就活生の84.9%がAIを利用|生成AIで新卒採用はどう変わったか【27卒】
エントリーシートを読んでいて、文章の整い方がそろっていると感じることが増えてきました。
ここで「AIを使ったかどうかを見抜く」方向へ進むと、選考の設計はなかなか前に進みません。学生の利用率は、見抜いて弾けるような水準をすでに超えているからです。
しかも、AIを使っているのは学生だけではありません。企業側も採用業務に持ち込み始めています。
この記事では、27卒の調査をもとに、就職活動と新卒採用のどこまで生成AIが入り込んでいるのかを、学生側と企業側の両方から整理します。
「使っているかどうか」ではなく「どこで何に使っているか」まで見ていきます!
この記事の監修者

AIリスキル株式会社 代表取締役
AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。
実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など
27卒では就職活動でのAI利用が84.9%に達した
マイナビの「2027年卒 大学生キャリア意向調査」によると、就職活動でAIを利用したことのある学生は84.9%でした。2026年4月25日から30日にかけて、1,258名から回答を得た調査です。
注目したいのは、前年からの動き方です。同じマイナビの26卒調査では、就職活動でのAI利用経験は66.6%でした。
| 調査 | 調査時期 | 就職活動でのAI利用 | 回答数 |
|---|---|---|---|
| 2026年卒 キャリア意向調査 | 2025年4月 | 66.6% | 1,385名 |
| 2027年卒 キャリア意向調査 | 2026年4月 | 84.9% | 1,258名 |
1年で18.3ポイント増えました。同じ調査シリーズの同じ時期の比較なので、増え方はそのまま読んで差し支えありません。
ここまで来ると、選考の前提を組み替えるかどうかという話になります。AI利用の有無で学生を分けても、分けた先に大きな集団が残らないためです。
学生のAI利用は、文章づくりから相談相手へ広がった
用途の内訳を見ると、変化がはっきりします。マイナビの27卒調査では、AIをES推敲に使った学生が71.8%、面接対策に使った学生が38.4%でした。
さらに、47.6%の学生がAIに就職活動の相談をした経験があると答えています。
AIの回答をどう扱うかについては、「判断材料の一つとして考慮する」が68.7%で最も多くなりました。うのみにするのでも無視するのでもなく、意見の一つとして置いている姿が見えます。
OfferBoxが27卒学生512名へ行った調査でも、用途の広がりは同じ方向を向いています。2026年2月2日から4日の調査です。
| 用途 | 割合 |
|---|---|
| ES・履歴書の添削 | 79.9% |
| 自己分析 | 59.4% |
| メール作成 | 52.8% |
| 面談・面接対策 | 52.2% |
この調査では、ChatGPTなどの利用経験がある学生が97.7%、就職活動で使った学生が75.8%でした。今後も活用したいと答えた学生は94.6%です。
ただしOfferBoxは就活サービスの登録学生が対象になるため、大学生全体より積極的な層に寄っている可能性があります。数字の高さは、その点を踏まえて読んでください。
企業側も54.8%が採用業務で生成AIを使っている

AIを使っているのは学生だけ、という構図はすでに崩れています。
OfferBoxが同時期に企業312社へ行った調査では、新卒採用活動で生成AIを利用している企業が54.8%でした。
| 企業側の用途 | 割合 |
|---|---|
| 自社PR文の作成 | 69.6% |
| 学生へのオファー文の作成 | 69.0% |
| 採用課題の壁打ち | 42.1% |
学生と企業が、同じ道具を別の側から使っている状態です。学生のAI利用だけを問題として扱うと、この構図を説明しにくくなります。
興味深いのは、学生側の受け止めです。同じ調査で、企業が学生へのオファー文に生成AIを使うことを「とても良い」「良い」と答えた学生は77.7%でした。
選考の設計は「見抜く」から「深掘りする」へ動いている

