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Cerebras Inference
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AI推論処理に特化した世界最速のサービス。

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「Cerebras Inference」とは?

Cerebras Inferenceは、Cerebras Systemsが独自開発した大型半導体「WSE-3(Wafer Scale Engine 3)」を基盤とするAI推論サービスです。

従来のGPUベースの推論サービスと比較して圧倒的な性能とコスト効率を実現しています。

Cerebras Inferenceの主な特徴

Cerebras Inferenceには、大量のデータを高速に処理するための革新的な仕組みが多数組み込まれています。

  1. 高速処理性能
    • Llama 3.1 8Bモデルでは毎秒1,800トークン、Llama 3.1 70Bモデルでは毎秒450トークンの処理速度を実現[2][3]。
    • NVIDIA H100を用いた推論サービスと比較して22倍の速度、Groqなど他の高速推論サービスと比べても優位性を持つ[1][9]。
  2. コスト効率
    • 推論コストはNVIDIA H100ベースのサービスの5分の1に抑えられており、業界最安値を提供[1][9]。
    • 例えば、Llama 3.1 8Bモデルは100万トークン当たり10セント、Llama 3.1 70Bモデルは100万トークン当たり60セントで利用可能[9]。
  3. 高精度
    • 推論処理にはMetaが提供する16ビットのモデルウェイトを使用し、精度を犠牲にすることなく高速化を実現[2][3]。
    • 8ビットウェイトを使用する他社サービスと比較して、最大5%の精度向上を達成[2]。
  4. メモリ帯域幅の革新
    • WSE-3チップは44GBのオンチップメモリを搭載し、21ペタバイト/秒のメモリ帯域幅を提供。これにより、外部メモリへの依存を排除し、推論処理のボトルネックを解消[2][3]。
  5. スケーラビリティ
    • 数十億から数兆パラメータのモデルに対応可能。大規模モデルは複数のCS-3システムに分割して処理[2][3]。
  6. APIアクセス
    • OpenAIのChat Completions APIと互換性があり、簡単に統合可能。無料トークンの提供や柔軟な料金プランも用意[2][4]。

Cerebras Inferenceの料金プラン

主な特徴

  1. 高速処理性能
    • Llama 3.1 8Bモデルでは毎秒1,800トークン、Llama 3.1 70Bモデルでは毎秒450トークンの処理速度を実現[2][3]。
    • NVIDIA H100を用いた推論サービスと比較して22倍の速度、Groqなど他の高速推論サービスと比べても優位性を持つ[1][9]。
  2. コスト効率
    • 推論コストはNVIDIA H100ベースのサービスの5分の1に抑えられており、業界最安値を提供[1][9]。
    • 例えば、Llama 3.1 8Bモデルは100万トークン当たり10セント、Llama 3.1 70Bモデルは100万トークン当たり60セントで利用可能[9]。
  3. 高精度
    • 推論処理にはMetaが提供する16ビットのモデルウェイトを使用し、精度を犠牲にすることなく高速化を実現[2][3]。
    • 8ビットウェイトを使用する他社サービスと比較して、最大5%の精度向上を達成[2]。
  4. メモリ帯域幅の革新
    • WSE-3チップは44GBのオンチップメモリを搭載し、21ペタバイト/秒のメモリ帯域幅を提供。これにより、外部メモリへの依存を排除し、推論処理のボトルネックを解消[2][3]。
  5. スケーラビリティ
    • 数十億から数兆パラメータのモデルに対応可能。大規模モデルは複数のCS-3システムに分割して処理[2][3]。
  6. APIアクセス
    • OpenAIのChat Completions APIと互換性があり、簡単に統合可能。無料トークンの提供や柔軟な料金プランも用意[2][4]。

利用可能なモデルと料金プラン

  • 対応モデル: Llama 3.1 8B、Llama 3.1 70B(今後さらに大規模なモデルも追加予定)[2][9]。
  • 料金プラン:
    • 無料プラン: APIアクセスと1日あたり100万トークンの無料利用。
    • 開発者プラン: 柔軟なサーバーレス展開が可能で、低コストで利用可能。
    • エンタープライズプラン: カスタマイズされたモデルや専用サポートを提供[4][9]。

