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ハーネスエンジニアリングとは?プロンプト・コンテキストエンジニアリングとの違いを「何を設計するか」で整理

AIツールギャラリー編集部更新日 公開日
ハーネスエンジニアリングとは?プロンプト・コンテキストエンジニアリングとの違いを「何を設計するか」で整理

プロンプトエンジニアリング、コンテキストエンジニアリング、ハーネスエンジニアリングは、どれもAIからよい結果を引き出すための考え方です。違いは、何を設計するかにあります。

プロンプトは1回の指示、コンテキストはAIが読む情報の全体、ハーネスはAIエージェントが働く環境そのものを設計します。後ろのものほど範囲が広く、前のものを中に含みます。

この記事では、3つの違い、コンテキストエンジニアリングの中身、2026年に広まったハーネスエンジニアリングの意味と実例、自分がどれから手をつけるかを順に見ていきます。読み終えると、自分の使い方で次に何を整えればよいかを決められます。

ハーネスエンジニアリングは、提唱者の記事とOpenAIの実例から意味を確かめています!

この記事の監修者

山原 慎也
山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役

AIツールギャラリーを運営するAIリスキル株式会社の代表取締役。企業・自治体向けの生成AI研修とAI導入支援を手がけています。

実績: 大阪・関西万博 公式プログラム「AI HEROES COLLECTION」司会進行 / 神戸市デジタル人材育成エコシステム構築事業の運営 / MBS「せやねん!」「よんチャンTV」に生成AIの専門家として出演 / Felo日本初コアアンバサダー / Genspark第1期公式アンバサダー / Skywork公式アンバサダー / AKOOL公式パートナー など

3つの違いは「1回の指示・読ませる情報・働く環境」

3つの言葉は、AIの使い方が「1回聞いて答えをもらう」から「AIに作業を任せる」へ変わるにつれて、順に出てきました。設計する範囲で並べると、違いが見えます。

考え方設計するもの効く場面例
プロンプトエンジニアリング1回の指示文1回で答えがほしい質問や文章づくり「対象読者・字数・口調」を指示に書く
コンテキストエンジニアリングAIが読む情報の全体(指示、資料、会話の履歴、使える道具)何往復も続く会話、資料を読ませる作業必要な資料だけを選んで渡し、古い会話を整理する
ハーネスエンジニアリングAIエージェントが働く環境と、失敗を繰り返させない仕組みAIに長い作業を任せるとき指示ファイル、検証のスクリプト、自動テストを整える

プロンプトはコンテキストの一部で、コンテキストはハーネスの一部です。どれかが古くなったのではなく、任せる仕事が大きくなるほど、外側の設計が効いてきます。

たとえば「議事録を要約して」という同じ頼みでも、1回だけならプロンプトの工夫で足ります。毎週の会議で続けるなら資料の渡し方(コンテキスト)が効き、要約から配信までAIに任せるなら、誤りを見つけて止める仕組み(ハーネス)が要ります。

1回の指示の書き方そのものはプロンプトとはで、AIへのあらかじめの指示は用語集のシステムプロンプトで見られます。

コンテキストエンジニアリングは「AIに何を読ませるか」を選ぶこと

AnthropicはAIエージェント向けの解説(2025年9月)で、コンテキストエンジニアリングを、AIが答えるときに読む情報を選び、整え続けるための工夫の総称と説明しています。

そのうえで、プロンプトエンジニアリングが自然に発展したもの、と位置づけています。

AIが一度に読める量(コンテキストウィンドウ)には上限があります。資料を何でも詰め込むと、肝心の指示が埋もれたり、古い情報に引きずられたりします。

ChatGPTやClaudeを使う人にとっても、身近な話です。たとえば決算資料の要約を頼むなら、関係のない過去の会話がある画面ではなく、新しい会話で、要約に要る資料だけを渡します。

資料が多いときは、目的、背景、資料、指示の順に並べると、AIが何のために読むのかを先に把握できます。

毎回同じ前提を書くなら、ChatGPTのカスタム指示やプロジェクト、Claudeのプロジェクトに入れておきます。これも、AIが読む情報をあらかじめ整えておく、コンテキストエンジニアリングの一つです。

