Google Workspace with Gemini活用事例|社員400人の中堅メーカーが実感した週1時間の時短

Google Workspace with Geminiは、GmailやドキュメントといったGoogle Workspaceの各アプリにAIを組み込んで使う仕組みです。国内社員約400人の手袋メーカー、ショーワグローブでは、利用者の51%以上が週1時間以上の時短を実感しています。
専任のDX部門も大きな予算もない会社で効いたのは、導入の順番と現場側の推進役でした。どこから配るか、誰が現場で旗を振るか、どの課題から解くか。この3つが決まっていれば、規模が小さくても動きます。
この記事では、ショーワグローブが抱えていた課題と、段階的な導入の進め方、部署ごとのアンバサダー制度を見ていきます。読み終えると、自社の規模での始め方が描けます。
記事の最後には、自社で着手する業務を選ぶためのワークシートもご用意しています!
この記事の監修者

AIリスキル株式会社 代表取締役
AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。
実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など
ショーワグローブが直面していた3つの課題
ショーワグローブ株式会社は、家庭用・産業用・医療用の手袋を製造販売するメーカーです。日本国内の社員は約400人、グループ全体では約6,700人が在籍しています。
この事例は、ショーワグローブ自身の発表ではなく、導入を支援したGoogle認定プレミアパートナーの吉積情報株式会社が、2025年5月7日に自社の導入支援実績として公開したものです。
数万社に及ぶ顧客に製品を届けており、グローバル市場での競争力強化を目的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるなかで、複数の課題が重なっていました。
海外拠点とのコミュニケーション不足と意思決定の遅れ
グローバル展開を進める過程で、海外拠点との情報共有や意思決定に遅れが生じていました。拠点をまたいだやり取りに時間がかかり、現場の判断がスムーズに進まない状況が続いていたといいます。
拠点ごとに分散したファイルサーバーとセキュリティリスク
各拠点にファイルサーバーが分散していたことも、情報共有を分断する要因になっていました。あわせて、サーバーの脆弱性やアクセス権限の管理といったセキュリティリスクも存在していたと吉積情報は説明しています。
従業員間のデジタルツール活用度の差
デジタルツールの活用度合いには従業員間で差があり、これが業務効率化が進まない一因になっていました。ITリテラシーにばらつきがある状態で新しいツールを導入しても、定着しない可能性がある点が課題だったようです。
これら3つの課題が重なったことが、Google Workspace with Gemini導入を検討する背景になったと吉積情報は述べています。
Geminiで実際に何が変わったか
数値で見る時短効果
導入後、Gemini利用者の82%以上が週15分以上の時間削減を、51%以上が週1時間以上の時間削減を実感していると報告されています。
吉積情報は、これを1,000人規模の企業に当てはめたモデルケースとして、年間で約23,500時間(約3,000日分)の削減が見込めるとも試算しています。
ただしこの試算はあくまで一般化した数値であり、ショーワグローブ自身(国内約400人)が実際にどれだけの時間を削減したかという値として公表されているわけではありません。
また、時間削減の数値がアンケートによる実感値なのか実測データなのかは、今回参照した公開情報には明記されていませんでした。
メール・議事録・多言語翻訳での使われ方
具体的には、メール作成や議事録の作成、データ分析といった日常業務、会議資料の骨子作成といった事務作業がGeminiによって効率化されました。多言語翻訳機能は、海外拠点とのナレッジ共有や情報収集・共有を迅速化する役割を果たしています。
あわせて、クラウド上でのファイル集約やリアルタイムでの共同作業も進み、部門を横断したコミュニケーションが促進されたといいます。
デスクトップにGeminiのショートカットを配置し、困ったときにまず検索する文化が社内に根づいてきているという紹介もありました。
なぜ中堅企業でもここまでの効果が出せたのか
大企業の事例では、専任のDX推進部門や情報システム部門が大規模な体制でツール導入を主導するケースが目立ちます。ショーワグローブの場合、国内の社員は約400人と、大企業と比べて限られた体制です。
それでも一定の定着が進んだ背景には、CDXO(最高デジタルトランスフォーメーション責任者)を中心に、ITインフラ整備から業務プロセス変革、データドリブン経営まで段階を分けて進めるロードマップを描いていたことがあります。
同社が掲げるDXロードマップの第一段階には「コミュニケーション・情報共有基盤の構築」というITインフラ整備の項目があり、Geminiによる情報共有の効率化はこの方向性と重なります。
いきなり全社に展開するのではなく、一部のユーザーや部門で試用してリスクを把握したうえで、段階的に広げていくプロセスも採られています。
ツールを配るだけでなく、浸透させる設計を先に用意していたことが、限られた体制でも効果を出せた理由と言えそうです。
小さな体制でも運用が回る理由
各部署の「Geminiアンバサダー」制度
ショーワグローブでは、各部署から選出されたメンバーが「Geminiアンバサダー」として活用を推進する体制を敷いています。
アンバサダーは部署内でGeminiの使い方や成功事例を共有し、月1回の定例会で全社的なAI活用の情報を交換しているといいます。専任部門がすべてを管理するのではなく、現場の担当者が横のつながりで活用方法を広げていく仕組みです。
吉積情報による伴走支援
導入を支援した吉積情報は、管理者向け・ユーザー向けのトレーニングや、生成AIガイドラインのテンプレート提供、利用状況アンケート、活用マニュアルの作成といった「AI Driven」プログラムを提供しています。
あわせて、オンラインでのユーザー向け説明会や管理者講習、移行に伴うチェンジマネジメントを含む「My Start」というサービスも組み合わせて使われました。
社員への浸透、管理設定の方法、スムーズな移行という3つの課題に、それぞれ別の手順で対応している点が特徴です。