技術的優位性と市場への影響

Cerebras Inferenceは、AI推論市場における速度とコスト効率の新たな基準を確立しました。この技術により、リアルタイム応答や複雑なAIワークフローが可能となり、AIアプリケーションの開発が加速すると期待されています。また、NVIDIAをはじめとする競合他社に対して強力な競争力を持つとされています[1][3][6]。

Cerebras Inferenceは、AI推論処理の「ダイヤルアップ時代」を終わらせる技術革新として注目されており、今後のAI商用化における重要な役割を果たすと考えられています[6][9]。

Cerebras Inferenceの利用料金とプラン

Cerebras Inferenceの料金体系は、モデルの規模に応じて以下のように設定されています:

  • Llama 3.1 8Bモデル: 100万トークンあたり10セント(約14円)。
  • Llama 3.1 70Bモデル: 100万トークンあたり60セント(約87円)。
  • Llama 3.1 405Bモデル: 入力トークン100万あたり6ドル、出力トークン100万あたり12ドル。

これにより、Cerebras Inferenceは業界最安値の推論サービスを提供しており、NVIDIA H100ベースのサービスと比較してコストは約5分の1に抑えられています。

プランの種類

Cerebras Inferenceは、利用者のニーズに応じて以下の3つのプランを提供しています。

  1. 無料プラン
    • 1日あたり100万トークンの無料利用が可能。
    • APIアクセスが含まれ、開発者が簡単に試用できる環境を提供。
  2. 開発者プラン
    • 柔軟なサーバーレス展開が可能。
    • Llama 3.1 8Bモデルや70Bモデルを低コストで利用可能。
  3. エンタープライズプラン
    • 持続的なワークロードを持つ組織向け。
    • 微調整されたモデル、カスタムサービスレベルアグリーメント(SLA)、専用サポートを提供。
    • 料金はリクエストに応じてカスタマイズ。

特徴的な料金設定のポイント

  • Cerebras Inferenceは、トークン単位での料金設定により、利用者が必要な分だけコストを支払う仕組みを採用しています。
  • 他社と比較して、圧倒的なコスト効率を実現しており、特に大規模なAIモデルを使用する場合においても、低コストでの運用が可能です。

Cerebras Inferenceの導入手順

Cerebras Inferenceを利用するための導入手順は以下の通りです。これらの手順を順に実行することで、Cerebrasの高速なAI推論サービスを活用できます。

1. Cerebrasアカウントの作成とAPIキーの取得

  • アカウント作成: Cerebrasの公式サイトでアカウントを作成します。
  • APIキーの取得: アカウントにログイン後、「API Keys」セクションから新しいAPIキーを生成します。このキーは、Cerebras APIを利用する際の認証に必要です。

APIキーの設定:

  • セキュリティを考慮し、APIキーを環境変数として設定することを推奨します。以下のコマンドをターミナルで実行してください。
export CEREBRAS_API_KEY=<your-api-key>

2. 開発環境のセットアップ

Cerebras Inferenceを利用するために、開発環境を準備します。

  • Python環境:
    • Python 3.7以上が必要です。
    • 必要なライブラリをインストールするために、以下のコマンドを実行します。
pip install "instructor[cerebras_cloud_sdk]"
  • TypeScript環境:
    • TypeScript 4.5以上が必要です。
    • npmを使用してCerebrasライブラリをインストールします。

3. Cerebras Inferenceライブラリのインストール

Cerebras Inferenceライブラリをインストールし、APIを利用できる状態にします。

  • Pythonの場合:pip install cerebras
  • Node.jsの場合:npm install cerebras

4. 初回APIリクエストの実行

APIキーとライブラリの設定が完了したら、Cerebras APIを利用して初回リクエストを実行します。

以下はPythonを使用した例です。

import instructor
from cerebras.cloud.sdk import Cerebras

# Cerebrasクライアントの初期化
client = instructor.from_cerebras(Cerebras())

# モデルを指定してリクエストを送信
response = client.chat.completions.create(
    model="llama3.1-8b",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "こんにちは、Cerebras Inferenceを試しています。"}
    ]
)

# レスポンスを表示
print(response)

5. 開発者向けツールの活用

  • Playgroundの利用: Cerebrasが提供するPlaygroundで、APIリクエストを試すことができます。これにより、コードを書く前にモデルの動作を確認できます。
  • APIリファレンスの参照: CerebrasのAPIリファレンスを活用して、利用可能なエンドポイントやリクエストパラメータを確認します。

