Windsurf AIは、Codeium社が提供しているAI搭載の統合開発環境(IDE)です。コードを補完したり生成したりする機能はもちろん、複数ファイルにわたる修正や、プロジェクト全体を把握した上での改善提案など、さまざまな開発支援を行います。自然言語で指示を出せるため、プログラミングの経験年数にかかわらず使いやすい点が特徴です。
使ってみると、自分が思い描いていたコードをスムーズに仕上げてくれるため、「こういう操作があったら便利なのに」と思っていた機能が詰まっていると感じるかもしれません。
たとえば「ReactとTypeScriptでTodoアプリを用意して」と打ち込むだけで、関連するコード一式を自動生成したりします。
単なるコード補完にとどまらない点に注目してください。
Windsurf AIの主な機能
Windsurf AIには、多様な機能がありますが、特に重要なものをいくつか紹介します。
Cascade機能
プロジェクト全体を俯瞰しながら、大規模なコード生成や修正をまとめて行えるのがCascade機能の強みです。
- Writeモード: 新規に大きめの機能を追加する際に使いやすいモードです。
- Chatモード: ちょっとしたリファクタリングやバグ修正を自然言語で頼めます。
「複数のファイルを一気に変えたいけど、どこをどう直すか把握するのが面倒」といった場面で、このCascade機能がとても役立ちます。
自然言語操作
英語や日本語といった自然言語による操作に対応している点も便利です。
「この関数をもう少し読みやすく書き直して」と頼むと、具体的な修正提案が返ってきます。専門的なコマンドを覚える必要がないので、気軽に活用できます。
全ファイルの文脈認識
Windsurf AIは、フォルダ構造や依存関係などを自動的に理解し、関連性のある部分も含めて修正範囲を判断してくれます。
大規模プロジェクトや複雑なライブラリ構成の場合、どこをどう直すかを人間が全部把握するのは大変なので、かなり助かります。
Web検索機能
「Wave 2」というアップデートから、外部のドキュメントやGitHubのREADMEをリアルタイムで参照できるようになりました。
APIドキュメントを検索しながらコードを書いてくれるため、最新の情報をすぐに反映した開発ができます。
Automated Memories
ユーザーの使い方や修正パターンを学習して、少しずつ賢くなる仕組みです。よく使うライブラリやよくやる修正を学習してくれるので、重宝します。
Windsurf AIの料金プラン
Windsurf AIには、個人開発から企業チームまで使える複数のプランがあります。最初は無料プランから始めて、必要に応じて有料プランに切り替えるのがおすすめです。
プラン | 料金(目安) | 主な機能 | クレジット追加購入 |
---|---|---|---|
無料プラン | 0円/月 | – 基本的な機能のみ – オートコンプリート、AIチャット無制限 – コンテキスト認識は限定的 | 追加購入不可 |
Proプラン | 15ドル/月 | – 高度なAIモデル(GPT-4oなど)の利用 – 拡張コンテキスト認識 – 高速オートコンプリート | 10ドルで300クレジット(月内繰越可) |
Pro Ultimateプラン | 60ドル/月 | – 無制限のユーザープロンプト – プレミアム機能フルアクセス – 優先サポート | 10ドルで400クレジット(月内繰越可) |
Teamsプラン | 35〜90ドル/ユーザー/月 | – チーム内のクレジット共有 – 組織分析やシート管理 – リモートリポジトリのインデックス | プランにより異なる |
Enterprise SaaSプラン | 要問い合わせ | – チーム向け機能+オンプレミスやハイブリッド環境対応 – エンタープライズサポート | 要問い合わせ |
無料プランでもオートコンプリートやAIチャットなどの基本機能は無制限に利用できます。より高度なモデルでの提案や、大規模な文脈認識を求めるならPro以上のプランが便利です。
チームで使う場合はTeamsプランやEnterpriseプランにすることで、クレジット共有や組織管理機能などが利用できます。
Windsurf AIの導入手順
Windsurf AIは公式サイトからダウンロードし、数ステップで使い始められます。
1. システム要件の確認
macOS、Windows、Linux(Ubuntuなど)に対応しています。開発に必要なディスク容量やネットワーク環境を確認してください。
