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企業のAI活用は採用でどう伝える?学生に届く「AI活用企業」の見せ方

AIツールギャラリー編集部更新: 2026年9月17日

採用サイトに「生成AIを積極活用しています」と書いたものの、学生の反応が変わった実感がない。そういう相談を受けることがあります。

書いた内容が間違っているわけではありません。ただ、この一文から学生が受け取れる情報が、ほとんどないという問題があります。

さらに2026年は、学生が生成AIそのものを使って企業を探し始めた年でもありました。読み手が人だけではなくなっています。

この記事では、AI活用を採用広報でどう伝えるかを、載せるべき6つの情報と、AI経由で企業が見つけられる流れの両面から整理します。

この特集で見てきた調査を、採用サイトの具体的な書き方まで落とし込みます!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

「AI導入企業です」だけでは学生への訴求にならない

採用広報の書き方で受け取られ方が変わることを示す図

最初に、前提となる数字を確認します。

ベイジが2026年6月に若手社員434名へ行った調査では、企業の生成AI活用への印象は好感側が36.4%、「特に気にならない」が41.2%、不信感が22.4%でした。

最も多いのは「特に気にならない」です。AIを使っていること自体は、多くの学生にとって判断材料になっていません。

一方で、みん就の2027年卒調査では、企業のDX推進が志望度に影響すると答えた学生が77.1%に達しています。関心がないわけではないのです。

この2つは矛盾しません。学生が見ているのが、導入の有無ではなくその中身だからです。

学生が知りたいのは、入社後の自分の働き方

みん就は、学生の評価軸が「最新技術を使っているか」から「その技術によって快適・効率的に働けるか」へ移ったと分析しています。前者をBusiness DX、後者をWorker DXと呼び分けました。

この変化が、採用広報の書き方を決めます。

「当社は生成AIを導入しています」は、Business DXの言い方です。学生が知りたいのは、その結果として自分の1日がどうなるのかのほうです。

詳しい根拠は大学生は「AI活用企業」を選ぶのかで整理しています。

採用サイトに載せたい6つの情報

採用サイトで見せる3つの軸を示す図

ここからは実践に移ります。抽象的な宣言を、学生が判断できる情報へ置き換えていきます。

1. どの業務でAIを使っているか

業務名と用途を具体的に書きます。議事録の整理、リサーチの下調べ、定型資料の初稿といった粒度です。

固有名詞が入ると、情報としての密度が上がります。ツール名、対象部署、いつから使っているかを添えてください。

2. 新入社員や若手も使えるのか

全社員が使えるのか、一部の部署だけなのかで、学生の受け取り方は変わります。

利用できるツール、対象になる社員の範囲、利用を開始する時期、費用の負担者を書いておくと、入社後の姿が想像しやすくなります。

3. AIの使い方を学べる環境があるか

入社時の研修、社内勉強会、プロンプトの共有、相談できる窓口。この4つがあるかどうかを示します。

学生の多くは生成AIに触れた経験を持つ一方、業務で通用する使い方を学校で習ったわけではありません。学べる環境があること自体が、訴求点になります。

4. 情報の扱いについてのルール

個人情報や機密情報をどう扱うか、どのサービスを使ってよいか、人の確認が必要な場面はどこか。

ルールを示すことは、制約を見せることではありません。適切に使える組織であることの説明になります。

5. AIによって、人が何に時間を使えるようになったか

6つのなかで最も重要な項目です。削減した時間そのものより、その時間が何に回ったのかを書きます。

顧客との対話、企画、現場の改善、学習といった行き先が見えると、成長できる環境かどうかを学生が判断できます。

6. 人が判断する領域はどこか

AIを使わない場所を明示することも、同じくらい効きます。最終的な意思決定、1on1、顧客との重要な対話、採用面接、育成といった領域です。

この項目が効く理由は、AI面接への反応から説明できます。リーディングマークの調査では、AI面接を希望する学生は10.7%にとどまり、対人面接を希望する学生が78.1%でした。

背景はAI面接を希望する学生は10.7%で詳しく扱っています。

学生はすでに、生成AIで企業を探し始めている

学生がAIで企業を見つけ公式情報で確かめる流れを示す図

ここからが2026年に新しく起きている部分です。

PLAN-Bが2025年12月に380名へ行った調査では、就職活動で生成AIを利用する学生が70.3%、AIをきっかけに知らなかった企業を知った学生が62.1%でした。

AIの推薦を受けたあとの行動も記録されています。

AIの推薦後にとった行動割合
企業の採用ページを閲覧した49.7%
説明会やイベントに参加した42.2%
選考に応募した14.6%

企業選びや応募判断に影響したと答えた学生は52.9%でした。「非常に影響している」16.1%と「ある程度影響している」36.8%の合計です。

ナイルが2026年3月に就活生419名へ行った調査でも、生成AIが企業を知るきっかけになった経験を持つ学生が7割に上っています。

そして重要なのが、その次の行動です。同じ調査では、約9割の学生がAIで得た情報をそのまま受け取らず、公式の情報で確かめていました。

AIに見つけられ、人に確かめられる。両方が必要になる

この2段階が、採用情報の設計を変えます。

株式会社Webライタープロが2026年7月に25卒から27卒の300名へ行った調査では、AI利用者の85.1%が企業名や業界、職種の提案を受けた経験を持ち、そのうち67.9%が企業の公式サイトを確認していました。

つまり、AIに正しく理解されないと候補に挙がらず、公式サイトに実体がないと確認の段階で落ちます。

採用ページに用意しておきたいのは、次のような情報です。

  • 導入しているツール名と、使っている部署・業務
  • 対象になる社員の範囲と、利用を始める時期
  • 研修やガイドラインの有無と、その中身
  • 若手社員が実際にどう使っているかの事例
  • AIを使わず人が判断する領域
  • 情報の更新年月

いずれも、曖昧な「DX推進」という言葉では代替できません。固有名詞と対象者と時期が入っているかどうかが、分かれ目になります。

採用のためにAI活用を始めない

最後に、順序の話をしておきます。

ここまで挙げた項目は、実際にAIを使っている会社であれば、書き出すだけで埋まります。逆に、実体がないまま整えた文章は、面接や説明会で崩れます。

学生の約9割が公式情報で裏を取り、面接では社員の様子を確かめようとしている。この2つを踏まえると、演出の持続時間は短いと考えたほうが安全です。

社員にとって意味のあるAI活用があり、それを正確に言語化する。順序としてはこちらになります。

自社のAI活用を言語化するところから始める場合

実際に着手すると、多くの企業でつまずくのは文章づくりではありません。社内のどこで何にAIが使われているのかを、把握できていない段階でつまずきます。

業務の棚卸し、利用ルールの整理、研修の設計、そして採用広報への落とし込み。この順番で進めると、書ける材料がそろっていきます。

AIツールギャラリーでは、人事や研修の担当者向けにチェックリストやガイドを無料で配布しています。検討の材料として資料ダウンロードをご覧ください。

社内のAI研修、利用方針の整理、採用広報への落とし込みはお問い合わせからご相談いただけます!

特集「学生とAIの現在地」の記事

この記事は、学生の生成AI利用と新卒採用への影響をまとめた特集の1本です。根拠になった調査は、それぞれの記事で詳しく扱っています。

この記事の出典

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