なお、CDXOを務める担当者の氏名は「印藤様」という表記のみが公開情報に見られ、フルネームや直接のコメントは確認できませんでした。
導入の意思決定から本稼働までの具体的な期間、Google Workspace with Geminiの契約形態や費用についても、今回参照した発表には明記されていません。
自社で導入を検討するなら何から見ればいいか
ショーワグローブの事例から、中堅企業がGeminiの導入を検討する際に見ておきたいポイントが見えてきます。ひとつは、いきなり全社展開を目指すのではなく、一部の部門やユーザーで試用してリスクを把握してから段階的に広げる進め方です。
もうひとつは、情報システム部門だけに任せるのではなく、各部署から推進役を選び、現場同士で使い方や成功事例を共有できる仕組みを先に用意しておくことです。
海外拠点を持つ企業であれば、多言語翻訳やクラウド上でのファイル集約が、情報共有の分断や意思決定の遅れをどれだけ解消できそうかという視点で確認しておくとよさそうです。
なお、Googleも複数の企業の事例をまとめた資料を公開しており(Google Workspace活用事例集第2版、全34社)、業種を問わず他社の活用イメージを広く見たい場合は参考になります。
料金プランやモデルの違いなど、ツール自体の情報を確認しておきたい場合は、Google Workspace with Geminiの詳細もあわせて参考にしてください。
まとめ: Geminiの活用は大企業だけの話ではない
ショーワグローブの事例が示しているのは、Gemini活用の効果を出すために、数万人規模の組織や専任の巨大なDXチームが必須ではないということです。
段階的な導入プロセスと、現場主導で広げる推進体制があれば、社員約400人規模の中堅企業でも、利用者の半数以上が週1時間以上の時間削減を実感するところまで到達できます。
導入を検討する前に、次の点を確認しておくと迷いません。
- 全社展開の前に、一部の部門やユーザーで試用してリスクを把握する計画があるか
- 情報システム部門だけでなく、各部署から推進役を選べそうか
- 海外拠点や複数拠点間の情報共有・意思決定の遅れが、自社でも課題になっていないか
- 契約形態や費用など、公開情報だけでは分からない点を、導入支援会社に確認する準備があるか
生成AIを使って自社の業務のどこから着手すればいいか、Google Workspace with Geminiのようなツールが自社の規模に合うかどうかを含めて相談したい場合、AIリスキル株式会社では生成AIの導入支援を行っています。
「海外拠点との情報共有をどう変えられるか知りたい」「段階的な導入の進め方を相談したい」といったご相談は、お気軽にどうぞ。
この記事の出典
- ショーワグローブ株式会社の Google Workspace with Gemini 導入事例を掲載いたしました(吉積情報株式会社、PR TIMES、2025年5月7日)
- グローバル手袋メーカー、ショーワグローブのDX戦略:Geminiと吉積情報「AI Driven」が実現する革新的な働き方(吉積情報公式サイト、2025年4月記事作成)
- DX推進の取り組み(SHOWA公式サイト、確認日2026年8月2日)
- 全34社掲載:DXを加速させる、Google Workspace 活用事例集の第2版を公開(Google Workspace ブログ、2026年6月10日)
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執筆メモ: 出典の詳細と時点の注意(本文非掲載、内部記録用)
- ショーワグローブ株式会社の Google Workspace with Gemini 導入事例を掲載いたしました(吉積情報、2025年5月7日10:00)。発表元は吉積情報。文中で明記されている数値は「Gemini利用者の半数以上が週1時間以上の時間削減を実感」のみで、82%/23,500時間の内訳は詳細事例ページ側の記載
- グローバル手袋メーカー、ショーワグローブのDX戦略(吉積情報公式サイト)。ページ末尾に「2025年4月記事作成(取材・文/吉積情報)」という公開時期の記載がある(2026-08-15再確認。初稿執筆メモの「明示的な公開日の記載なし」は誤りだったため訂正)。82%/51%の内訳、Geminiアンバサダー制度、AI Driven/My Startの支援内容、DXロードマップ4ステップの出所。CDXO担当者は「印藤様」表記のみで、直接引用できるコメントは掲載されていない。DXロードマップ4段階(①ITインフラ整備〈コミュニケーション・情報共有基盤の構築を含む〉②業務標準化・情報共有促進 ③製造DX ④データドリブン経営)の説明とGemini自体の説明(「Geminiがもたらす革新」)は別セクションであり、Google WorkspaceやGeminiをロードマップの特定段階に明示的に位置づける記述はページ内に無いことを2026-08-15に再確認した(review.mdの指摘1と一致)
- DX推進の取り組み(ショーワグローブ公式サイト)。CDXO体制・DX戦略3本柱(生産性向上/データ駆動型経営/顧客体験向上)の記述はあるが、Google Workspace/Geminiへの言及は本ページには存在しない。本文では直接引用せず、背景確認のみに使用
- Google Workspace 活用事例集(第2版)公開ブログ(Google、2026年6月10日、全34社)。WebFetchで確認した限りショーワグローブは対象企業リストに含まれていない。本文では「他社事例を広く見たい場合の参考」という位置づけのみで言及し、ショーワグローブがこの34社に含まれるとは書いていない
未確認・非公開のまま記事化した点(独立章にせず本文へ短く織り込み済み): - CDXO担当者のフルネーム(「印藤様」という表記以上の情報が一次情報で確認できなかった。WebSearchのAI要約に「印藤篤臣」という氏名が一度出たが、吉積情報・ショーワグローブいずれの一次情報でも裏付けが取れなかったため採用していない) - 導入の意思決定から本稼働までの具体的な時期・期間 - Google Workspace with Geminiの契約形態・費用 - 時間削減効果の測定方法(アンケートか実測データか)
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