2. インストーラのダウンロード
Windsurf AIの公式ページにアクセスして、OSに合ったインストーラを入手します。Apple Silicon対応やIntel向けなど、バージョンを間違えないようにしましょう。
3. インストールと初期設定
ダウンロードしたインストーラを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
- 既存のVS CodeやCursorの設定をインポートできるので便利です。
- Codeiumアカウントでのログインが必要なので、まだの人はアカウント登録を行います。
4. エディタ設定の調整
好みのキーバインディングやテーマを選択し、使い勝手を自分好みに整えます。ターミナル統合機能を有効にしておくと便利です。
5. プロジェクトを作成またはインポート
空のディレクトリから新規プロジェクトを始めるか、既存のコードベースを開いてすぐに使えます。Next.jsプロジェクトなら npx create-next-app@latest
のようにコマンドを打つか、「Next.jsプロジェクトを作成して」と自然言語で指示するだけでもOKです。
Windsurf AIの具体的な使い方
プロジェクト開始
- 新規プロジェクト作成
Windsurfを起動したら、新しくプロジェクトを作るか、既存プロジェクトを読み込みます。ターミナルの代わりに自然言語でコマンドを指示できます。 - Cascade機能の活用
マルチファイルにわたる変更が必要なときは、CascadeのWriteモードやChatモードを使います。複雑なバグ修正や大規模リファクタリングにも対応できるので、慣れてくるとかなり時間を節約できます。
ターミナル統合
Windsurf AI上のターミナルは、自然言語で指示できるのが特徴です。
- 「Expressをインストールして」と入力すると
npm install express
が走ります。 - エラーが出たら「エラーを修正して」と投げかければ修正案を提案してくれます。
自然言語での操作
Windsurf AIでは、英語や日本語で具体的な指示をすると、コードの補完や修正内容をAIが考えてくれます。
たとえば、「この関数にエラーハンドリングを加えて」と伝えれば、それらしいエラーハンドリングコードを挿入してくれます。
全体のリファクタリング
複数ファイルにまたがるリファクタリングが必要なとき、Cascadeで「React Contextに切り替えて」といったお願いをすると、ReduxからContextへの移行作業が一度に行われます。
手作業で大量のファイルを開いて修正する手間が大幅に減ります。
競合サービスとの比較
AIを活用した開発支援ツールは多様ですが、Windsurf AIはプロジェクト全体を自動で解析する点とコストパフォーマンスの良さが評価されています。
Cursorとの比較
- UI/UX: Cursorは細かな設定ができる一方、操作がやや複雑なところがあります。Windsurf AIはシンプルなUIで敷居が低いです。
- 価格: WindsurfのProプランは月額15ドルなので、Cursorより割安といわれています。
GitHub Copilotとの比較
- GitHub連携: CopilotはGitHubとのシームレス連携が強みです。
- 複数ファイルの修正: Windsurf AIは複数ファイルにわたる修正を一気に進めるのが得意です。
最新のニュースとアップデート
2025年に向けて「Wave 2」という大規模アップデートが行われ、機能がさらに拡充されました。主な追加要素をざっくり紹介します。
- リアルタイムWeb検索
APIドキュメントやGitHubの情報をリアルタイムで拾ってコードに反映します。 - Autogenerated Memories
過去の修正パターンやライブラリ使用状況を学習して、自分の開発スタイルに合わせた提案をしてくれます。 - エンタープライズ向け強化
大人数のチームやオンプレミス環境でも使いやすいように拡張され、企業での導入事例が増えてきています。
このようにWindsurf AIは、開発生産性をさらに高める方向にアップデートを続けています。大規模チームや複雑な技術スタックを扱う現場では特にメリットが大きいです。
もし、少しでも興味があれば、まずは無料プランを試してみると使い勝手がつかみやすいと思います。自分が本当に必要としていた機能がいくつも見つかるかもしれません。