「12 Days of OpenAI」総まとめ!リリース・アップデート内容を解説します

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山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役。日本最大級の生成AIメディア「AIツールギャラリー(累計100万PV超)」を運営し、これまでに600以上のAIツールを検証、1000以上の記事を執筆。
大阪を拠点に、法人向けの生成AI顧問や研修、各種生成AIサービスを提供しています。

最新のAI技術が続々と公開されるなか、仕事や学習の場面で「具体的にどう活かせるの?」という疑問をお持ちの方も多いはずです。「12 Days of OpenAI」は、そんな疑問に応えるヒントが詰まったイベントでした。

新モデルのリリースから音声通話機能のアップデート、そして動画生成まで、一見バラバラに思える発表がどのようにつながり、実務やクリエイティブの現場で役立つのか。その要点をわかりやすくまとめます。

はじめに

12 Days of OpenAI」は、ChatGPTを提供するOpenAIが2024年12月5日から12営業日にわたって実施した特別なイベントで、毎日新しいAIモデルや機能を発表するという形式で行われました。

このイベントは、年末に向けてOpenAIの最新技術や製品を紹介する目的で開催され、多くの注目を集めました。

「12 Days of OpenAI」発表内容まとめ

「12 Days of OpenAI」は、わずか12日間のあいだに数多くのアップデートが発表され、AIの幅広い進化を感じさせてくれたイベントです。文章生成だけでなく音声や動画、コラボレーション機能など多岐にわたる内容でした。

以下に、各日ごとの発表を大まかにまとめてみましょう。

  • Day1: ChatGPT Pro & OpenAI o1
  • Day2: 強化学習型ファインチューニング受付開始
  • Day3: 動画生成AI「Sora」正式リリース
  • Day4: Canvasが全ユーザーに開放
  • Day5: Siri & Apple Intelligence連携
  • Day6: Advanced Voice Modeにビデオ通話&サンタ音声が追加
  • Day7: 「プロジェクト」でチャット・ファイル管理を効率化
  • Day8: ChatGPT searchが無料開放&音声検索対応
  • Day9: API版o1・Preference Fine-Tuningなど開発者向け機能が充実
  • Day10: 電話&WhatsAppからChatGPTが利用可能(米国限定)
  • Day11: macOS版ChatGPTアプリの連携機能強化
  • Day12: 「OpenAI o3 / o3-mini」が登場間近、AGIへの大きな一歩

このように毎日違った角度から新機能やモデルが紹介されたことで、AIが実用ツールとしてますます身近になっていることを感じさせます。次の章以降では、これら各日の内容をさらに詳しく見ていきましょう。

Day1(12月6日): o1モデルの正式リリース & ChatGPT Proの導入

日本時間の2024年12月6日、「12 Days of OpenAI」初日からOpenAIは全力で新機能を投入。o1-previewの完全版である**「OpenAI o1」、さらに研究者やエンジニア向けの新プラン「ChatGPT Pro」**が正式リリースされました。

OpenAI o1の進化ポイント

  • 画像アップロードが解禁:マルチモーダル対応により、テキストだけでなく画像を含む高度な応答が可能
  • o1-preview比で回答速度が50%向上:スピーディーな応答が期待できる
  • 重大なミスリスクが34%減少:精度面の大幅な改善
  • モデル選択欄でo1が利用可能:ChatGPTの有料プラン全ユーザーが切り替えて使用可能

たとえば、ゲルマニウムラジオの配線図をアップロードして、適切なコイルの巻数を計算するといった応用も可能になりました。

ChatGPT Proの内容

  • 月額200ドル(約3万円):高額ながら、頻繁にAIを活用する方には魅力的
  • ChatGPT Plus相当の機能・特典をすべて含む
  • 「o1 Proモード」へのアクセス:高度なタスクで安定した推論を実現
  • OpenAI o1やGPT-4oの利用回数無制限:大型データの解析や複雑なプログラミング支援も気兼ねなく使える
  • Advanced Voice Modeの利用回数無制限:音声でのやり取りもストレスなく行える

ChatGPT Proの「o1 Proモード」は非常に強力で、複雑な生体分子のパターン解析など、研究分野にも適した性能を持っているとのこと。

Day2(12月7日): 強化学習型ファインチューニングの発表

2日目は控えめなリリースながら、将来的に大きなインパクトを与えそうな「強化学習型ファインチューニング(Reinforcement Fine-Tuning)」の研究プログラム受付がスタートしました。

強化学習型ファインチューニングとは?

