近年の生成AI(文章や画像を自動で作る人工知能)のブームは、一般ユーザーの生活やビジネス現場に急速に浸透しています。特に注目されているのが、未上場企業、つまり証券取引所に株式を公開していない「スタートアップ企業」の評価額です。アメリカの投資プラットフォームである Forge Global の調査によると、わずか7社で合計200兆円を超える規模に達していることがわかりました。
評価額が急騰した未上場7社
Forge Globalが発表した「トップ7未上場企業」の推定評価額は、過去1年でほぼ倍増しています。以下にその内訳を示します。
企業名 | 推定評価額(ドル) | 日本円換算(約) | 特徴 |
---|---|---|---|
SpaceX | 4560億ドル | 約70兆円 | イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業 |
OpenAI | 3240億ドル | 約50兆円 | ChatGPTで知られる生成AI企業 |
Anthropic | 1780億ドル | 約27兆円 | 安全性に配慮したAI開発を強調 |
Databricks | 1000億ドル | 約15兆円 | データ分析とAI活用を融合したプラットフォーム |
Stripe | 920億ドル | 約14兆円 | オンライン決済インフラを提供 |
xAI | 900億ドル | 約14兆円 | イーロン・マスク氏のAI企業 |
Anduril | 530億ドル | 約8兆円 | 防衛分野に特化したAI・テクノロジー企業 |
何が「バブル的」なのか
今回の評価額急騰には、いくつかの特徴があります。
- 資金の集中
2025年に未上場市場へ投資された資金のうち、77%がわずか19社に集中しています。その中心がAI関連企業です。 - 市場全体への影響
Oracle(オラクル)やBroadcom(ブロードコム)といった上場企業は、OpenAIとの契約を発表したことで株価が急騰しました。未上場企業の動きが、公開市場にまで直接影響を与えています。 - 企業の未上場化傾向
豊富な資金が集まるため、企業はわざわざ上場して資金調達をする必要がなくなっています。結果として、未上場のまま世界規模で巨大化する企業が目立っています。
[投資の集中や市場構造の変化を図解]
サム・アルトマン氏の発言
OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏もこの状況について「バリュエーション(企業評価額)はバブル的」と発言しています。ただし同時に、「数兆ドル規模のデータセンター投資を進める」と強気の姿勢を崩していません。この発言からも、現状がバブルである可能性を認めつつ、成長への確信を持っていることが伺えます。
まとめ
今回の調査結果は、生成AIを中心とするテック企業がいかに急速に世界のお金を集めているかを示すものでした。
- わずか7社で200兆円を超える規模に
- 資金の77%が一部のAI企業に集中
- 未上場のまま世界規模で影響力を持つ新しい潮流
このスピード感は「歴史的バブル」と言える一方で、AIが今後の社会や経済の構造を大きく変えていく兆候とも捉えられます。今後もこれらの企業の動向から目が離せません。
情報の出典
本記事で紹介した数値やランキングは、投資プラットフォーム Forge Global の未上場株取引データや資金調達評価額に基づいています。
また、記事内容は 米メディア「CNBC」(2025年9月20日付) の報道を参考にしています。詳細は以下をご覧ください。
OpenAI leads private market surge as 7 startups reach $1.3 trillion – CNBC