「会議にAIのボットを呼び込むのが気まずい」「録音していることを相手に意識させたくない」という場面は、営業・法務・エグゼクティブの仕事でよくあるのではないでしょうか。
Granolaは、ボットを使わずにパソコンの音声をローカルで拾って会議メモを生成するAIメモアプリです。2023年のロンドン創業から約3年でユニコーン(評価額15億ドル)に到達し、Vercel・Brex・Cursorなどテック企業を中心に急速に広がっています。
Granolaの概要
GranolaはAIを使った会議メモツールですが、Otter.aiやFirefliesなど一般的な競合との最大の違いは「ボットが会議に参加しない」点です。Granolaはあなたのパソコン上で動作し、コンピューターの音声を直接拾って文字起こしします。他の参加者から見て、AIが同席しているとはわかりません。
$192M
累計調達額
$1.5B
評価額(2026年3月)
10%
週次ユーザー成長率
250%
直近四半期の収益成長率
Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsをはじめ、すべての会議ツールで動作します。アプリが会議に「参加」するのではなく、OSレベルで音声を取得する仕組みのため、ツールを選びません。
Granolaの主な機能
Granolaは当初「個人向けの会議メモツール」として登場しましたが、現在はチーム・企業向けの機能を大幅に拡張しています。
AIメモ生成(ノートパッド)
会議中に自分でメモを書いても書かなくても、終了後にAIが構造化されたメモを生成します。ユニークなのは「自分が書いたメモ」と「文字起こし」を組み合わせて出力する点で、完全自動生成ではなく「自分の言葉を土台にAIが整える」アプローチです。
アクションアイテム・決定事項・次のステップなどが自動で抽出され、Notion風のレイアウトで出力されます。テンプレートのカスタマイズも可能です。
Brief(会議前のコンテキスト準備)
カレンダーと連携して、外部ミーティングの前に「ブリーフ」を自動生成します。参加者のプロフィール・前回話した内容・今回押さえるべきポイントをまとめてくれるため、準備時間を短縮できます。
Granola Chat(会議横断の検索・質問)
過去の会議メモ全体に対してチャットで質問できます。「先週のあの件、どういう結論になったっけ?」「Aさんとの交渉でどんな懸念が出ていたか」といった問いに対して、過去の会議コンテキストから答えを引き出します。Claude・ChatGPT・Geminiを利用しています。
Spaces(チーム共有ワークスペース)
2026年3月に追加されたチーム機能です。チームメンバーのミーティングメモをスペース・フォルダ単位で管理・共有できます。「このフォルダのメモ全体に対して質問する」といった横断検索も可能で、組織全体の会話コンテキストをナレッジとして活用することを目指した機能です。
MCP連携
Model Context Protocolに対応しており、Claude・ChatGPT・Lovable・Figma・Replitなど外部AIツールからGranolaのメモコンテキストを参照できます。
API(個人・Enterprise)
Businessプラン以上で個人APIが使えます。自分のメモや共有されたメモをプログラムから取得して、外部ワークフローに組み込めます。
インテグレーション
Attio・Notion・Slack・HubSpot・Affinity・ZapierとのAdvanced統合がBusinessプランで利用できます。
iPhoneアプリ
対面の会議や電話にも対応。ロック画面ウィジェットからワンタップで録音を開始でき、メモはデスクトップとリアルタイム同期されます。
Granolaの料金
個人・チーム・企業向けの3プランで、月額課金です(年払いオプションは公式サイトでご確認ください)。
| プラン | 月額(1ユーザーあたり) | 主な内容 |
|---|---|---|
| Basic | $0 | AIメモ生成・限定的な会議履歴・AIチャット・共有フォルダ・テンプレートカスタマイズ |
| Business 人気 | $14 | 無制限の会議メモ・高度なAI機能・Advanced統合(Notion・Slack・HubSpotなど)・API・MCP |
| Enterprise | $35 | SSO・管理者コントロール・組織全体の自動削除設定・Enterpriseセキュリティ・優先サポート |
Basicプランの「限定的な会議履歴」は要確認
Basicプランは無料で使い始められますが、会議履歴の保存件数や期間に制限があります。公式サポートでも上限の明確な情報が出ていないという声があるため、実際に使い込む前に確認しておくのがよいでしょう。
サブスクの1.5%がCO2除去に寄付される
Stripe Climateを通じて、支払い額の1.5%が大気中のCO2除去プロジェクトに充てられます。
こんな人・用途に向いています
ボット不使用というアーキテクチャ上の選択が、特定の職種に刺さりやすいサービスです。
Granolaが向いているケース
こういった用途に強い
- ボットが会議に参加することへの抵抗感がある(顧客・法務・社外との会議)
- 会議に集中しながら、後でクリーンなメモが欲しい
- Zoom・Meet・Teamsを問わず同じ体験で使いたい
- 会議の内容をMCPでClaude等の外部AIに渡して活用したい
- チーム全体の会話コンテキストをナレッジとして蓄積・活用したい
他のツールも検討したいケース
要件によっては別の選択肢も
- 録音を後から聞き直したい(Granolaは音声ファイルを保存しない)
- Androidや Webブラウザからも使いたい(現在は非対応)
- CRM自動入力や深いワークフロー自動化が必要(→Fireflies・Otter等)
- 話者の識別精度をラベル付きで管理したい(Speaker A/Bという表記のみ)
注意点・正直なところ
使う前に把握しておきたい点をまとめます。
音声ファイルは保存されない
Granolaはプライバシー設計上、音声ファイルをデバイスにもサーバーにも保存しません。文字起こしに誤りがあった場合、元の音声を聞き直して確認することができません。精度の高い文字起こしが前提で設計されていますが、専門用語が多い会議では誤りが残ることもあります。
デフォルトでモデル学習に使われる(BasicとBusinessプラン)
BasicとBusinessプランでは、デフォルトでデータがAIモデルの学習に使用されます。オプトアウトは可能ですが、設定を確認していないと気づかない場合があります。Enterpriseプランでは組織全体でのオプトアウトが可能です。
Androidおよびウェブ版は未対応
現時点でGranolaはmacOS・Windows・iOSのみ対応しています。Androidユーザーやブラウザからアクセスしたい場合は利用できません。
SOC 2 Type II準拠
音声を保存しないアーキテクチャが功を奏し、通常12〜18ヶ月かかるSOC 2 Type IIの認証を3ヶ月で取得しています。企業導入時のセキュリティ審査では強みになります。
まとめ
Granolaは「ボットなし・音声ローカル処理」という設計上の選択によって、特定の職種・ユースケースで明確な支持を得ているAI会議メモツールです。
Spaces・API・MCP連携と機能が急速に拡張しており、個人ツールからチーム・企業向けの会話コンテキスト基盤へとシフトしています。「会議メモが欲しい」だけであれば競合も多い領域ですが、ボット忌避・プライバシー重視・MCP連携での活用を考えている場合はGranolaを試してみる価値があるでしょう。
Granolaが特に向いているケース
- ボットを使わずに会議を記録したい(顧客・法務・役員会議)
- Zoom・Meet・Teamsをまたいで同じ体験で使いたい
- MCPでGranolaの会議コンテキストをClaude等に渡して活用したい
- チームの会話ナレッジをSpacesで横断検索したい
