2026年2月24日、Notionが大型アップデート「Notion 3.3」をリリースし、新機能Custom Agents(カスタムエージェント)を公開しました。これまでのNotion AIは「質問すると答えてくれる」ツールでしたが、Custom Agentsは24時間365日、自分から動いてくれるAIです。Slack・メール・カレンダーなどの外部ツールとも連携でき、日常の繰り返し作業を自動化できます。
「AIエージェントって結局なにが便利なの?」と感じている方も多いかもしれません。この記事では、Custom Agentsで実際に何ができるのか、料金はどうなるのか、そして導入前に知っておきたい注意点まで整理しました。
自動で24時間稼働
トリガーやスケジュールを設定すれば、手動で指示を出さなくてもエージェントが動き続けます。
外部ツールと連携
Slack、Notion Mail、Notion Calendar、さらにMCP経由でLinear・Figma・HubSpotなどとも接続可能。
AIモデルを選べる
Claude Opus 4.6やGPT-5.2など、タスクの内容に合わせてモデルを切り替えられます。
早期テスターの間ではすでに21,000以上のカスタムエージェントが作成されており、Notion社内でも2,800のエージェントが常時稼働しているとのこと。利用可能なプランはBusinessとEnterpriseに限られますが、2026年5月3日まで無料トライアルが用意されています。
従来のNotion AIとの違い — 「聞かれたら答える」から「自分で動く」へ
Notion AIはもともと、ページ内でテキストを要約したり、質問に答えたりする機能として提供されていました。便利ではあったものの、毎回自分で指示を出す必要がありました。Custom Agentsでは、この「人が指示を出す」ステップがなくなります。
Notion AIの使い方がどう変わるか
これまで(Notion AI)
ユーザーの操作
毎朝Notionを開いて、Slackの未読をチェックし、重要なメッセージを手動でNotionのタスクDBに転記する
Notion AIでできたこと
転記した内容の要約をAIに頼むことはできた。でも転記自体は自分でやる必要があった
これから(Custom Agents)
エージェントの動作
Slackの特定チャンネルを監視し、キーワード「対応お願い」を検知したら自動でNotionタスクDBにエントリを作成
ユーザーの操作
朝Notionを開くと、タスク一覧がすでに整理されている。確認して優先度を調整するだけ
ポイントは、エージェントの作成にプログラミングが不要な点です。「Slackの#supportチャンネルで質問が投稿されたら、社内ドキュメントを検索して回答を下書きして」のように、やりたいことを日本語で書くだけでエージェントが構築されます。Notion社はQ&A、タスク振り分け、ステータスレポートなどのテンプレートも用意しており、ゼロから設計しなくても始められます。
具体的な活用例 — メール整理からスプリントレポートまで
Custom Agentsの用途は幅広いですが、特に反復作業の自動化に向いています。Notion公式が紹介している代表的なユースケースと、早期導入企業の声を見てみましょう。
活用例:毎朝のメール整理エージェント
IT運用サービスのRemote社では、Custom Agentsを使ってチケットのトリアージを自動化し、95%以上の精度で振り分け、25%以上のチケットを自律的に解決しているそうです(同社 IT Ops Manager James Lawley氏のコメント)。また、マーケティング領域では、Braintrust社のVP Marketing Morgane Palomares氏が「1日あたり20分の時短になっている」と報告しています。
もう1つの典型例は、週次のステータスレポート作成です。プロジェクト管理のデータベースとSlackの会話ログから情報を集め、進捗サマリーを自動で生成できます。毎週金曜日に手作業でまとめていた報告書が、月曜朝にはもう出来上がっている、というイメージです。
料金とプラン — 5月まで無料、その後はクレジット制
Custom Agentsの料金体系はシンプルですが、従来のNotion AIとは仕組みが異なります。月額定額ではなく、「使った分だけ払う」クレジット制を採用しています。
2026年5月3日までは、BusinessおよびEnterpriseプランのユーザーなら追加費用なしで利用可能です。5月4日以降は「Notionクレジット」の購入が必要になり、1,000クレジットあたり10ドル(約1,500円)で販売されます。
1回のエージェント実行に使うクレジットはタスクの複雑さに応じて変動し、目安として1,000クレジットで30〜60回の実行が可能です。単純なタスクなら1回あたり約17クレジット(約2.5円)、複雑なマルチステップ処理では33クレジット前後(約5円)です。なお、未使用クレジットは月末にリセットされ、翌月への繰り越しはできません。
導入前に確認しておきたいポイント
Custom AgentsはBusinessプラン(月額18ドル/ユーザー)以上が必要です。Free・Plusプランでは利用できません。
クレジットはワークスペース全体で共有されるため、チームメンバーが多い場合は消費量の見積もりが重要です。
Claude Opus 4.6など高性能モデルを選択すると、1回あたりのクレジット消費が増える可能性があります。タスク内容に合ったモデル選択が大切です。
どんな人に向いている? — Custom Agentsの向き不向き
Custom Agentsは万能ではありません。自分のワークフローに合うかどうかを判断するために、向き不向きを整理します。
あなたの状況に合うのはどっち?
毎朝Slackから情報を拾ってNotionにまとめている
Custom Agents向き
週次レポートを手作業で作成している
Custom Agents向き
チームで問い合わせ対応のたらい回しが起きている
Custom Agents向き
個人でNotionをメモ帳代わりに使っている
現状のNotion AIで十分
すでにZapierやMakeで自動化を組んでいる
比較検討がおすすめ
Custom Agentsが特に力を発揮するのは、Notionをチームのハブとして使っているケースです。プロジェクト管理、ドキュメント、タスク管理がNotionに集約されていれば、エージェントがアクセスできる情報量が増え、精度も上がります。逆に、Notionを個人のメモ程度にしか使っていない場合は、既存のAI機能で十分でしょう。
また、すでにZapierやMakeなどで業務自動化を構築している場合は、Custom Agentsへの移行が本当に必要かを検討した方がよさそうです。Custom Agentsの強みは「AIが文脈を理解して判断できる」点にありますが、単純な「AならBを実行」型の自動化なら既存ツールでも対応できます。
まとめ — まずは無料期間中に1つ作ってみるのが近道
Notion Custom Agentsは、「AIに聞く」から「AIが自分で動く」への転換点といえる機能です。プログラミング不要で作成でき、Slack・メール・カレンダーと連携して繰り返し作業を自動化できます。Ramp社やRemote社といった早期導入企業では、問い合わせ対応や日次レポートの効率化ですでに成果が出ています。
5月3日までの無料期間があるので、「毎朝やっている作業」や「毎週繰り返している報告」から1つ選んで試してみると、自分のワークフローに合うかどうかが判断しやすいはずです。Businessプラン以上が必要な点、クレジットの月次リセットがある点は事前に確認しておきましょう。