  • 強化学習×ファインチューニングのハイブリッド手法:数十~数千のタスクをモデルに学習させ、正確性を強化学習で評価
  • 精度と専門性の両立:コーディング、科学研究、金融、法律など複雑なタスクにも強い
  • アルファ版はOpenAI APIから提供:2025年初頭の一般公開を目指す

参加希望の研究機関・企業は、専用の研究プログラム応募フォームから申し込みが可能。枠に限りがあるため、興味のある方は早めのアクションが望まれます。

Day3(12月10日): 動画生成AI「Sora」の正式リリース

Soraの特徴

Soraはテキストで指示を与えるだけで最大20秒の1080p動画を自動生成できる新モデルです。ストーリーボード機能やアスペクト比の変更機能も搭載し、動画クリエイションの敷居を大幅に下げます。

  • Sora専用サイトから利用:ChatGPTとは別のUIを用意
  • テキスト・画像・動画入力に対応:ChatGPT感覚で動画を生成・編集
  • 日本語プロンプトに完全対応:日本語ユーザーでも簡単に使える
  • タイムライン操作「Storyboard」機能:プロレベルの動画編集が1分で実現
  • 1度に20秒まで生成:SNS向けショート動画との相性抜群
  • ChatGPT Plus / Proなら追加料金なし:嬉しいコストメリット
  • 短尺動画に特化: SNS投稿や広告向け動画を素早く量産するのに便利
  • ChatGPT Plus & Pro限定提供: 早期の段階から使いこなしたいクリエイターに注目されている

具体的な用途例

  • SNS広告の大量生産: 短時間でトレンドに合わせた動画を作り、そのまま投稿可能
  • プレゼン資料のビジュアライズ: グラフや図表だけでなく、簡単なアニメーション動画も即席で作成
  • 教育コンテンツ: 字面だけでは伝わりにくい概念を、短い映像でわかりやすく提示

TikTokやYouTubeショートへの活用も期待されています!


Day4(12月11日): 全プランでCanvasが利用可能に!

Canvasとは

CanvasはChatGPTと連携したリアルタイムコラボレーションツールで、文章やコードの共同編集に優れています。今回のアップデートではPythonコードとの統合やカスタムGPTの拡張機能が追加され、より多様な作業に対応可能になりました。

  • サイドバイサイド表示: チャットウィンドウと編集ビューを同時に開けるため、対話しながら即座に修正ができる
  • コメント機能: 文章やコードにピンポイントでコメントを残し、修正や却下を一目で確認

Pythonコード統合

  • その場で実行&デバッグ: エラーの検出から修正提案までをシームレスに行える
  • 学習目的にも便利: プログラム学習者がリアルタイムでコードの解説を得られ、自走力が身につきやすい

まるでGoogle DocsやMicrosoft Wordのように、生成した文章・コードを直接編集できるため、ChatGPTの活用シーンがさらに広がります。

Day5(12月12日): Siri & Apple Intelligenceとの連携スタート

Appleユーザー待望のアップデート。Apple Intelligenceを搭載したiPhone / iPad / Macにおいて、Siriを経由してChatGPTが利用可能となりました。

実現した新しい操作体験

  • SiriがChatGPTに質問を振り分け:高度な問い合わせに対して、SiriがChatGPTの回答を取得
  • iPhone 16のカメラ機能と連携:被写体を撮影するだけで、ChatGPTから補足情報やアドバイスを得られる
  • M1チップ以上のMacで対応:書類作成や画像解析、PDF要約などのタスクがSiri経由で可能

