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AI導入プロジェクトの進め方|企画からPoC、本開発、運用までの全体フロー

2026年1月19日 AIリスキル株式会社
#AI導入 #プロジェクト管理 #PoC #AI開発
AI導入プロジェクトの進め方|企画からPoC、本開発、運用までの全体フロー
目次(12項目)
  1. AI導入プロジェクトの全体像
  2. 期間と費用の目安
  3. 企画フェーズ:プロジェクトの土台を作る
  4. 企画フェーズでやること
  5. 課題の特定:「AIでやりたいこと」より「解決したい課題」
  6. 目標設定:数値で測れるKPIを設定する
  7. 体制構築:誰が何をやるか
  8. PoCフェーズ:小さく試して検証する
  9. PoCフェーズでやること
  10. データ準備が最大の山場
  11. Go/No-Go判断
  12. 本開発フェーズ:本番システムを構築する
  13. 本開発フェーズでやること
  14. PoCと本開発の違い
  15. 段階的リリースのすすめ
  16. 運用フェーズ:継続的に改善する
  17. 運用フェーズでやること
  18. AIの精度は時間とともに下がることがある
  19. スケジュールの立て方
  20. スケジュール例(6ヶ月の場合)
  21. マイルストーン設定のポイント
  22. よくあるつまずきポイントと対策
  23. つまずき1:目標が曖昧なまま進んでしまう
  24. つまずき2:データが使えない
  25. つまずき3:現場が協力してくれない
  26. つまずき4:外部ベンダーとの認識ズレ
  27. つまずき5:リリース後に放置
  28. 外部パートナーの活用
  29. 外部パートナーに任せる範囲
  30. パートナー選びのポイント
  31. まとめ
  32. 関連記事
  33. ご相談について

「AI導入を任されたけど、何から始めればいいかわからない」

こうした声をよく聞きます。AIは「導入すれば自動的にうまくいく」ものではなく、しっかりとしたプロジェクト設計が必要です。進め方を間違えると、時間とコストだけかかって成果が出ない…ということにもなりかねません。

本記事では、AI導入プロジェクトの全体フローと、各フェーズで押さえるべきポイントを整理します。これからAI導入を担当する管理職・PMの方に、プロジェクトの見通しを立てる材料になれば幸いです。

この記事でわかること
  • AI導入プロジェクトの4フェーズ(企画→PoC→本開発→運用)
  • 各フェーズの期間目安と成果物
  • 体制構築のポイント(社内/外部の役割分担)
  • よくあるつまずきポイントと具体的な対策

AI導入プロジェクトの全体像

AI導入プロジェクトは、一般的に4つのフェーズで進めます。

1
企画フェーズ
課題の特定、目標設定、体制構築
2
PoCフェーズ
小さく試して実現可能性を検証
3
本開発フェーズ
本番システムの設計・開発
4
運用フェーズ
本番稼働、継続的な改善

よくある失敗は、「いきなり本開発に入る」ことです。AIは「やってみないとわからない」部分が多く、PoCで検証せずに進めると、本開発で「思った精度が出ない」「データが足りなかった」となることがあります。


期間と費用の目安

AI導入プロジェクト全体でどのくらいの期間・費用がかかるか、目安を示します。

6〜12ヶ月
全体期間
500〜2000万円
費用目安
4〜8名
関係者数
フェーズ期間目安費用目安主な成果物
企画2〜4週間0〜50万円企画書、要件定義書
PoC2〜8週間30〜100万円プロトタイプ、検証レポート
本開発2〜6ヶ月200〜1000万円本番システム
運用継続月10〜50万円安定稼働、改善サイクル

※ 規模や要件によって大きく変わります。小規模なら全体で3〜4ヶ月、数百万円で完了するケースもあります。


企画フェーズ:プロジェクトの土台を作る

企画フェーズは、プロジェクト全体の方向性を決める重要なステップです。ここを曖昧にしたまま進むと、後で「そもそも何を目指していたんだっけ」となりがちです。

企画フェーズでやること

タスク内容期間目安
課題の特定AIで解決したい業務課題の明確化1週間
目標設定数値で測れるKPIの設定1週間
体制構築社内担当者・外部パートナーの決定1〜2週間
要件定義機能要件・非機能要件の整理1〜2週間

課題の特定:「AIでやりたいこと」より「解決したい課題」

よくある失敗は、「AIを使いたい」が先行して、課題が曖昧なままスタートすることです。

NG例:

「とりあえずChatGPTを導入したい」

OK例:

