目次(10項目)
「AI開発を検討しているけど、いきなり数百万円の開発費を払うのは不安…」
こうした声をよく聞きます。実際、AI開発は「やってみないとわからない」部分が多く、本開発に着手してから「思った成果が出ない」となるケースもあります。
だからこそ、まずは PoC(概念実証) で小さく試すのが現実的です。本記事では、PoC開発の費用相場から進め方、よくある失敗パターンまでまとめています。
- PoC開発の費用相場(30〜50万円〜)と期間の目安
- 費用の内訳と何にお金がかかるか
- PoCがうまくいかないパターンと対策
- 本開発への進め方フロー
PoC開発は「お試し開発」のこと
PoCとは「Proof of Concept」の略で、日本語では「概念実証」と訳されます。簡単に言うと、本格開発の前に小さく試して、うまくいきそうか確かめるステップです。
たとえば、こんな依頼が多いです。
「社内の問い合わせデータを使って、FAQの自動回答ができるか試したい」
「製造ラインの画像から不良品を検出できるか、精度を確認したい」
本開発で数百万〜数千万円かける前に、30〜50万円程度で「そもそも実現できるのか」「どのくらいの精度が出るのか」を検証できます。
費用相場は30〜50万円が目安
PoC開発の費用は、検証範囲や技術的な難しさによって変わります。
| 規模 | 費用目安 | 期間 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 小規模 | 30〜50万円 | 2〜3週間 | ChatGPT APIを使った社内FAQ対応 |
| 中規模 | 50〜100万円 | 3〜4週間 | 独自データで学習したカスタムモデル |
| 大規模 | 100〜200万円 | 1〜2ヶ月 | 複数機能の検証、本番に近い環境構築 |
費用が変わる主な要因
- データの状態: 整理済みか、クレンジングが必要か
- 技術的な難しさ: 既存APIで対応できるか、独自開発が必要か
- 検証範囲: 単一機能か、複数機能の組み合わせか
「うちはいくらになりそう?」という場合は、具体的な内容をお聞きしてお見積りします。
費用の内訳:人件費が8割以上
「30万円って何に使われるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
PoC費用の大半は**人件費(エンジニアの稼働)**です。クラウド利用料やツール費用は、PoCの規模であれば数千円〜数万円程度で収まることがほとんどです。
弊社のPoC開発に含まれるもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キックオフMTG | ゴール設定、検証方法の確認 |
| データ分析 | 提供データの品質確認、前処理 |
| プロトタイプ開発 | 動作するシステムの構築 |
| 検証・調整 | 精度確認、パラメータ調整 |
| デモ・レビュー | 動作デモ、フィードバック収集 |
| 報告書作成 | 検証結果、本開発に向けた提案 |
見積書で不明点があれば、遠慮なく質問してください。
期間は2〜4週間が一般的
「どのくらいで結果が出るの?」という質問も多いです。
小〜中規模のPoCであれば、2〜4週間が目安です。
標準的な進め方(3週間の場合)
| 週 | 内容 |
|---|---|
| 1週目 | 要件確認、データ分析、環境構築 |
| 2週目 | プロトタイプ開発、初期検証 |
| 3週目 | 調整、報告書作成、デモ |
期間を短くするコツ
- データを事前に準備しておく(意外と見落としがち)
- 検証範囲を絞る(あれもこれもは避ける)
- 意思決定者に早めに見せる(2週目あたりで中間報告)
データの事前準備が最大のポイントです。「AIで何をしたいか」より「どんなデータがあるか」を先に整理しておくと、PoC期間を大幅に短縮できます。
逆に、データ準備に手間取ったり、途中で要件が変わると期間が延びやすいです。
PoCがうまくいかないケース
正直なところ、PoCで期待した結果が出ないこともあります。よくあるパターンを紹介します。
「AIにやらせたい」と思っても、学習に使えるデータがなければ検証できません。また、データにノイズが多いと精度が出にくいです。
対策: PoC開始前にデータの量・質を確認する。足りなければ「まずデータを貯める」フェーズを設ける。
「AIで業務改善」のような漠然とした目標だと、何をもって成功とするか判断できません。
対策: 「処理時間を50%短縮」「精度80%以上」など、数値で測れる目標を設定する。
現時点のAI技術では実現が難しい、または費用対効果が合わないケースもあります。
対策: PoC前に「技術的に可能か」を相談する。できないことが早めにわかるのも成果のうち。
PoCは「試す」ためのものなので、うまくいかないことがわかるのも重要な成果です。「本開発で数百万円使った後に失敗」を防げたと考えれば、PoCの価値は十分あります。
本開発への進み方
PoCで良い結果が出たら、本開発に進みます。流れは以下のとおりです。
PoC結果の評価ポイント
- 目標KPIを達成したか
- 実運用に耐えられそうか
- 追加で必要な機能は何か
結果が微妙だった場合
「完全に失敗ではないけど、期待ほどでもない」というケースもあります。その場合は:
- 原因を分析(データ?技術?要件?)
- アプローチを変えて再PoC
- 撤退判断(損切りも立派な意思決定)
よくある質問
Q. PoCなしで本開発に入れますか?
技術的に確立された手法であれば省略できる場合もあります。ただ、カスタム開発や新しい取り組みでは、PoCで確認してから進めた方が安全です。
Q. PoCで作ったものは本開発で使えますか?
部分的に使えることもありますが、PoCは「検証優先」で作るため、本開発では設計をやり直すことが多いです。ただ、得られた知見やデータは確実に活用できます。
Q. 社内にAI人材がいなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。むしろAI人材がいないからこそ、まずPoCで「AIで何ができるか」を体験するのがおすすめです。
Q. 複数社に相見積もりを取るべきですか?
費用感を把握するために2〜3社に相談するのは良いと思います。ただ、安さだけで選ぶと後で困ることもあるので、実績やサポート体制も確認してください。
まとめ
PoC開発は、AI導入の「最初の一歩」として現実的な選択肢です。
- 費用相場: 30〜50万円(小規模の場合)
- 期間: 2〜4週間
- 成果物: 動くプロトタイプ、検証レポート、本開発への提案
大きな投資の前に、まずは小さく試す。うまくいけば本開発へ、難しければ早めに軌道修正。このステップを踏むことで、AI導入のリスクを下げられます。
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