資料の選び方や長い会話の整理など、コンテキストを整える方法はコンテキストエンジニアリングとはで詳しく見られます。

ハーネスエンジニアリングは「AIが同じ失敗を二度としない仕組み」をつくること

ハーネスは、馬具の手綱や引き具を指す英語です。AIの分野では、AIのモデルそのもの以外の、エージェントを動かし導く仕組みの全体を指して使われます。

同じAIのモデルでも、どんなハーネスの中で動かすかで、任せられる仕事の大きさが変わります。ハーネスエンジニアリングは、モデルを替えなくても手元で整えられるこの部分に、目を向ける考え方です。

この言葉が広まるきっかけになったのは、HashiCorpの共同創業者で開発者のMitchell Hashimoto氏が2026年2月5日に公開した記事です。

氏はハーネスエンジニアリングを、エージェントが間違えるたびに、その間違いを二度と起こさない仕組みを作る考え方だと説明しています。

仕組みの作り方として氏が挙げるのは2つです。1つはAGENTS.mdのような指示ファイルに、過去にAIがした失敗への注意を書き足すことです。

もう1つは、画面のスクリーンショットを撮る、テストを絞って流すといった、AIが自分で結果を確かめられるスクリプトを用意することです。

OpenAIは2026年2月11日、この考え方での開発の実例を公開しました。3人のエンジニアが5か月で、手書きのコードを1行も使わずに、Codexに約100万行のコードを書かせ、約1,500件の変更をまとめたという報告です。

この報告では、エンジニアの主な仕事は、コードを書くことから、環境を設計し、意図をはっきりさせ、Codexが確かな仕事をするための確認の仕組みを作ることに変わったと書かれています。

巨大な指示ファイルは失敗し、「1000ページの説明書ではなく地図を渡す」ことが要点だったとも述べています。

Martin Fowlerのサイトの記事(Birgitta Böckeler氏、2026年2月17日)は、この実例のハーネスを3つの要素に整理しています。

AIが読む知識を整え続けること、設計の決まりを自動の検査で守らせること、古くなった文書や決まりへの違反を定期的にAIに掃除させることです。

自分はどれから手をつけるか

3つのうちどれに力を入れるかは、AIにどこまで任せているかで決まります。

ChatGPTやClaudeに質問や文章づくりを頼んでいるなら、プロンプトとコンテキストで十分です。 指示に目的と条件を書き、要る資料だけを渡します。

よく使う前提は、プロジェクトやカスタム指示に入れておきます。ChatGPTとClaudeのどちらにもこの機能があります。

Claude CodeやCodexにコードや作業を任せているなら、ハーネスに手をつける時期です。 AIが同じ間違いをしたら、指示ファイルに1行足すか、AIが自分で確かめられるテストやスクリプトを用意します。

たとえばAIが毎回テストを流さずに作業を終えるなら、指示ファイルに「終える前に必ずテストを流す」と書き、テストを1つのコマンドで流せるようにしておきます。注意書きだけで直らない失敗は、自動の検査で止めるほうが確かです。

指示ファイルの書き方はAGENTS.mdとはで、作業ごとの手順をまとめる仕組みはAgent Skillsとはで詳しく見られます。どちらも、ハーネスを形づくる部品です。

AIに開発を任せるツールの違いは、Claude CodeとCodexの比較やAIコーディングのカテゴリで比べられます。コードを読まずに作り進める使い方との関係は、バイブコーディングとはで整理しています。

まとめ

3つの考え方の違いは、何を設計するかにあります。プロンプトは1回の指示、コンテキストはAIが読む情報の全体、ハーネスはAIエージェントが働く環境と、失敗を繰り返させない仕組みです。

ハーネスエンジニアリングは、2026年2月のMitchell Hashimoto氏の記事と、OpenAIのCodexでの実例をきっかけに広まりました。

まずは、AIが同じ間違いをしたときに、それを指示ファイルかテストに残す習慣から始められます。

社内でAIに開発や業務を任せる範囲を広げたいものの、指示ファイルや確認の仕組みをどう整えるかに迷う場合は、運営会社のAIリスキルがご相談を受けています。

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