Dify.aiは、RAGエンジンを使用して、エージェントから複雑なAIワークフローまでLLMアプリを編成してくれるサービスです。
エージェントの構築からAIワークフローの編成まで、生成型AIアプリケーションに必要な技術スタックを網羅しています。
Difyの主な特徴
Dify.aiの大きな特徴は、RAG(Retrieval-Augmented Generation)エンジンを搭載していることです。
RAGは、生成AIの精度や信頼性を向上させる手法の一つで、関連する情報を検索・取得し、それを基に回答を生成します。
Dify.aiではこのRAGエンジンを活用することで、より高度なAIアプリケーションの開発が可能になります!
直感的なインターフェースとノーコード開発
Dify.aiは、直感的なインターフェースを提供しており、プログラミングの知識がなくてもドラッグ&ドロップ操作でアプリケーションを作成できます。
これにより、AIアプリケーション開発のハードルが大幅に下がり、より多くの人がAIの力を活用できるようになります。
最新のAIモデルを統合
また、Dify.aiはGPT-4やClaude 3など最先端のAIモデルをシームレスに統合しており、ノーコードでハイクオリティなアプリ開発が可能です。LangChainやFlowiseと比較しても、より本番環境に適したプラットフォームと言えるでしょう。
柔軟なLLMの切り替えと統合
Dify.aiでは、アプリケーション間でLLMを柔軟に切り替えることができます。
また、Dify.aiは既存のシステムとの統合も容易で、推論の監視、ログの記録、データの注釈付け、微調整などを行うことで、生成型AIアプリを継続的に最適化できます。
企業におけるAIアプリケーションの導入・運用において非常に重要な機能です!
自律型AIエージェントの構築
Dify.aiを使えば、わずか数回のクリックでAIエージェントを作成できます。このAIエージェントは、企業が定義したツールとデータを自立的に使用して、複雑なタスクを解決することが可能です。
例えば、特定の業界に特化したチャットボットやAIアシスタントを5分で開発・導入したり、長文ドキュメントを要約したりするなど、様々な用途に活用できます。
オープンソースとコミュニティの力
Dify.aiはオープンソースプロジェクトであり、コミュニティの力を活かした開発が行われています。
オープンソース化により、開発者はDify.aiに自由に機能追加や改良を行うことができます。これにより、Dify.aiは常に進化し続けるプラットフォームとなっています。
実際、Dify.aiのコードの約30%はGPTによって生成されたものだそうです!
他のサービスとの機能比較
Difyの公式ドキュメントで紹介されている機能比較表をご紹介します。
機能 | Dify.AI | LangChain | Flowise | OpenAI Assistants API |
---|---|---|---|---|
プログラミングアプローチ | API + アプリ指向 | Pythonコード | アプリ指向 | API指向 |
サポートされているLLM | 豊富なバリエーション | 豊富なバリエーション | 豊富なバリエーション | OpenAIのみ |
RAGエンジン | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
エージェント | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
ワークフロー | ✅ | ❌ | ✅ | ❌ |
観測性 | ✅ | ✅ | ❌ | ❌ |
エンタープライズ機能(SSO/アクセス制御) | ✅ | ❌ | ❌ | ❌ |
ローカル展開 | ✅ | ✅ | ✅ | ❌ |
Difyで作成できるAIアプリケーションの例
Difyを使って作成できるAIアプリケーションの種類は多岐にわたります。主なものとしては以下のようなものがあります。
チャットボット・AIアシスタント
ユーザーとの対話を通じて質問に答えたり、タスクをサポートしたりするチャットベースのアプリケーションを作成できます。
テキストジェネレーター
SQLジェネレーター、コードコンバーターなど、様々な種類のテキスト生成アプリを作ることができます。
要約・分析ツール
長文ドキュメントを要約したり、テキストデータを分析したりするアプリケーションが作成可能です。
画像生成アプリ
DALL·EやStable Diffusionなどの画像生成モデルと連携し、テキストから画像を生成するアプリを構築できます。
計算・問題解決ツール
WolframAlphaなどの計算エンジンと連携することで、数式計算や問題解決を行うアプリケーションを作ることができます。
カスタムアシスタント
ユーザーの要望に合わせて、様々な機能を組み合わせたオリジナルのAIアシスタントを構築可能です。
Difyの使用方法
続いて、Difyの始め方と使い方について解説します。
動作環境
Difyを使用するには、以下の動作環境が必要です。18
- CPU:2コア以上
- RAM:4GB以上
Difyの始め方・インストール方法
Difyを始めるには、以下の2つの方法があります。
- Dify Cloudを利用する
- セットアップ不要ですぐに使える「Dify Cloud」サービスを提供しています。
- サンドボックスプランでは、200回の無料GPT-4呼び出しが含まれています。
- セルフホスティングする
- Dockerを使ってローカル環境にDifyをインストールする方法です。
- 以下のコマンドを実行します。
“bashcd docker
docker compose up -d
“ - インストール後、ブラウザで
http://localhost/install
にアクセスし、初期化プロセスを開始します。
Difyの使い方
アプリケーションの作成
- ダッシュボードから新しいプロジェクトを作成します。
- 必要なAIモデルとプラグインを選択します。
- アプリケーションをデプロイします。
プロンプトエンジニアリング
Difyには、プロンプトを作成するための直感的なインターフェース「プロンプトIDE」が用意されています。
これを使って、チャットベースのアプリにテキスト読み上げなどの追加機能を追加したり、モデルのパフォーマンスを比較したりすることができます。
RAG(Retrieval-Augmented Generation)の活用
DifyにはRAGエンジンが搭載されており、関連する情報を検索・取得し、それを基に回答を生成することができます。
PDF、PPTなどの一般的なドキュメント形式からのテキスト抽出にも対応しています。
エージェントの構築
Difyでは、LLMの関数呼び出しまたはReActに基づいてエージェントを定義し、エージェント向けの事前構築済みまたはカスタムのツールを追加できます。
Google検索、DALL·E、Stable Diffusion、WolframAlphaなど、50以上の組み込みツールが用意されています。