デモ動画では、複数のセーターを着た人々の中から「一番楽しいデザインはどれ?」とSiri&ChatGPTに尋ねるシーンがあり、まさにAIアシスタントが実用の域に達してきたことを感じさせます。


Day6(12月13日): Advanced Voice Modeがビデオ通話&画面共有に対応

新機能の概要

音声モードに「ライブビデオ通話」や画面共有機能が追加され、さらに「サンタの声」といった季節限定の音声も利用可能になりました。AIアシスタントを“耳”と“目”の両方で活用できるようになります。

  • ライブビデオ通話: 映像を交えながら会話できるため、対話の臨場感が一段とアップ
  • 画面共有: テクニカルサポートや共同編集など、リアルタイムコラボに最適

サンタの声機能

  • 季節限定のエンタメ要素: 子どもや家族とのコミュニケーションに一役買う
  • 多様な音声パターンの追加余地: ホリデー以外のテーマ音声も今後導入が期待される

利用シーンの拡張
音声のみで得られる情報量を超え、ビジュアル共有でより深いサポートができるようになり、遠隔会議や学習環境でも役立ちそうです。

Day7(12月14日): 「プロジェクト」機能で会話&ファイル管理がスムーズに

折り返し地点の7日目にリリースされたのが、**「プロジェクト(Projects)」**という新機能。チャットとファイル、さらにはカスタム指示をまとめて管理できるため、作業効率が飛躍的に向上します。

プロジェクト機能のポイント

  • 複数のチャットやファイルを一元管理
  • プロジェクト単位でカスタム指示を設定可能
  • ChatGPT searchやCanvasとの連携
  • Plus / Pro / Teamで先行、無料版は後日対応予定

デモ動画では、アップロードしたファイルの内容を参照しながら文章を生成したり、Canvasで簡易サイトを作成するシーンが紹介され、業務効率化を大いに支援してくれそうです。

Day8(12月17日): ChatGPT searchが無料版でも利用可能に

8日目は無料ユーザーへのビッグニュース。これまで有料プラン専用の機能だった「ChatGPT search」が無料プランにも開放され、音声検索などの機能アップデートが行われました。

ChatGPT searchのアップデート内容

  • 無料プランでも利用可能
  • Advanced Voice Mode対応:音声検索がスムーズに
  • Chrome拡張機能の動作改善:特定サイトの指名検索がしやすくなった
  • スマホアプリ版は地図機能搭載:レストランや施設の検索に便利

Google & Microsoftへの対抗意識が強く感じられ、ChatGPTにおける情報検索がますます実用的に。

Day9(12月18日): API版o1や新ファインチューニング手法が続々リリース

開発者向けの大規模アップデートが行われたのが9日目。**API版「OpenAI o1」**が新機能を携えてリリースされ、さらに新しいファインチューニング手法やSDKが公開されました。

Day9の主なポイント

  • Function Calling対応API版o1:外部ツール操作精度がGPT-4oを上回る
  • 画像入力にも対応:複数枚のドキュメントや手書き書類を正確に解析
  • JSON出力可能:APIの出力を直接システム連携に活用しやすい
  • Realtime APIアップデート:トークン利用料金を最大60%削減
  • GPT-4o miniがさらに安価に:WebRTC対応で低遅延の音声・映像コミュニケーションも可
  • Preference Fine-Tuning登場:良い回答例と悪い回答例をモデルに比較させる新手法
  • Go言語&JavaのOpenAI公式SDKベータ版リリース

高度なAIエージェントの開発や、大規模システムへの組み込みが一層容易に。いろいろ試したくなる機能が一気に公開されました。

Day10(12月19日): 1-800-CHATGPTの導入

無料電話アクセスの実現

米国内ユーザーを対象に、固定電話やスマートフォンから15分間無料でChatGPTと会話できる電話番号「1-800-CHATGPT」が開放されました。

  • テクノロジーリテラシー不要: インターネット環境を用意せず、ダイヤルするだけで利用可能
  • 高齢者層やPC苦手ユーザーにメリット: シンプルな通話操作だけでAIの恩恵を受けられる

