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Nebius Token Factoryとは?料金の決まり方とOpenAI互換APIの使い方

AIツールギャラリー編集部更新: 2026年8月28日
Nebius Token Factoryとは?料金の決まり方とOpenAI互換APIの使い方

Nebius Token Factoryは、DeepSeekやQwenといったオープンソースのモデルを、OpenAI互換のAPIで呼び出して本番で動かすためのサービスです。モデルは他社に取り次がれるのではなく、提供元が自社のGPUで動かしています。

費用や安定性は、サービス全体の評判を見ても決まりません。効いてくるのは、単価が何で決まるのか、取り次ぐゲートウェイと自社で動かす提供元のどちらが合うのか、本番に必要な条件が揃っているのかの3点です。

この記事では、この3点を公式の情報にそって順に確認していきます。読み終えると、Token Factoryを試す候補に入れるか、見送るかを判断できます。

この記事は公式ドキュメントで確かめられた内容だけで書いていて、確認できなかったところはそのままお伝えします!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

はじめに:Nebius Token Factoryとは?オープンソースモデルを本番で動かすための推論プラットフォーム

開発者のアプリからOpenAI互換APIを通じて、Nebius自社のGPUインフラ上で動くDeepSeekやQwenなど60以上のモデルへつながるNebius Token Factoryの構造図

Token Factoryは、学習済みのモデルに入力を渡して答えを返す処理(推論)をまとめて引き受けるサービスです。使う側はモデルを自分で用意せず、APIを呼ぶだけで済みます。

呼び出し方はOpenAI互換です。接続先のURL(エンドポイント)とAPIキーを差し替えれば、既存のOpenAI向けのコードがほぼそのまま動きます。

選べるモデルは60以上あります。DeepSeek、Qwen、Llama、GPT-OSS、Mistral、NVIDIA Nemotronなどが並び、自社で用意したモデルを載せて動かすこともできます。

同じモデルに、FastとBaseの2種類が用意されています。Fastは応答が返るまでの時間(レイテンシ)を短くする設定で、Baseは同じ時間で多く処理する代わりに費用を抑える設定です。

使い方も2通りあります。ほかの利用者と設備を共有して使った分だけ払う形と、専用のエンドポイントを立てて自分の処理に確保する形です。

Token Factoryという名前は、2025年11月5日のローンチで付いたものです。Nebius公式は、これを従来のNebius AI Studioの次の進化形と位置づけ、企業での利用に向けて設計し直したと説明しています。

料金、対応モデル、関連ツールをまとめて見たい場合は、Nebius Token Factoryの掲載ページに一覧があります。

誰が提供しているのか:NASDAQ上場のNebius Groupと旧Yandexの経緯

Yandexの国際事業から2024年の分離を経て、2025年のToken Factoryローンチと2026年のEigen AI買収に至るNebius Groupの時系列図

本番の処理を任せる相手なら、その会社が続くかどうかも判断材料になります。Token Factoryを提供しているのは、オランダのアムステルダムに本社を置くNebius Group N.V.です。

同社はNASDAQに上場していて、ティッカーはNBISです。四半期ごとの決算とSEC提出資料を公開しています。

Yandexの国際事業から2024年に分離した経緯

Nebius Groupの前身は、ロシアで創業した検索エンジン企業Yandexの国際事業です。いまの形になるまでには、2024年に3つの出来事がありました。

2024年7月、Yandexのロシア国内事業がロシアの投資家グループへ売却されました。8月に残った国際事業がNebius Groupへ社名を変え、10月にNASDAQでの取引を再開しています。

現在のNebius Groupは、この分離を経てロシア国内事業を切り離したあとの法人です。調達基準で出自の確認が要る場合は、取締役会の構成や株主の内訳をSEC提出資料などで個別に確認してください。

決算とEigen AI買収から見える事業の状況

2026年第1四半期の売上高は3億9,900万ドルで、前年同期の5,090万ドルから684%増えました。調整後EBITDAは1億2,950万ドルの黒字で、前年同期の5,370万ドルの赤字から転換しています。

Token Factoryそのものへの投資も続いています。2026年6月10日には、推論とモデルの最適化を手がけるEigen AIの買収を約6億4,300万ドルで完了しました。

Nebiusはこの買収の目的を、Token Factoryを推論基盤として強化することだと説明しています。オープンソースモデルを借りて並べているだけのサービスではない、という位置づけです。