6. 応用と統合

Cerebras Inferenceは、以下のような統合や応用が可能です:

  • LangChainやLlama Indexとの統合: LLMを活用したアプリケーションの構築。
  • Dockerを使用したコンテナ化: 環境の移植性を高めるための設定。
  • リアルタイムAIアプリケーション: 音声AIや対話型エージェントの構築。

7. ストリーミング対応

Cerebras Inferenceはストリーミングモードをサポートしており、リアルタイムでレスポンスを処理することが可能です。

以下はストリーミングの例です。

from typing import Iterable

resp = client.chat.completions.create(
    model="llama3.1-70b",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "ストリーミングモードでの応答を試しています。"}
    ],
    stream=True,
)

for message in resp:
    print(message)

8. サポートと問い合わせ

  • 技術サポート: APIキーの取得や利用に関する問題がある場合、Cerebrasのサポートチームに問い合わせることができます。
  • エンタープライズ向けサポート: 大規模な導入やカスタマイズが必要な場合、専用のサポートが提供されます。

競合サービス比較

Cerebras Inferenceは、AI推論市場において高速性とコスト効率を強みとする革新的なサービスです。一方で、NVIDIA、Google、AWSなどの競合サービスも、それぞれ独自の特徴を持っています。

以下に、Cerebras Inferenceと主要な競合サービスの比較を示します。

1. Cerebras Inference

特徴:

  • 高速性: Llama 3.1 8Bモデルで秒間1,800トークン、70Bモデルで秒間450トークンを処理。NVIDIA H100ベースの推論サービスと比較して最大22倍高速。
  • コスト効率: Llama 3.1 8Bモデルで100万トークンあたり10セント、70Bモデルで100万トークンあたり60セントと、競合他社の約1/5のコスト。
  • 精度: 16ビット精度を維持しながら高速な推論を実現。
  • スケーラビリティ: 最大128Kのコンテキスト長に対応し、大規模なモデルにも適応可能。
  • 独自技術: Wafer Scale Engine 3(WSE-3)を搭載し、メモリ帯域幅がNVIDIA H100の7,000倍。

用途:

  • リアルタイム応答が求められるAIアプリケーション(音声AI、対話型エージェント、コード生成など)に最適。

2. NVIDIA

特徴:

  • Triton Inference Server: オープンソースの推論サーバーで、複数のディープラーニングフレームワーク(TensorFlow、PyTorch、ONNXなど)に対応。
  • TensorRT: 推論ランタイムとモデル最適化ツールを提供し、低遅延と高スループットを実現。
  • ハードウェア: H100、L40Sなどの高性能GPUを提供し、データセンターやクラウドでのAI推論に最適化。

優位性:

  • 幅広いエコシステムとサポート体制。
  • GPUを活用した柔軟な推論環境(クラウド、オンプレミス、エッジ)。

欠点:

  • Cerebras Inferenceと比較して推論速度が遅い場合がある。
  • コストが高くなる可能性。

3. Google

特徴:

  • Cloud TPU v5e: トランスフォーマーモデルやCNNベースの推論に最適化されたAIアクセラレータ。JAX、TensorFlow、PyTorchなどのフレームワークをサポート。
  • BigQuery ML: バッチ推論とオンライン予測をサポートし、大規模データ処理に対応。

優位性:

  • Google Cloud Platformとのシームレスな統合。
  • 大規模データ処理能力とスケーラビリティ。

欠点:

  • Cerebras Inferenceと比較した具体的な性能データが少ない。

4. AWS

特徴:

  • Amazon EC2 Inf1インスタンス: AWS Inferentiaチップを搭載し、高性能かつ低コストでの推論を実現。
  • Amazon SageMaker: モデルのデプロイと推論を行うためのマネージドサービス。サーバーレス推論もサポート。

優位性:

  • AWSエコシステムとの統合。
  • 柔軟なスケーラビリティとコスト効率。

欠点:

  • Cerebras Inferenceと比較した具体的な速度や性能の優位性は不明。

5. その他の競合

  • Groq: 独自のAIアクセラレータを使用し、Cerebras Inferenceに次ぐ高速性を提供。ただし、Cerebrasには及ばない。
  • Fireworks AI: トークン処理速度はCerebras Inferenceの約1/7程度。