ESの文章からAI利用を判定しようとしても、判定の精度を担保する方法がありません。書き手が自分の言葉で整えた文章と、AIに整えてもらった文章の境目は、読み手には見えないためです。
そこで実務的な打ち手になるのが、面接での深掘りです。
- ESに書かれた経験について、当時の状況、迷った点、選んだ理由を本人に聞く
- AIを使ったかどうかではなく、どう使い、どこを自分で判断したかを聞く
- 結果だけでなく、途中で変えた判断や、うまくいかなかった部分を確認する
AIに下書きを任せた学生でも、経験そのものは本人のものです。何を体験し、どこで考えたのかは、本人にしか語れません。
ここを聞ける設計になっているかどうかが、AI前提の選考の分かれ目になります。
AIは企業を知るきっかけにもなり始めた
AIの用途は、書類づくりや対策の範囲を超え始めています。
株式会社Webライタープロが2026年7月に25卒から27卒の300名へ行った調査では、就職活動で生成AIを使った学生が83.0%でした。そのうち85.1%が、AIから企業名や業界、職種の提案を受けた経験があると答えています。
ipeが2026年8月に就活生180名へ行った調査でも、生成AI利用者の37.2%が企業や業界の情報収集に使っていました。利用者の38.0%は、企業への理解が深まり企業選びの軸が明確になったと答えています。
企業の情報が、学生に読まれる前にAIを経由するようになってきました。この流れは、企業のAI活用は採用でどう伝えるかで詳しく扱います。
新卒採用は「AI前提」で設計し直す段階に入った

学生のAI利用を良し悪しで語る段階は、数字の上では過ぎています。84.9%という水準は、例外ではなく標準です。
そのうえで、企業側が決めておきたいことは3つあります。
- 選考のどこまでAIの利用を認めるのか。認める場合、学生へどう伝えるのか
- 本人の経験や判断を、どの場面でどう確認するのか
- 人と話す接点を、選考のどこに残すのか
3つ目は特に見落としやすい部分です。学生にとって面接は、評価される場であると同時に、会社を知る場でもあります。
この点は、AI面接を希望する学生は10.7%で、学生側の受け止めから掘り下げています。
採用担当者が社内で共有したいときは
ここまでの数字は、採用チームだけでなく、面接官や経営層と前提をそろえるときに効いてきます。学生の利用率が変わったという事実は、選考基準の議論の出発点になるためです。
AIツールギャラリーでは、人事や研修の担当者向けに、社内で共有しやすい形のチェックリストやガイドを無料で配布しています。資料ダウンロードから確認できます。
AI前提の選考設計や、社内の利用ルールづくりのご相談はお問い合わせから承っています!
特集「学生とAIの現在地」の記事
この記事は、学生の生成AI利用と新卒採用への影響をまとめた特集の1本です。順番に読む必要はありません。
- 小学生・中学生・高校生・大学生の生成AI利用率は?2026年最新データで比較:就職活動の手前で、どこまで普及しているのかを見ます
- 大学生は「AI活用企業」を選ぶ?就活生の好感・不信を最新調査で検証:AI活用が志望度にどう働くのかを整理します
- AI面接を希望する学生は10.7%|AIを使う就活生が「人に評価してほしい」と答える理由:受容の境界がどこにあるのかを見ます
- 企業のAI活用は採用でどう伝える?学生に届く「AI活用企業」の見せ方:採用広報への落とし込みを扱います
この記事の出典
- 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月(マイナビキャリアリサーチLab、2026-09-15確認)
- 2026年卒 大学生キャリア意向調査4月(マイナビキャリアリサーチLab、2026-09-15確認)
- 27卒学生・企業の生成AI活用実態調査(OfferBox、2026-09-15確認)
- 就職活動における生成AI利用の実態調査(Webライタープロ、2026-09-15確認)
- 就活生の生成AI利用に関する調査(ipe、2026-09-15確認)
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