料金はどう決まるのか:トークン単価とFast/Base、無料で試せる範囲

Nebius Token Factoryの単価がモデル・入力と出力・FastとBaseの3要素で決まる構造と、専用エンドポイントはレプリカ稼働時間ベースの別建てであることを示した図

Token Factoryの料金は、使ったトークンの量で決まります。ただしモデルごとの単価表は公開されていないため、実額は登録したあとに確認する形になります。

単価を左右するのは3つの要素

単価が変わるのは、どのモデルを使うか、入力と出力のどちらのトークンか、FastとBaseのどちらで動かすかの3点です。表示は100万トークンあたりのドル建てです。

専用エンドポイントは考え方が変わります。リクエストの量ではなく、レプリカ(処理を受け持つ実行単位)が1つ以上動いている間が課金の対象です。

その金額は公式ドキュメントに書かれていないため、専用エンドポイントまで検討する場合はNebiusへの問い合わせが必要になります。

無料で試せるのは1ドル・30日の枠

新規登録時に、1ドルのトライアルクレジットが付きます。有効期限は30日です。

1ドル=約159円(2026年8月28日時点)で換算すると160円弱にあたる枠なので、試せるのは動作確認の範囲だと考えておくのが無難です。

注意したいのは、支払い情報の登録が先に要る点です。公式ドキュメントには、ビリングアカウントの作成にバンクカードが必要と書かれています。

学習や検証の用途には、別枠のNebius Builder Programがあります。Token Factoryのクレジット25ドル(約4,000円)が付きますが、early previewでの提供で、本番のワークロード向けではないと明記されています。

実額を確認する3つの方法

モデル別の価格表ページが公開されていないため、実額を知る経路は次の3つになります。

  • 登録後のコンソールにある価格ページを開く
  • プレイグラウンドのモデルカードで、入力と出力の単価を見る
  • APIキーを発行し、GET /v1/models?verbose=true を呼んでレスポンスの単価を読む

3つ目はプログラムから取れるので、候補モデルの単価をまとめて比べたいときに向いています。

なお、第三者の集計サイトが載せている単価は公式の一次情報ではありません。見積もりの根拠にする前に、上の3つのどれかで自分で確認してください。

単価が公開されていないぶん、見積もりは自分のアカウントで取った数字で作るのが安全です!

OpenRouterやOrcaRouterとの違い:取り次ぐのか、自社で動かすのか

複数の事業者へ取り次ぐゲートウェイと、自社のGPUでモデルを動かすNebius Token Factoryとで、リクエストの経路と費用が乗る場所を上下で対比した構造図

ここまでは単体の話でした。実際の選定では、OpenRouterのようなゲートウェイと並べて考えることになります。

違いは構造にあります。ゲートウェイは複数の事業者へリクエストを取り次ぐ仲介役で、Token Factoryは自社のGPUでモデルを動かしている提供元です。

取り次ぐ側は扱えるモデルが増えやすく、自分で動かす側は速度や稼働の条件を自分で決められます。この立ち位置の差が、費用の乗り方や保証の有無にそのまま出ます。

観点Nebius Token FactoryOpenRouterOrcaRouter
立ち位置自社のGPUでモデルを動かす複数の事業者へ取り次ぐ複数の事業者へ取り次ぐ
扱えるモデル60以上のオープンソースモデルと自前モデル500以上のモデル、80以上の事業者200以上のモデル
費用の乗り方トークン単価そのものクレジット購入時に5.5%(最低0.80ドル)の手数料トークン単価への上乗せなし、チャージ手数料0ドル
稼働率の保証専用エンドポイントで99.9%(公式による)取り次ぎ先の事業者による取り次ぎ先の事業者による
データの扱いゼロリテンションを明記(公式による)取り次ぎ先のポリシーによる取り次ぎ先のポリシーによる

OpenRouterとOrcaRouterの数値は、2026年8月28日に各社の公式サイトで確認したものです。

モデルの数だけを見るならゲートウェイが有利

Token Factoryが扱うのは、オープンソースのモデルと自前のモデルです。非公開の商用モデルも同じ契約で使いたい場合は、ゲートウェイのほうが合います。

モデルを頻繁に入れ替えて試す使い方でも、扱える種類が多いゲートウェイに分があります。ここは正直に、Token Factoryの弱いところです。

費用の乗り方で分かれる場面もある

OpenRouterはトークン単価そのものには上乗せせず、クレジットを購入するときに5.5%(最低0.80ドル)の手数料がかかります。少額のチャージを繰り返すほど、実質の負担率が上がる形です。