比較表

サービス名高速性コスト効率精度スケーラビリティ主な用途
Cerebras Inference最大22倍高速(NVIDIA比)100万トークンあたり10セント16ビット精度最大128Kコンテキスト長対応リアルタイムAIアプリケーション
NVIDIA高性能GPUを活用高コストの可能性高精度柔軟な推論環境幅広いAI推論タスク
GoogleTPUによる高速推論不明不明大規模データ処理に最適トランスフォーマーモデル推論
AWS高性能Inferentiaチップを使用柔軟な価格設定不明AWSエコシステムとの統合サーバーレス推論

結論

Cerebras Inferenceは、特に大規模言語モデル(LLM)の推論において、競合他社よりも高速かつコスト効率の高いソリューションを提供しています。

一方で、NVIDIA、Google、AWSは、それぞれのエコシステムや柔軟性を活かしたサービスを展開しており、用途やニーズに応じて選択肢が異なります。

Cerebrasはリアルタイム性が求められるアプリケーションに特化しており、競合他社と比較して明確な優位性を持つと言えます。

最新ニュースとアップデート

Cerebras Inferenceは、AI推論分野での革新を続けており、最近いくつかの重要な発表が行われました。以下に、最新のニュースとアップデートをまとめます。

1. 推論速度の大幅な向上

  • Llama 3.1-70Bモデル: Cerebras Inferenceは、Llama 3.1-70Bモデルで1秒あたり2,100トークンの処理速度を達成しました。これは以前の速度から3倍の向上であり、業界最速の推論性能を誇ります。
  • Llama 3.1-405Bモデル: MetaのフロンティアモデルであるLlama 3.1-405Bでは、1秒あたり969トークンの処理速度を記録しました。この速度は、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなどの競合モデルを10倍以上上回る性能です。

これらの速度向上は、Cerebrasの独自アーキテクチャとカスタムシリコン技術によるもので、特にリアルタイム性が求められるアプリケーションにおいて大きな利点を提供します。

2. コスト効率の向上

  • Cerebras Inferenceは、Llama 3.1-405Bモデルの利用料金を入力トークン100万あたり6ドル、出力トークン100万あたり12ドルに設定しました。これは、AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureと比較して約25%低コストで提供されています。
  • さらに、Llama 3.1-8Bモデルでは100万トークンあたり10セントという業界最安値の料金を維持しています。

3. Mayo Clinicとのコラボレーション

Cerebras Systemsは、Mayo Clinicと共同で「Genomic Foundation Model」を発表しました。このモデルは、患者のゲノムデータを活用して診断精度を向上させ、個別化医療を推進することを目的としています。

  • 成果:
    • がんの予測精度96%、心血管疾患の予測精度83%を達成。
    • 医療現場での意思決定を支援し、治療選択の迅速化を実現。
  • 技術的背景:
    • CerebrasのAIプラットフォームを活用し、通常数年かかるモデル開発を1年未満で完了。

4. トリリオンパラメータモデルのトレーニング成功

Cerebrasは、Sandia National Laboratoriesと協力し、1兆パラメータのAIモデルを単一のCS-3システムでトレーニングすることに成功しました。この成果は、従来のGPUクラスタを必要とするモデル開発の複雑さを大幅に軽減するものです。

5. 新しい応用分野と顧客事例

  • 製薬業界: GlaxoSmithKline(GSK)は、Cerebras Inferenceを活用して、研究エージェントや創薬プロセスを効率化するAIアプリケーションを開発しています。
  • 分子動力学シミュレーション: Cerebrasのハードウェアを使用して、分子動力学シミュレーションで世界記録を樹立。従来のスーパーコンピュータを大幅に上回る速度でシミュレーションを実行可能。

6. 今後の展望

  • Cerebrasは、2025年第1四半期中に新しい推論サービスの提供を予定しており、さらなる性能向上とコスト削減を目指しています。
  • また、CePO(Cerebras Processing Optimization)という新技術を導入し、次世代モデル(Llama 3.3-70Bなど)の性能をさらに向上させる計画です。

Cerebras Inferenceは、推論速度、コスト効率、応用範囲のすべてにおいて業界をリードする存在となっています。特に、医療や製薬分野での応用が進んでおり、今後もさらなる進化が期待されます。

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