プログラミングの世界で、AIの活用が加速しています。その中でも注目を集めているのが「Cursor」というAIコーディングツールです。
Cursorは、Visual Studio Code(VSCode)をベースに開発された、AIを搭載したコードエディタです。自然言語によるコード生成やデバッグ支援など、様々な機能を備えており、開発者の生産性向上が期待されています。
本ページでは、Cursorの概要、機能、料金体系、導入方法などを詳しく解説します。Cursorを使ってみようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
Cursorとは
CursorはAIを活用したコーディングツールです。主な特徴は以下の通りです。
- VSCodeベース: 人気のコードエディタVSCodeをベースに開発されているため、操作性が良く、VSCodeユーザーにとってスムーズな移行が可能です。
- ChatGPT搭載: OpenAIの言語モデルChatGPTを搭載しており、自然言語によるコード生成やデバッグ支援が可能です。
- AI支援機能: コードの自動生成、質問応答、エラー修正など、AIを活用した様々な機能を備えています。
Cursorを使えば、自然言語でコーディングの指示を出すことができます。また、コードに関する質問にAIが回答してくれるため、効率的な開発が可能になります。
Cursorの主な機能
Cursorには、以下のような主な機能があります。
コード生成・編集
Ctrl + K
を押すと、AIチャットウィンドウが開きます。そこに自然言語で指示を入力すると、AIがコードを生成・編集してくれます。
例えば、「Pythonで簡単なWebサーバーを作成してください」と入力すると、AIがWebサーバーのコードを生成します。既存のコードを選択した状態で指示を出せば、そのコードを修正することもできます。
質問応答
Ctrl + Shift + L
でチャットウィンドウを開くと、コードに関する質問をAIに投げかけることができます。AIがコードを解析し、適切な回答を返してくれます。
例えば、「このコードはどういう機能を持っていますか?」「このエラーはどう修正すればいいですか?」といった質問ができます。
ドキュメント参照
@記号
を使うと、特定のライブラリやフレームワークのドキュメントをAIに参照させることができます。AIがそのドキュメントの内容を理解し、より適切な回答やコード生成ができるようになります。
対話型デバッグ
コードにバグがある場合、AIにデバッグを依頼できます。AIがバグの原因を特定し、修正方法を提案してくれます。
Cursorの料金プラン
Cursorには、無料プランと有料プランがあります。
無料プラン(Basic)
- 月間50回の「slow」GPT-4使用
- 月間200回のGPT-3.5使用
- プライバシーモード
有料プラン
Pro ($20/月 or $16/月(年払い))
- 月間500回の「fast」GPT-4使用
- 無制限の「slow」GPT-4およびGPT-3.5使用
- 1日10回のClaude Opus使用
- プライバシーモード
Business ($40/月/ユーザー)
- Proプランの全機能
- 管理者ダッシュボード
- 強制プライバシーモード
無料プランでも基本的な機能は使えますが、AIの利用回数に制限があります。開発の効率化を図るには、有料プランへの移行を検討する必要があるでしょう。
Cursorの導入方法
Cursorの導入は非常に簡単です。
- 公式サイトからCursorをダウンロードし、インストールします。
- Cursorを起動し、アカウント作成の手順に従います。
- 言語設定を日本語に変更します(設定方法は後述)。
以上で導入は完了です。VSCodeユーザーの場合は、設定やショートカットキーなどがVSCodeとほぼ同じなので、すぐに使い始められます。
Cursorの日本語設定
Cursorのデフォルト言語は英語ですが、日本語に変更することができます。
- メニューバーから「View」を選択し、「Command Palette」を開きます。
- 「Configure Display Language」と入力し、言語選択肢から「日本語(ja)」を選びます。
- 確認ウィンドウが表示されたら「Restart」をクリックし、Cursorを再起動します。
これで、Cursorのインターフェースが日本語になります。
Cursorを使うことによる影響
Cursorを使うことで、コーディングの効率化やコード品質の向上が期待できる一方で、いくつかの影響や注意点もあります。
コーディングの効率化
- 自然言語によるコード生成機能があり、コーディングの手間が大幅に軽減されます。
- コードの自動修正機能があり、バグの修正が容易になります。
- コードに関する質問にAIが回答してくれるので、理解が深まり開発が効率化されます。
コード品質の向上
- 文法チェック機能があり、コードのミスを事前に防げます。
- ドキュメントを参照してコードを生成するので、ベストプラクティスに沿ったコードが書けます。
- コードの可読性が高まり、メンテナンス性が向上する可能性があります。
Cursorの注意点
- AIに過度に依存しすぎると、プログラミングの基礎的な理解が不足する恐れがあります。
- セキュリティ上の懸念から、機密情報が含まれるコードはAIに見せられない場合があります。
- AIの出力は常に正しいわけではないので、人間の確認が必要不可欠です。
CurosorとGitHub Copilotの違い
Cursorと類似したAIコーディングツールとして、「GitHub Copilot」というサービスがあります。
GitHub Copilot
- GitHubとOpenAIが共同開発したAI支援コーディングツール
- コード補完やコード生成、コメント生成などの機能があります
- Visual Studio Code、JetBrains IDEなどに統合されています
CursorとGitHub Copilotの主な違いは以下の通りです。
プラットフォーム
- Cursor: VSCodeをベースに独自のAIコードエディタとして開発されています。
- GitHub Copilot: VSCodeの拡張機能として提供されています。
機能の違い
- Cursor: コード生成、質問応答、デバッグ支援など多機能です。
- GitHub Copilot: コード補完と生成に特化しています。
対話機能
- Cursor: 自然言語によるコード生成指示やチャット式の質問ができます。
- GitHub Copilot: 最新のCopilot Chatでは対話機能が追加されましたが、従来版には無かった機能です。
価格体系
- Cursor: 無料プランと有料プランがあります。
- GitHub Copilot: 基本的に有料ですが、学生は無料で利用可能です。
学習データ
- Cursor: OpenAIの言語モデルChatGPTを使用しています。
- GitHub Copilot: GitHubのコードベースから学習したGPT-4を使用しています。
マルチタスク
- Cursor: コーディング以外にも翻訳、ドキュメント参照、画像解析などができます。
- GitHub Copilot: コーディングに特化した機能です。
このように、Cursorは多機能なAIコードエディタ、GitHub Copilotはコード補完・生成に特化したVSCode拡張機能という違いがあります。
用途や目的に合わせて使い分ける必要があります。