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AI面接を希望する学生は10.7%|AIを使う就活生が「人に評価してほしい」と答える理由

AIツールギャラリー編集部更新: 2026年9月17日

AI面接の導入を検討すると、まず日程調整や面接官の負担という課題が見えてきます。効果が出そうな領域ではあります。

一方で、学生がどう受け止めるのかは読みにくいところです。就職活動でAIを当たり前に使う世代なら、AI面接も受け入れるのではないかとも思えます。

ところが調査の結果は逆でした。自分ではAIを使う学生が、自分を評価する側にAIが来ると態度を変えます。

この記事では、AI面接を希望する学生が少ない理由を最新の調査から読み解き、どこまでが運用設計で変えられる部分なのかを整理します。

「学生はAIが嫌い」では説明できない部分を、データで見ていきます!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

就活ではAI利用が84.9%、でもAI面接の希望は10.7%

就活でのAI利用84.9%とAI面接希望10.7%の差を示す図

まず、この記事の出発点になるギャップから見ます。

マイナビの2027年卒調査では、就職活動でAIを利用したことのある学生が84.9%でした。学生にとって、AIはすでに手元の道具です。

一方、リーディングマークの組織心理研究所が大学生・大学院生392名へ行った調査では、面接方式の希望が次のように分かれました。

希望する面接方式割合
対人面接78.1%
AI面接10.7%
どちらでもよい11.2%

この調査は、実際に受けた面接ではなく、面接の場面を想定したシナリオへの反応を見たものです。数字を読むときは、この条件を押さえておいてください。

それでも、自分ではAIを使う学生の8割近くが対人面接を選んだ、という結果は無視しにくいものがあります。

AI面接には「緊張しにくい」という利点も認められている

同じリーディングマークの調査で興味深いのは、AI面接が一方的に否定されたわけではない点です。

AI面接は対人面接と比べて、面接不安が低く評価されました。人を前にした緊張が減るという利点は、学生側も認めています。

ただし、その他の項目では評価が下がりました。評価への納得感、進め方の公平感、企業の魅力が低く、不気味さや不透明性が高く評価されています。

緊張しないことと、納得できることは別だ、という結果です。

マイナビの27卒調査でも、AI面接で受験意欲が高まる理由として「緊張しなさそう」が挙がっています。利点の認識は共通しています。

それでも対人面接が選ばれるのは、評価への納得感が理由

では、何が対人面接を選ばせているのでしょうか。

リクルートマネジメントソリューションズが2025年7月に26卒685名へ行った調査では、面接で人に評価されたいと答えた学生が63.0%、AIに評価されたいと答えた学生が15.8%でした。

理由として挙がったのは、社員に直接会ってその企業や社員の雰囲気を知りたい、人の面接のほうが自分のことをうまく伝えられそう、といった内容です。

マイナビの27卒調査で、AI面接を提示されると受験意欲が下がる学生に理由を聞いた結果も、同じ方向を向いています。

受験意欲が下がる理由割合
人に評価してほしいから55.2%
AIに判断されたくないから50.9%

ここに出ているのは、AIの性能への不信というより、評価という行為そのものへの感覚です。

面接は、学生が企業を見る場でもある

学生が面接に求める3つのことを示す図

この記事で最も強調したい解釈がここです。

企業側から見ると、面接は学生を評価する場です。しかし学生側から見ると、会社と社員を確かめる場でもあります。

リクルートマネジメントソリューションズの調査で挙がった「社員に直接会って雰囲気を知りたい」は、評価される側の要望ではなく、選ぶ側の要望です。

AI面接にすると、この機能が失われます。学生は評価されるだけで、会社について何も持ち帰れません。

リーディングマークの調査でAI面接の企業魅力が低く出たのは、この構造から説明がつきます。効率化した分のコストが、候補者体験の側に回っているわけです。

抵抗感は固定ではなく、少しずつ動いている

ここで「AI面接は嫌われている」と結論づけると、変化を見落とします。

先ほどのリクルートマネジメントソリューションズの調査は、前年との比較ができます。

卒業年度人に評価されたいAIに評価されたい
2025年卒65.6%12.8%
2026年卒63.0%15.8%

1年で、人を望む割合が2.6ポイント下がり、AIを許容する割合が3.0ポイント上がりました。動きは小さいものの、向きははっきりしています。

マイナビの27卒調査では、AI面接を受けた経験のある学生が28.2%、AI面接を提示されると受験意欲が下がる学生が51.1%でした。26卒調査の同種の設問では、この割合はさらに高く報じられています。

ただし年度をまたぐ比較は、設問や選択肢が完全に同一とは限りません。低下幅そのものより、抵抗感が固定されたものではない、という点を受け取るのが妥当だと考えます。

学生が安心できる運用は、調査で示されている

AI面接で安心できる運用の条件と平均値を示す図

導入するかどうかの二択で考えると行き止まりになりますが、運用の条件を変える余地は残っています。

リーディングマークが就活サービス利用者248名へ追加で聞いた結果では、安心できる機能や運用が5点満点で次のように評価されました。

機能・運用平均値
AI面接では合否が決まらず、人の面接につながる前段として使われる4.40
評価方法・評価項目が事前に明示される4.35
AIの評価結果が選考でどのように使われるか明示される4.22
AI面接の内容を踏まえた簡単なフィードバックが返る4.21

最も高いのは、AIだけで合否を決めないという条件でした。次いで、評価の中身を事前に説明することです。

いずれも、AIの精度を上げる話ではありません。どう使うかを学生に開示する話です。

採用設計として決めておきたい5点

ここまでの調査を、実務の判断に落とすと次のようになります。

  • AI面接だけで合否を決めず、人による選考へつなげる位置に置く
  • 評価方法と評価項目を、受験前に学生へ示す
  • AIの評価結果を選考のどこでどう使うのかを明示する
  • 簡単でもよいのでフィードバックを返す
  • 社員と話せる機会を、選考のどこかに必ず残す

最後の項目は、効率化の議論では削られやすい部分です。ただ、学生が面接に求めているもう一つの機能がここにあります。

AIを使う場所と、人を残す場所を分けて考える

採用業務のなかには、AIに任せても学生の受け止めが悪くならない領域があります。日程の調整、情報の整理、求人票やオファー文の下書きなどです。

実際、オファー文へのAI利用を肯定的に見る学生は77.7%に達しています。

一方で、本人を評価する場面や、会社を知るための対話は、人を残したい領域として残っています。この線引きをどう見せるかが、採用広報の課題になります。

続きは企業のAI活用は採用でどう伝えるかで扱っています。学生がAI活用企業をどう評価しているかは、大学生は「AI活用企業」を選ぶのかで整理しました。

AIツールギャラリーでは、人事や研修の担当者向けにチェックリストやガイドを無料で配布しています。選考設計の見直しに使う資料は資料ダウンロードから確認できます。

AIを使う業務と人が担う業務の線引きについては、お問い合わせからご相談いただけます!

特集「学生とAIの現在地」の記事

この記事は、学生の生成AI利用と新卒採用への影響をまとめた特集の1本です。順番に読む必要はありません。

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