OrcaRouterはトークン単価への上乗せもチャージ手数料もかからないと明記しています。手数料の有無で選ぶなら、この2つの間でも差が出ます。

Token Factoryは提供元と直接やり取りする形なので、間に入る手数料はありません。そのぶん単価そのものの比較が判断の中心になります。

どちらを選ぶかの目安

Token Factoryが向くのは、使うモデルが数個に決まっていて、単価と応答の安定性を詰めたい場合です。専用エンドポイントまで含めて条件を作れます。

ゲートウェイが向くのは、モデルを入れ替えながら試す場合や、商用モデルとオープンソースモデルを1つの請求にまとめたい場合です。

ゲートウェイ側の仕組みや料金をもう少し詳しく知りたい場合は、ゲートウェイ経由で使う場合の解説記事にまとめています。

使い方:OpenAI SDKの接続先を差し替えて最初のリクエストを送るまで

アカウント作成・カード登録を含むビリングアカウント作成・APIキー発行の3手順と、接続先URLとAPIキーの2項目を差し替えるだけで動くことを示した手順図

試すまでの距離は短めです。既存のOpenAI向けのコードがあるなら、変えるのは接続先URLとAPIキーの2つで済みます。

登録からAPIキーの発行まで

始めるまでの手順は3つです。

  1. Token Factoryのコンソールでアカウントを作る
  2. ビリングアカウントを作成する(バンクカードの登録が必要)
  3. コンソールでAPIキーを発行する

トライアルクレジットは、この流れの中で付与されます。カードの登録を飛ばして先へ進む形にはなっていません。

差し替えるのは接続先URLとAPIキーの2つ

OpenAI SDKを使っている場合は、接続先を https://api.tokenfactory.nebius.com/v1/ に変え、APIキーをNebiusで発行したものに置き換えます。

認証は Authorization: Bearer $NEBIUS_API_KEY のヘッダーで行います。cURLで直接呼ぶ場合も同じです。

モデル名は呼び出すときに指定します。末尾に -fast を付けるとFast、付けなければBaseで動きます。

最初のリクエストは、普段使っているチャット補完の呼び出しをそのまま投げるのが早道です。応答が返れば、接続部分の差し替えは完了です。

ファインチューニングやRAG向けの埋め込みモデルも同じ環境で扱えますが、そこまで進むかは単価と応答を確かめてからで間に合います。

本番で任せられるか:稼働率、レート制限、データの扱い

Nebius Token Factoryのレート制限が15分の窓ごとに1.2倍または3分の2へ自動調整され、天井が基準の20倍であることを時間軸の階段状の図で示したもの

試すところまでが短くても、任せられるかは別の条件で決まります。ここでは稼働率、レート制限、データの扱いの3つを見ます。

稼働率の保証は専用エンドポイント側にある

公式によると、専用エンドポイントには99.9%の稼働率のSLAが付き、負荷に応じた自動スケールと、EU・USのリージョン(処理を行う拠点の地域)の指定に対応します。

この保証は専用エンドポイントの説明に書かれているものです。共有の従量課金について同じ記載は確認できていないため、稼働率を約束させたい用途では専用エンドポイントが前提になります。

レート制限は15分ごとに自動で伸び縮みする

Token Factoryのレート制限は固定ではありません。直近15分の使い方を見て、次の15分の上限が自動で調整されます。

平均の利用が上限の80%以上になると、次の窓の上限が1.2倍に上がります。50%以下なら3分の2に下がります。

上げ幅には天井があり、基準の割り当ての20倍までです。それを超える負荷は、Enterprise Tierでの相談になります。

公式ドキュメントは、基準値の例として毎分60リクエスト(RPM)と毎分40万トークン(TPM)を挙げています。上限を超えたリクエストはHTTP 429で返ります。

この仕組みなので、負荷が上がった瞬間に上限まで伸びるわけではありません。急なピークがある使い方では、15分単位で伸びることを前提に、429を受けたときの再試行を組み込んでおく必要があります。

上限が育つ設計なので、負荷試験はいきなり全開にせず段階的に上げるのがおすすめです!

