使っているか」から「その技術によって快適・効率的に働けるか」へ移ったと分析しています。前者をBusiness DX、後者をWorker DXと呼び分けています。

評価項目で最も差が出たのは、リモートワークの推進や、生産性を上げるオフィスづくりといった環境整備の面でした。

「AIを重視する76.4%」は全大学生の数字ではない

AI活用と企業選びを語るとき、よく引かれる数字があります。paizaの調査で、企業選びの際に企業のAI技術への取り組みを重視する学生が76.4%だった、というものです。

内訳は「強く重視する」が27.1%、「多少重視する」が49.3%でした。同じ調査では、将来のキャリアにAIが影響すると答えた学生が96.5%に達しています。

ただし、この調査の対象は2027年卒のITエンジニア志望者144名です。2025年8月22日から9月7日にかけて実施されました。

職種としてAIに近い学生が対象なので、一般の大学生より関心が高いと考えるのが自然です。「大学生の76.4%がAIを重視している」と読み替えることはできません。

逆に言えば、エンジニア採用の文脈では、この水準の関心を前提に情報を用意しておく価値があります。

AI活用企業への印象は、好感より「気にならない」が多い

好感36.4%・特に気にならない41.2%・不信22.4%の内訳を示す図

ここからが、採用広報の設計に直結する部分です。

ベイジが2026年6月に、2024年卒から2026年卒の若手社員434名へ行った調査では、企業の生成AI活用への印象が次のように分かれました。

印象割合
好感を持つ12.2%
やや好感を持つ24.2%
特に気にならない41.2%
不信感がある22.4%

好感側は合計36.4%です。最も多いのは「特に気にならない」の41.2%でした。

つまり、AIを使っていること自体は、多くの若手にとって加点要素になっていません。不信感を持つ層も22.4%います。

「AI活用中」と書き足せば採用ブランドが上がる、という想定は、この数字とかみ合いません。

AIを自分で使う人ほど、企業のAI利用に寛容になる

AI活用経験の有無で不信感が8.3%と41.8%に分かれることを示す図

同じベイジの調査に、この特集のなかでも特に示唆的な数字があります。

就職活動でAIを活用した層の不信感は8.3%でした。一方、活用しなかった層では41.8%に上っています。

5倍ほどの開きです。調査側は、自分が使う側に立った経験が、企業の利用への寛容さにつながっているようだと述べています。

ここから読み取れるのは、「Z世代だから全員AIに好意的」という前提が成り立たないことです。同じ世代のなかで、態度は大きく分かれています。

そして分かれ目は年齢ではなく、自分で使った経験の有無でした。学生の就職活動でのAI利用率は27卒で84.9%まで来ているため、寛容な側の比率は今後さらに増えると見込めます。

具体的な使い方であれば、学生は前向きに受け止める

抽象的な「AI活用」への反応が鈍い一方、使い方が具体的な場面では評価が変わります。

OfferBoxが27卒学生512名へ行った調査では、企業が学生へのオファー文に生成AIを使うことを「とても良い」「良い」と答えた学生が77.7%でした。

自分に届く文章がAIで作られていても、7割を超える学生が肯定的です。何にどう使っているかが見えると、受け止め方は変わると考えられます。

学生が見ているのは、入社後の自分の働き方

ここまでの数字を重ねると、一つの筋が通ります。

学生が確かめたいのは、その会社がChatGPTを導入しているかどうかではありません。入社した自分が、どんな働き方をすることになるのかです。

具体的には、次のような点が判断材料になります。

  • 定型業務がどれくらい減っているのか
  • 新入社員や若手も同じように使えるのか
  • 使い方を学ぶ機会や研修があるのか
  • 情報の扱いについてルールが決まっているのか
  • 空いた時間が、成長につながる仕事へ回っているのか

みん就が指摘したWorker DXへの転換は、まさにこの部分を指しています。

ここまでの調査で答えが出ていないこと

正直に書いておきたい点があります。

一般の大学生に「AIを活用している企業A」と「活用していない企業B」を見せて、志望度がどれだけ変わるかを直接比較した大規模調査は、公開されているもののなかに見当たりませんでした。

いま参照できるのは、DX推進が志望度に影響するという回答、ITエンジニア志望者のAI関心、若手社員の好感と不信という3種類のデータです。それぞれ母集団も設問も異なります。

したがって「AI活用を打ち出せば応募が増える」と言い切ることはできません。言えるのは、判断材料の一つにはなっていて、書き方によって受け止められ方が変わる、というところまでです。

では、採用サイトには何を書けばよいのか

AI活用そのものではなく、AIによって働き方がどう変わったのかを書く。方向としてはここに落ち着きます。

具体的な書き方は企業のAI活用は採用でどう伝えるかで扱っています。

もう一つ注意したいのが、AIを使う場所の選び方です。人が担うと思われている場面をAIに置き換えると、反応が変わります。

その典型がAI面接で、希望する学生は10.7%にとどまっています。

AIツールギャラリーでは、人事や研修の担当者向けにチェックリストやガイドを無料で配布しています。社内での検討材料として持ち帰りたい場合は、資料ダウンロードをご覧ください。

自社のAI活用を採用広報へ落とし込む進め方は、お問い合わせからご相談いただけます!

特集「学生とAIの現在地」の記事

この記事は、学生の生成AI利用と新卒採用への影響をまとめた特集の1本です。関心のあるところから読めます。

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