社会的インパクト

  • サービス拡充の可能性: スマホアプリやWebブラウザ以外の新たなチャネルとして有効
  • ローカルコミュニティ向け: 行政サービスの案内やヘルプラインとしての応用も考えられる

カスタマーサポート面での期待
企業の問い合わせ窓口にAIを活用する試みが増えるきっかけにもなりそうです。AIに電話で質問し、その回答を活かして簡易なトラブルシュートを行うシナリオが広がっています。

Day11(12月20日): macOSアプリ版ChatGPTが大幅アップデート

Macユーザーにとって嬉しいニュース。半年前に登場したmacOSアプリ版ChatGPTが進化し、多くのコーディングアプリやノートアプリとの連携が可能になりました。

macOSアプリ版のアップデート内容

  • 全有料プラン対応(Plus / Pro / Team / Enterprise / Edu)
  • 連携強化:Warp / IntelliJ IDEA / PyCharm / Apple Notes / Notion / Quip など
  • Advanced Voiceからの外部アプリ操作が可能
  • o1 / o1 pro modeを実装
  • 2025年にはWindowsアプリや無料版にも対応予定

デモ映像ではWarpやNotionを直接操作するシーンが紹介され、Macならではのスマートなワークフローが期待できそうです。

Day12(12月21日): 「OpenAI o3 / o3-mini」が登場間近

「12 Days of OpenAI」のラストを飾るのは、AGI(汎用人工知能)に一歩近づいたとされる次世代モデル「OpenAI o3 / o3-mini」のティーザー発表。2025年初頭の登場を目指しています。

OpenAI o3 / o3-miniの概要

  • Chain of Thought推論の応用:未知の問題にも高い解答精度を発揮
  • ARC-AGIのクリア:史上初の快挙で、AGI実現に向けて大きく前進
  • コーディング力アップ:Sweet Bench VerifiedやCodeForce等でo1を超える実力
  • 数学力の強化:AIME 2024で上位スコアを記録
  • o3-miniは高速&低コスト:o1並の性能を手軽に利用可能
  • 推論の脱獄耐性も強化:誤情報を出にくい仕組みが搭載

2019年から5年間どのモデルも突破できなかったARC-AGIを初めてクリアしたという話題性は大きく、2025年の正式リリースがさらに注目を集めそうです。

まとめ

OpenAIは、GPT-4oやOpenAI o1、ChatGPT searchなど数々のプロダクトを世に送り出してきました。そして12月の「12 Days of OpenAI」では、動画生成AI・音声通話機能の強化・開発者向けAPI刷新・AGIに近づく次世代モデルなど、あらゆる角度からAI技術を進化させています。

改めて、各日の目玉を振り返ると…

  • Day1: ChatGPT Pro & OpenAI o1
  • Day2: 強化学習型ファインチューニング受付開始
  • Day3: 動画生成AI「Sora」正式リリース
  • Day4: Canvasが全ユーザーに開放
  • Day5: Siri & Apple Intelligence連携
  • Day6: Advanced Voice Modeにビデオ通話&サンタ音声が追加
  • Day7: 「プロジェクト」でチャット・ファイル管理を効率化
  • Day8: ChatGPT searchが無料開放&音声検索対応
  • Day9: API版o1・Preference Fine-Tuningなど開発者向け機能が充実
  • Day10: 電話&WhatsAppからChatGPTが利用可能(米国限定)
  • Day11: macOS版ChatGPTアプリの連携機能強化
  • Day12: 「OpenAI o3 / o3-mini」が登場間近、AGIへの大きな一歩

来年2025年も、OpenAIが私たちの想像を超えるAI技術を披露し続けるのは間違いありません。AGI(汎用人工知能)の登場が現実味を帯びるなか、今後のOpenAIからの発表には引き続き大きな注目が集まりそうです。ぜひ本記事をブックマークし、各日のアップデートを見逃さないようにしてください!

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山原 慎也

AIリスキル株式会社 代表取締役。日本最大級の生成AIメディア「AIツールギャラリー(累計100万PV超)」を運営し、これまでに600以上のAIツールを検証、1000以上の記事を執筆。
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