データの扱いと拠点の場所

Nebius公式によれば、リクエストと出力は保存されず、学習にも再利用されません。いわゆるゼロリテンションの方針です。

コンプライアンスの面では、公式がSOC 2 Type II、HIPAA、ISO 27001への準拠を掲げています。監査報告書の内容までは公開情報から分からないため、自社の基準で必要ならNebiusへ開示を求めてください。

データセンターはフィンランド、フランス、米国にあり、EUとUSのリージョンを選べます。日本にリージョンはないため、日本からの応答速度は自分の環境で測って判断することになります。

導入前に確認しておきたい注意点

Nebius Token Factory導入前の5つの確認事項(モデルの対応・実額・応答速度・英語資料・出自)を並べたチェックリスト

判断の精度を上げるために、弱点も並べておきます。

モデルの総数: 扱えるのはオープンソースのモデルと自前のモデルで、種類の多さではゲートウェイに届きません。候補のモデルが対応表にあるかを先に確認してください。

実額が登録前に見えない: 単価表が公開されていないため、比較検討の段階で他社と並べにくくなります。カード登録まで進める前提で候補に入れる必要があります。

日本リージョンがない: 拠点はフィンランド、フランス、米国です。応答速度が要件に入るなら、EUかUSを指定して自分で計測してから判断してください。

一次情報が英語中心: 公式サイトもドキュメントも英語です。日本語での案内は確認できる範囲では見当たらないため、社内で英語の資料を読む前提になります。

出自の確認: 前身がYandexの国際事業であることは事実です。調達基準に出自の項目がある会社では、2024年の分離の経緯まで含めて社内で確認しておくと後戻りがありません。

呼び出し先を自分の管理下でまとめたい場合は、自前で立てられるLiteLLMの掲載ページも選択肢に入ります。提供元と直接契約する形とは別の解き方です。

よくある質問

1ドル・30日のトライアルクレジットと25ドルのNebius Builder Programを左右で対比し、どちらもバンクカードの登録が必要であることを示した図

無料でどこまで試せますか

新規登録時に1ドルのトライアルクレジットが付き、有効期限は30日です。動作確認や短いプロンプトの試行には足りますが、継続的な検証には残高の追加が要ります。

学習や検証の用途なら、Nebius Builder Programで25ドルのToken Factoryクレジットが提供されています。early previewでの提供で、本番のワークロード向けではないと明記されています。

カードの登録は必須ですか

公式ドキュメントには、ビリングアカウントの作成にバンクカードが必要と書かれています。トライアルクレジットもこの流れの中で付与されます。

OpenRouterから乗り換える手間はどのくらいですか

どちらもOpenAI互換のAPIなので、接続先URLとAPIキーの差し替えが中心になります。ただしモデル名の指定は同じではないため、使っているモデルがToken Factory側にあるかと、-fast を付けるかどうかの確認が要ります。

日本から使えますか

利用そのものに地域の制限は案内されていません。ただしデータセンターはフィンランド、フランス、米国にあり、日本にリージョンはありません。応答速度が要件になる場合は、自分の環境で測ってから決めてください。

自前のモデルを載せられますか

公式は、用意されたオープンソースモデルに加えて、自社のカスタムモデルのホスティングにも対応すると案内しています。LoRAやフルモデルのファインチューニングにも対応します。

Nebius AI Studioのアカウントはどうなりますか

ローンチ発表では、Token FactoryはNebius AI Studioの次の進化形と位置づけられ、既存の利用者はToken Factoryへ移行すると案内されています。移行の細かい条件は、公式ドキュメントで確認してください。

まとめ:Nebius Token Factoryは、自社インフラで動かす推論の選択肢

使うモデルが決まっているならToken Factoryを試す候補に、入れ替えて試すならゲートウェイに寄せるという2分岐の判断図

Token Factoryは、オープンソースのモデルを自社のGPUで動かしている提供元です。複数の事業者へ取り次ぐゲートウェイとは、立ち位置が違います。

試す候補に入れやすいのは、使うモデルが数個に決まっていて、単価と応答の安定性を詰めたい場合です。専用エンドポイントまで含めて条件を作れます。

見送ってゲートウェイに寄せたほうがよいのは、モデルを入れ替えながら試す場合や、商用モデルも同じ請求にまとめたい場合です。

どちらに進むにしても、登録前に決められるのはここまでです。実額は登録後の価格ページかAPIで取り、日本からの応答速度は自分で測ってから判断してください。

料金と特徴を並べて確認するならNebius Token Factoryの掲載ページ、ほかの選択肢も見比べるならAPI連携できるAIツール一覧から進めます。

この記事の出典

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