「月に100件ある社内問い合わせ対応を効率化したい」 「目視検査に1日2時間かかっている。自動化したい」

AIは手段であって目的ではありません。「何を解決したいか」を明確にするのが最初のステップです。

目標設定:数値で測れるKPIを設定する

「業務効率化」「コスト削減」だけでは、プロジェクト終了時に成功・失敗を判断できません。

KPI設定の例:

業務課題KPI例
問い合わせ対応対応時間を50%削減、自動回答率70%以上
不良品検出検出精度90%以上、処理速度10秒以内
レポート作成作成時間を80%短縮、人的ミスゼロ

KPIは「達成可能だが、達成すれば意味がある」レベルに設定するのがコツです。高すぎると失敗判定になり、低すぎるとやる意味がなくなります。

PoC時点でのKPIは控えめに

PoCの段階では、本番より低めのKPIを設定しておくのが現実的です。PoCは「実現可能か」を確認するステップなので、完璧を求めると前に進みません。

体制構築:誰が何をやるか

AI導入プロジェクトには、複数の役割が必要です。

役割担当責任範囲
プロジェクトオーナー経営層/事業責任者最終意思決定、予算承認
プロジェクトマネージャー社内PM進捗管理、関係者調整
業務担当者現場部門要件の具体化、受入テスト
AI開発担当社内 or 外部技術選定、実装、検証
データ担当情シス/現場データ提供、品質管理

「社内にAI人材がいない」という会社がほとんどです。その場合、AI開発は外部に委託し、社内はPMと業務担当に注力するのが現実的です。

よくある失敗:丸投げ

「外部に丸投げ」はうまくいきません。AIは業務知識がないと精度が出ないため、社内の業務担当者が要件整理やフィードバックに関わる必要があります。


PoCフェーズ:小さく試して検証する

企画が固まったら、PoCに進みます。PoCは「本当にうまくいくか」を小さく試すステップです。

PoCフェーズでやること

タスク内容期間目安
データ準備検証用データの収集・整備1〜2週間
プロトタイプ開発動作するシステムの構築1〜3週間
検証・評価KPIとの比較、精度測定1週間
報告・判断Go/No-Go判断、本開発への提案数日

データ準備が最大の山場

正直なところ、PoCで最も時間がかかるのはデータ準備です。「データはある」と思っていても、いざ使おうとすると…

  • フォーマットがバラバラ
  • 欠損値が多い
  • 必要な期間のデータがない
  • そもそもデータが存在しない

データの準備状況によって、PoC期間は大きく変わります。

データがないとPoCできない

AIはデータから学習するので、データがなければ検証できません。「データを貯めるフェーズ」を設けることもあります。

Go/No-Go判断

PoCの結果を受けて、本開発に進むかどうかを判断します。

PoCの結果判断
KPI達成、実運用に耐えられそうGo(本開発へ)
一部課題あるが、改善の見込みあり条件付きGo(追加検証後)
技術的に難しい、費用対効果が合わないNo-Go(撤退/方針変更)

「No-Go」は失敗ではありません。本開発で数百万〜数千万円かけた後に「うまくいかなかった」となるより、PoCの段階で判断できた方がはるかに良いです。

PoCの詳細については、PoC開発の費用相場と進め方も参照してください。


本開発フェーズ:本番システムを構築する

PoCで良い結果が出たら、本番環境で動くシステムを開発します。

本開発フェーズでやること

タスク内容期間目安
設計システム設計、インフラ設計2〜4週間
開発実装、単体テスト1〜3ヶ月
結合テスト既存システムとの連携確認2〜4週間
受入テスト業務担当者による検証1〜2週間
リリース準備マニュアル作成、教育1〜2週間

PoCと本開発の違い

PoCで作ったものをそのまま本番に使えるケースは少ないです。

項目PoC本開発
目的検証実運用
コード品質動けばOK保守性・拡張性を考慮
エラー処理最低限例外パターンも網羅
セキュリティ簡易本番レベル
運用設計なし監視・ログ・障害対応

PoCの「動くもの」を本番システムに作り替えるイメージです。PoCで得た知見(精度、処理速度、課題)を活かして設計します。

段階的リリースのすすめ

一度に全機能をリリースするのではなく、段階的にリリースする方がリスクを抑えられます。

1
パイロット運用
一部部署・一部業務で先行稼働
2
フィードバック収集
現場の声を集め、調整
3
全社展開
問題がなければ対象を拡大

いきなり全社展開すると、問題発生時の影響が大きくなります。小さく始めて徐々に広げる方が安全です。


運用フェーズ:継続的に改善する

リリースして終わりではありません。AIは運用しながら改善を続けていくものです。

運用フェーズでやること

タスク内容頻度
監視精度・パフォーマンスの監視常時
再学習新しいデータでの学習月次〜四半期
機能追加ユーザーフィードバックに基づく改善都度
レビュー効果測定、KPI確認月次〜四半期

AIの精度は時間とともに下がることがある

「精度劣化」と呼ばれる現象です。AIは過去のデータで学習しているため、環境の変化に追従できないことがあります。

例:

  • 新商品が増えたのに、学習データに含まれていない
  • 顧客の問い合わせ傾向が変わった
  • 法改正で業務ルールが変わった

定期的に精度をモニタリングし、必要に応じて再学習を行う体制が必要です。

運用コストも予算に含める

開発費だけでなく、運用・保守費も最初から予算に組み込んでおくと、「リリース後に改善できない」という事態を防げます。


スケジュールの立て方

AI導入プロジェクトのスケジュールは、バッファを持たせることが重要です。

スケジュール例(6ヶ月の場合)

フェーズ主な作業
1ヶ月目企画課題定義、目標設定、体制構築
2〜3ヶ月目PoCデータ準備、プロトタイプ開発、検証
4〜5ヶ月目本開発設計・開発、テスト
6ヶ月目運用準備受入テスト、リリース、パイロット運用

マイルストーン設定のポイント

マイルストーン判断内容
企画完了目標・体制が明確か
PoC完了Go/No-Go判断
本開発完了リリース可否判断
パイロット完了全社展開可否判断

マイルストーンごとに「次に進むか、立ち止まるか」を判断します。問題があれば、早めに軌道修正できる仕組みを作っておくことが大切です。

スケジュール遅延の主な原因
  • データ準備が想定より時間がかかった
  • 要件が途中で変わった
  • 社内の意思決定に時間がかかった

これらは「よくあること」なので、最初から余裕を持ったスケジュールを組んでおくのが現実的です。


よくあるつまずきポイントと対策

AI導入プロジェクトでよくある失敗パターンと、その対策を紹介します。

つまずき1:目標が曖昧なまま進んでしまう

症状: 「AIで業務改善」という漠然とした目標のままスタート。プロジェクト終了時に成果を判断できない。

対策: 企画フェーズで、数値で測れるKPIを必ず設定する。「何をもって成功とするか」を関係者で合意しておく。

つまずき2:データが使えない

症状: 「データはある」と思っていたが、いざ使おうとすると品質が悪い、フォーマットがバラバラ、量が足りない。

対策: 企画フェーズでデータの棚卸しを行う。不足があれば、PoCの前に「データ準備フェーズ」を設ける。

つまずき3:現場が協力してくれない

症状: AI開発は進んだが、現場が使ってくれない。「今のやり方で困っていない」「余計な仕事が増える」という抵抗。

対策: 企画フェーズから現場を巻き込む。現場の課題感をヒアリングし、「自分たちのための改善」と認識してもらう。

つまずき4:外部ベンダーとの認識ズレ

症状: 発注したものと成果物が違う。「言った・言わない」でトラブルになる。

対策: 要件定義書を作成し、双方で合意する。PoCでは週次、本開発では隔週で進捗確認のMTGを実施する。

つまずき5:リリース後に放置

症状: リリースしたが、その後改善されない。精度が下がっても対応できない。

対策: 運用・保守の体制と予算を最初から確保しておく。「作って終わり」ではなく「育てていく」意識を持つ。


外部パートナーの活用

社内にAI人材がいない場合、外部パートナーとの協業が現実的な選択肢です。

外部パートナーに任せる範囲

任せる社内でやる
技術選定、実装、検証課題定義、要件整理
プロジェクト管理(外部PM)社内調整、意思決定
運用・保守業務への適用、評価

「丸投げ」はうまくいきませんが、「役割分担」ができれば、社内にAI人材がいなくてもプロジェクトは進められます。

パートナー選びのポイント

  • 実績: 類似プロジェクトの経験があるか
  • コミュニケーション: 要件をしっかり理解してくれるか
  • サポート体制: 開発後のサポートはどうなっているか
  • 技術移転: ノウハウを社内に残せるか

まとめ

AI導入プロジェクトを成功させるポイントを改めて整理します。

ポイント具体的なアクション
目標を明確に数値で測れるKPIを設定
小さく試すPoCで検証してから本開発へ
体制を整える社内PM + 外部パートナーの役割分担
データを準備企画段階でデータの棚卸し
現場を巻き込む最初から関係者を巻き込む
運用を見据える保守・改善の予算と体制を確保

AI導入は「やってみないとわからない」部分がありますが、プロジェクトの進め方を間違えなければ、リスクを最小限に抑えながら進められます。


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